1999年11月活日

 そろそろ入れ物の方に着手します。ケースの加工はある程度しっかりした図面を書いて部品配置を考えないと、痛い目に会います。リモコン送信機は大きなエンコーダと無線通信基板、LCD,CPU、バッテリーと部品は沢山ありますが、ケースはすでに購入しておりサイズは決まっています。外観も重要なので、LCD表示部やスイッチなど適当には置けません。図面が出来たらケースにマスキングテープを張って、加工位置を記入します。金属ケースは保護フイルムが張ってあるので、そのまま加工位置を記入して加工できますが、プラスチックケースには保護フィルムがありませんので、加工途中で傷が付くのを防止するため、マスキングテープで表面全体を覆います。加工位置を記入した後、ドリルでの穴開け、丸穴開け、四角穴開け、組み付け調整と行います。レタリングはこの時点では行いません。以前は、インスタントレタリングを貼りつけてクリヤ塗装で固定する方法を用いていたため組み付け前にレタリングを行う必要がありましたが、最近はテプラぺたぺたなので最後に行います。面倒なケース加工が終わりました。ごみだらけの部屋を掃除しましょう!

1999年11月末日

 ケースに回路基板を組み込み配線します。ケース加工図面がちゃんとしていれば基板を組み付けて配線するだけです。しかし、実際に組み立ててみると加工精度が悪くて組み付かなかったり、他の部品と干渉したりと問題が出てきます。リモコン送信機はLCDコネクタの配線が居心地悪そうです。それでも何とか納めて、テスト用に作った配線を適正な長さに修正します。リモコン受信機はケースに余裕がありますので簡単です。やはり何事も余裕は大切です。ハードは大体できたので次に、
 面倒くさいソフトを作ります。言語はベーシックと一部アセンブラですから、マイコン黎明期に多用された伝統的製作法です。リモコン送信機はエンコーダ出力とスイッチ3個とボリューム2個を見に行き、入力があればLCDとシリアル通信に出力するだけです。エンコーダの回転とLCDの表示に違和感が無い程度のスピードを確保し、通信データが過剰にならないように調整します。リモコン受信機はもっと簡単で、受信したデータをIC−PCR1000の制御コードに変換し、RS−232Cに変換して出力するだけです。データの確認用にLCDにも表示します。デバッグはICEやシュミレータなど無いので、修正しては動作確認を繰り返します。シリアル通信を直接つないでそれなりに動くので、まずはOKです。

1999年12月転日

 いよいよ仕上げです。ハードも各部分は動作確認したし、ソフトもある程度デバッグできています。シリアル通信のコネクタを無線通信回路に接続し、スイッチON。リモコン受信機のLCDで受信データを確認します。
 
あれ、変です!スイッチ入れた直後に何文字か出たり、出なかったりぐらいしか動きません。リモコン送信機は消費電力削減のためにデータを送る時しか電波を出さないようにプログラムしてましたので、データの始めにエラーが起こるのかと思い常時電波を出すようにしますが、状況は少し改善されるだけです。どうもシリアルデータがおかしいようですので、オシロでデータ波形を確認します。

 なんとデータの間隔が空くと論理が不安定になります。リモコン受信機の無線通信回路データ出力は”L”が安定なのにデータの間のレベルは”H”となるため、間隔が空くと次第に”L”レベルの変化します。これでは動く筈ありません。無線通信回路のテストの時は、データの代わり矩形波で行ったため気がつきませんでした。ゲートを追加してデータ間のレベルを安定なレベルと合わせる必要があります。まったく、ここまで来てリモコン送信機回路の修正です。

 嘆いていても仕方ないので修正します。ゲートICを空中配線で追加してやろうとも思いましたが、見た目が悪いのは気に入らないので頑張って基板に載せるように改造します。ソフトも修正し、受信データのエラーが出たら捨てて、データの頭と終わりが正常なものだけ正常なデータとして使用するようにします。これでやっと正常なデータ受信が出来るようになりました。最後までてこずらせてくれます。

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