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to原形句」の動作主
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In 2005, Nisshin debuted vacuum-packed instant noodles specially designed for astronaut Soichi Noguchi to eat during a mission aboard the U.S. space shuttle Discovery.

上の英文には、

to eat during a mission aboard the U.S. space shuttle Discovery

というto原形句があります。この部分は、前にある名詞vacuum-packed instant noodlesを修飾しているので「形容-to原形句」です。つまり、

vacuum-packed instant noodles to eat during a mission aboard the U.S. space shuttle Discovery

「米スペースシャトルディスカバリー上での任務の間に食べる→真空パックの即席麺」ということですね。これでも意味はわかります。

ただ、この表現に、さらに「誰が食べるのか」という情報を付け加えることを考えてみましょう。「to原形句」は、イメージの型の動詞より後の部分を利用しているために、その動作の動作主が表現されていませんね。表現されていなくても誰でも想像できる場合はよいのですが、そうではない場合は、動作主を明記する必要があります。そんな場合は、

vacuum-packed instant noodles for astronaut Soichi Noguchi to eat during a mission aboard the U.S. space shuttle Discovery

このように、「to原形句」の前にforを使った「前置詞句」を置くことによって、動作主を示すことができます。これで「宇宙飛行士Soichi Noguchiが、米スペースシャトルディスカバリー上での任務の間に食べる→真空パックの即席麺」という意味を表すことができます。

to原形句」には「名-to原形句」「形容-to原形句」「副-to原形句」の3つがありますが、すべて、直前にforで始まる「前置詞句」を置くことによって動作主を表すことができます。

それでは、例文を見ていきましょう。

<例文1>

He said there is no reason for foreign countries to tell Koizumi not to visit the shrine.

reason<名詞>理由
shrine<名詞>神社

この英文には、no reasonという名詞を修飾する「形容-to原形句」があります。その内部構造は、

イメージ5を利用しています。これがno reasonを修飾するので、「Koizumiにその神社を訪れないように言う→理由はない」となりますね。

ただ、その「形容-to原形句」の前に、forで始まる「前置詞句」があります。これが、「to原形句」の動作主を表しているわけですね。「他の国が、Koizumiにその神社を訪れないように言う→理由はない」ということです。

He said there is no reason for foreign countries to tell Koizumi not to visit the shrine.

「彼は、他の国がKoizumiにその神社を訪れないように言う理由はないと語った。」

<例文2>

By drawing on technological prowess from academia and industry, JAXA is hoping to produce a suit for astronauts to wear when exploring the lunar surface.

draw on<動詞3+副詞>生かす
technological<形容詞>科学技術の
prowess<名詞>優れた技術
academia<名詞>学界
JAXA<名詞>宇宙航空研究開発機構
produce<動詞3>作成する
astronaut<名詞>宇宙飛行士
wear<動詞3>着る
explore<動詞3>探検する
lunar<形容詞>月の
surface<名詞>表面

上の英文のa suitという名詞には、その後ろに「形容-to原形句」の修飾がついています。その内部構造は、

こうですね。これは「B格修飾」になっているので、wear (a suit)ということです。その後ろの「副-サイン節」はthey areが省略されています。

そして、この「形容-to原形句」の前には、forで始まる「前置詞句」があります。この部分が、「形容-to原形句」の動作主を表しているわけですね。「宇宙飛行士が、月面を探検する際に着る→スーツ」ということです。

By drawing on technological prowess from academia and industry, JAXA is hoping to produce a suit for astronauts to wear when exploring the lunar surface.

「学界と産業界からの優れた技術を生かすことによって、宇宙航空研究開発機構は宇宙飛行士が月面探検の際に着るスーツを作成することを望んでいる。」

<例文3>

The important thing is for the excesses to be corrected and the imbalances to be righted.

excess<名詞>過剰
correct<動詞3>正す
imbalance<名詞>不均衡
right<動詞3>正常にする

イメージ2です。

A’の部分に注目してください。この部分は「名-to原形句」で、

「正されること」という意味なのですが、その前にforで始まる「前置詞句」があります。この部分が「名-to原形句」の動作主を表すので、「その過剰が、正されること」という意味になります。そして、andの後も、

(for) the imbalances to be righted

同じ形が繰り返されていますね。「その不均衡が正常にされること」ということです。

The important thing is for the excesses to be corrected and the imbalances to be righted.

「重要なことは、その過剰が正され、その不均衡が正常にされることである。」