1999年9月末日

 コントローラはどうしましょう?
 ちょうど秋月電子よりH8用BASICコンパイラなるものが売り出されていました。最近はPICがはやりですが、今回の用途にはI/Oポートがいっぱいあって、シリアルポートがあって、A/D変換器が内臓されているH8はピッタリです。(実は仕事でもこれのシリーズを使ったことがありました。)それに私はソフトを作るのはめんどくさくて嫌いです。ということでBASICコンパイラに飛びつきました。名古屋の方はご存知でしょう、大須第2アメ横ビルのタケイ無線でH8開発キットとBASICコンパイラ買ってきて動作テストしました。


 スピードは十分、LCD表示も簡単ですし、シリアル通信も38400bpsまでいけます、何よりプログラムを作るのが簡単です。フラッシュメモリで簡単にプログラムが書き換えられます。

 コントローラはH8と決まりましたので、無線通信回路のPLLを設定するプログラムを作り通信のテストをします。PLLは片付いているので、すんなりと目的周波数にロックしました。一方の回路のデータの入力端子と思われる端子をHI,LOWとすると、もう一方の回路のデータ出力端子の電圧がHI,LOWとなるはずです。
 
アレー?片方向はそれなりの動作をしていますが、もう片方向のデータ出力は不安定です。元々ブリンターバッファのジャンク基板でパソコン側とプリンター側で送受信周波数が入れ替わっているのですが、それ以外にも違いがあるようです。今回は双方向に通信する必要は無いのですが、今後の拡張性も考えると動かないのは我慢できません。スペアナを引っ張り出しておかしい側の送信電波を見てみます。データ入力をHI,LOWと切り換えてもたったの300Hzしか変化しません、もう一方は1KHz以上変化しますから明らかに変調が浅いです。

端子No. I/O 機能
電源 78N05入力
電源ON,OFF:OPENでOFF,GNDでON
送信ON,OFF:OPENでOFF,GNDでON
データ入力
不明
電波受信するとHI,無いときLOW
PLLデータ入力CLK
PLLデータ入力
PLLラッチイネーブル
10
11 データ出力
12
13 電源 GND

 怪しいのは10ピンです。恐る恐る1kΩの抵抗で5Vに繋ぐと、やりました1KHz以上変化します。どうやらトランジスタのベースが出てきていて、開放状態でLOWになるようです。もう片方の基板では開放状態で正常な変調で、パソコン側基板とプリンター側基板で論理が逆でした。
 やっと正常に動作し始めましたので、データ入力に矩形波入力して通信速度テストです。1KHz,2KHzと周波数を上げていくと受信波形が次第に崩れていきます。DUTYが50%より大きくずれると通信できなくなりますので波形を見たところ3KHzが限度でしょう。と云うことは無理すれば4800bps、まあ2400bpsが妥当でしょうか。この速度で制御データを送りきれるか?あとはデータ構成とソフトで何とかしなければなりません。


1999年10月某日

 エンコーダから始まったのですが、ここまで放置してました。コントローラも決まったことですので、リモコン送信機の回路を考えましょう。エンコーダーはA,B 2相パルスを出力するので、これをCPUのパラレルポートに入力してソフトで波形のエッジ検出を行うのがハードは最も簡単です。しかし、ダイヤルをぐるぐる回すと1秒間に2回転ぐらいは回しそうです。1回転100パルスですので最大200bpsと考えると、パルスのエッジを検出するには最低2msecぐらい間隔でポートを見に行く必要があります。CPUは他のスイッチやボリュームを見に行ったり、LCDに表示したり、データを送ったりしますから、2msec間隔でエンコーダを見に行くのはどんなにソフトを工夫しても無理でしょう。エンコーダは周りに目盛がありますので、パルスを取り込み損ねてLCD表示とエンコーダ目盛がずれるととても不細工です。やはりある程度ハードでデコードする必要があります。
 2段の10進カウンタで1回転分をデコードし8bitでCPUに送ればCPUは0.5sec間隔で見に行けば良いのでソフトが簡単になります。74HC77 2個で1回転分のデコーダ回路を作ります。1段目と2段目の接続をいいかげんに考えていたら、動作しませんでした。慌ててゲート追加して修正したため、追加の変な基板がついてしまいました。やはり手を抜いたところは必ず問題をおこします。
 バッテリーで動作させますので、カットオフ回路が必要です。以前作ったスペクトロスコープ゚用に開発したニッカド10セル12V回路を5セル6V用に修正して使います。これは問題無いでしょう。
回路図はこちら

1999年10月安日

 出張でエレショーに行きました。無線通信回路もどうやら何とかなりそうなので、帰りに秋葉原によってリモコン送信機用のケースを探します。ケースは名古屋でも購入できますが、品数の多い秋葉原の方が実物で確認できますので安心です。私の場合、お店を回って部品を見ながらデザインを考えることも多々あります。ラジオ会館の地下で見つけました。タカチ製で手元にあるカタログに載っていましたが、やはり実物を見るのとではイメージが違います。その他、名古屋では手に入らない部品を購入して帰りましょう。

前ページに戻る     次ページに進む     実用レベル開発品のページに戻る