1999年10月狂日

 いよいよ周辺が固まってまいりました。そろそろ制御する本体のIC−PCR1000の制御コードの解析にあたります。パソコンで制御するので、動作させながらRS−232Cの信号を読み取れば制御コードが分かるはずです。まずRS−232Cを分岐して各制御線の状態を表示する回路(と言うほどの物ではありませんが)を作りました。

 ここで良く考えたらパソコンで動かしながら制御コードを読み取るのですから、動作させるパソコンと読み取るパソコンの2台必要です。古いパソコンはあるのですが、38400bpsの通信速度に対応できるものがありません。仕方ないのでH8ボードを使ってLCDに表示させて読み取ることにしました。色々操作しながらH8ボードで読み出し、動作中の制御コードはだんだん分かってきました。停止も分かって、次は起動。LCDにはまるで表示されません。なぜ?ここからが苦しみの始まりです。

 持てる測定器総動員して調べます。デジタルオシロで起動データ波形を見て驚きました。なんと通信速度が途中で変化しています。最初9600bpsで始まり、途中から通常動作状態の38400bpsになります。H8が読み取れないわけです。というかどんなパソコン持ってきても駄目でしょう。速度が変わった時点で通信エラーになります。これにはまいりました。デジタルオシロで波形を見ながらコードを読み取りますが、起動までの時間が長く、とても手持ちのデジタルオシロのメモリー長では読みきれません。
 お手上げです!

1999年11月苦日

 まったくここまで来てお手上げです。無線通信回路も何とかなりそうだし、H8も使えるようになったのに、まったく気にしていなかった受信機本体でひっくり返されるとは!IC−PCR1000の起動だけですので停止させないようにすれば、とも考えましたがうまく行きそうにもありません。なんとしても起動制御コードを読み取らなければなりません。
 
ここは腰を据えて長期戦を挑みます。大きなメモリーでデータを読み込む回路を作りましょう。手元にハイビジョン用に開発されたと思われる大容量のフレームメモリーがありました。日立のHM530281R−20、8bit331776ワードを50MHzで読み書きできます。フレームメモリーですのでデータ書き込みと読み出しポートが分離しており、アドレスカウンタも内臓しているため、クロックを入れるだけでどんどん読み込んでくれます。大容量のロジックアナライザ作るには最適なメモリーです。残念ながら廃品種と思います。


 このメモリーでデータ読み込み回路を作りました。
回路図はこちら
 外部トリガーで起動して、設定したクロック数データを取りこんで停止します。読み込んだデータを右側のコネクタを通じて読み出します。これにはまた老兵PC9801RXが活躍します。

 DTRでトリガを取りひたすらデータを取りこみます。取りこみ終わるとPC9801RXで読み出しデータを解析します。大量の”0”,”1”データを手作業でアスキーコードに変換してやっと分かりました。確認のため、分かった制御コードでH8のプログラムを作成し、IC−PCR1000を動かします。
 
やりました起動します!本当にてこずらせてくれました。

「今回は全ての制御コードを解明できた訳ではありません。リモコンで制御するに必要な最小限のコードが分かっただけです。読み出したコードの内、受信機に送っても何の変化もしないコードは目的が分かりませんでした。アインシュタインではありませんが、動きをいくら解析しても、どのような理由で動いているかは分からない訳です。
 また受信機より送られてくるデータはまったく解析してません。バンドスコープのデータやSメータを振らせる受信強度のデータが送られて来ている筈です。Sメータのデータぐらいは読み出して表示させるべきですが、リモコンにスペースが無くて断念しました。

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