ITリーダーやITマネージャーのための"ゆる〜い"学びの研究室

高校野球応援記その1


大会第12目3回戦第2試合。対倉敷商業戦。

今日勝てばベスト8。昨年のベスト4が見えてきました。大会12日、13日の対戦表を眺めると、横浜、仙台育英、東邦、大阪桐蔭、慶応、報徳学園、智弁和歌山など、歴代の強豪高がずらっと並ぶ。
この中に常葉菊川の名前もある。なお、甲子園球場はまだ工事中で、球場を覆っている名物の「つた」は写真になっていました。
さあ試合開始。
常葉は後攻めでナインが守りにつく。応援団も1塁側のアルプス席に陣取る。エースの戸狩くんのひじの調子が悪いため、先発は2年生の萩原くん。
これが甲子園初マウンド。昨秋の大会では戸狩くんに負けず良い投球をしていたが、さすがにこの大観衆の中で大丈夫か?見ている方もハラハラドキドキ。何とか無難に初回を終えて欲しいと願いを込め応援。

初回の守り、何と・・・・長打含む4安打で5点を失ってしまいました!
萩原くん、かなり緊張していようです。先頭バッターにいきなり2塁打。その後も長打にスクイズ2回。倉敷商業の速攻に、落ち着く間もなかった。春の選抜の悪夢(対:千葉経大付属戦)を思い出してしまいました。あの時も初回に3点を失ったっけ。
この5点のビハインドはあまりにも重い・・・・。


試合は早いペースで進む。2回は萩原くん落ち着きを取り戻し、三者凡退の0点に抑える。ボールも140Km近い球速が出ていたので、決して悪い調子ではないように見えた。そのまま立ち直るかなと思ったが、しかし、3回は味方のエラーも絡み、さらに1点を取られる。結局萩原くんは、3回途中で降板。3年生の野島くんに後を託す。野島くんは、気迫の投球で見事な火消し役。ボールの切れだけでなくコントロールも良く、倉敷商業へ持っていかれた流れを引き寄せる。
しかし、4回を終わって6対0。重苦しい雰囲気が1塁アルプス席に漂う。

そして、あの5回裏が訪れる。このスコアボードを見よ!何と一気に7点。6点差をひっくり返してしまった。何という攻撃であろうか!
上嶋くんのセンター前ヒットを皮切りに、本塁打含むヒット7本の猛攻。特に印象深かったのは、初戦であの「激走」をしてくれた2年生の松本くんのタイムリー。
やはりこういうラッキーボーイが出るチームは強い。そして、何といってもミラクル伊藤くんの3ランHR。昨年の夏、日南学園戦で本人が放った代打同点3ランHRと同じ左中間に、同じような高い弾道を描いた滞空時間の長いホームランでした。(幸運にも前回の時も同じアルプス席でその瞬間に立ち会えました!)
打った瞬間は高く上がり過ぎたかなあと思いましたが、アルプス席の大きな声援がボールをあそこまで運んだと思う。


試合終了! 常葉のナインがホームに並び、この夏甲子園で2回目の校歌を歌う。
「松風そよぐ菊陵の〜」エース戸狩くんの出番は無かった(伝令で一度マウンドに行った)が、笑顔で列に加わる。

試合は、6回に追いつかれたものの、8回に町田くんのバックスクリーンへのホームランも飛び出し4点差をつけた。体の小さな町田くん、風向きも逆だったが、良くあそこまで飛ばしたものだ。
これでダメ押しと思ったのも束の間・・・、9回表にエラーと相手4番の2塁打で2点差まで追い上げられる。
倉敷応援団の「桃太郎さん」が俄然大音量で勢いを増す。流れは完全に相手方に行ったように見えた。しかし、セカンド町田くんが難しいライト前のフライを好捕。この日はかなり強い浜風で、高く上がったフライが落ちてくる時にはスタンドが一瞬どよめいたが、倒れこむような形で何とかキャッチ。
この大会では町田くんのプレーに救われたことが何度もあったように思う。さらに、ショート酒井くんもイレギュラーバウンドしたゴロをうまくサバキ、ゲームセット。どっちが勝ってもおかしくない、壮絶な打ち合いにケリをつけた。


選手が応援団に挨拶するため、うれしそうに走って来る光景は何度見てもいいなあ。結局、11対9。 
こんなことがあるのだろうか・・・・。アルプス席も逆転を信じていたが、こんなに鮮やかに決めてくれるとは誰も想像していなかったと思う。
しかし、これは決して偶然ではないと思う。バントではなく「打って点を取る」というポリシーがこの様な逆転劇を生んだのではないか。
1点づつ取っていこうというスタイルだと、これだけ点差が付いてしまうと、いつもと違う攻撃が必要になる。
しかし、常葉の場合、何点差が付いていようが、いつもと同じ攻撃スタイルを貫ける。ビックイニングを作って勝つというスタイルは、決して偶然ではなく、いつも実践している練習の成果なんだろうとつくづく感じた。