ITリーダーやITマネージャーのための"ゆる〜い"学びの研究室
リーダーとマネージャーって違うの?
-皆さんはリーダーとマネージャーって役割や期待されていることって違うと思いますか? 同じだと思いますか?
グループリーダー、プロジェクトマネージャー、など普段何気なく使っている言葉ですが、厳密に使い分けしていますか?
色々な書籍を見ても意見が違っていることもあり、一概には言えませんが、私はこの2つは分けて考えることで管理職の皆さんの頭の中がだいぶ整理されてくると思っています。
リーダーとマネージャーの役割は似ているどころか、相反するものがある、と言われたらどうですか?
-マーカス・バッキンガム氏が書籍「最高のリーダー・マネージャーがいつも考えているたった1つのこと」の中でこういう定義をしています。
リーダーに重要なことは「普遍的なことを発見して、それを活用すること」
マネージャーに重要なことは「部下一人ひとりの特徴を発見して、それを有効に活用すること」
-この定義で、マネージャーについは言葉通りに理解し易いでしょう。
自分のチームやグループに所属するメンバーの特徴、特に強みと弱みを把握し、それぞれのメンバーに応じた機会作り、学習方法、称賛の方法でアプローチする。
言い換えると自分が持っているリソースをいかに最大限活用して成果を出すか、目標達成に近づくかが優れたマネージャーに必要なことです。
一方でリーダーについては少し補足が必要かも知れません。普遍的なことって何でしょうか?
人が感じる5つの不安の中で、最も重要なものは「未来に対する不安」だそうです。
この不安を解消し自信に変えるために、我々が向かっている「未来」を、鮮やかに明確に、定義すること。それを不測の事態に合わせて微調整すること。
これは、すべての戦略や計画を、細かい部分まで正確に話せという意味ではない。逆に、人々に課題を与え仕事に取り組ませるためには創案や創造、実験の余地を大きく残しておく必要がある。ゆえに、リーダーは「正確」さではなく「明確」さが重要である。
-どちらが重要かはあまり問題ではありません。どちらも重要で組織には両方の機能がないと継続的な発展は望めないでしょう。
1人の人物がこれを兼務することは可能か? それは可能だと思います。可能ではあるが、求められる資質が違うと言えます。
-少なくとも課長やグループリーダークラスの方々はマネージャーの視点が重要です。しかしリーダーとして組織の未来を語ることも必要でしょう。
さらに上位の役職、部長や事業部長になればなるほど、リーダーとしての比重が増え、それに見合った行動が求められます。
-ここを間違うと、マネジメントの役割分担がおかしくなって、マネジメント間での軋轢を生みます。
事業部長クラスの人が数百人いる部下の1人1人の特徴を見てそのアロケーションに仔細に立ち入っていたらどうでしょうか?
それは現場のマネージャーの仕事を奪うことにもなりますし、そもそも数百人に対して1人の人間が面談することも不可能です。
未来を語る時に、もちろんリソースの過不足を考慮するのはリーダーとしては必要なことですが、もっと大局的な視点で組織の未来や事業の方向性、成功へのシナリオを考えることに時間を使うべきです。
-以上のことから、マネジメントを語る時、このリーダーとマネージャーの機能について分けて考えることが有効であると考えています。
〆