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副詞と前置詞
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Following Lee's instructions, Yu called in Japanese Ambassador Toshinori Shigeie to seek an explanation about the issue.

上の英文のV(動詞)の部分を見ると、callの後にinがあり、その後に名詞となっていますね。通常ならば、この形はイメージ1+「副-前置詞句」となります。しかし、この英文を、そのイメージで理解すると、「Yuは、日本の大使の中で、呼んだ」という意味となってしまい、到底意味が理解できません。つまり、イメージの型が違うということですね。

では、どこがポイントなのかというと、inという単語が、前置詞ではなく副詞として使われているということです。前置詞はそのすぐ後ろの名詞につく助詞としての機能を持っていますが、それに対して、副詞は動詞を修飾する機能を持っています。つまり、この英文のイメージの型は、

というイメージ3で、incalledという動詞を修飾しているわけですね。この構造がわかれば、「Yuは、日本の大使Toshinori Shigeieを、中へ呼び入れた。」というイメージ3が読み取れると思います。

このように、いつもは前置詞として使われている単語が、副詞として使われることがあります。そして、その副詞が、今回の英文のようにV(動詞)の直後に置かれた場合、前置詞と間違えてしまいかねません。この部分で間違えると、イメージの型を間違えてしまうということなので、意味が全く的外れになってしまいます。従って、しっかりと見分けられるようにしておきましょう。

では、例文を見ながら、この形を確認していきましょう。

<例文1>

If it goes beyond a bilateral scope, it will bring about complicating factors to the regional security situation.

bilateral<形容詞>2国間の
scope<名詞>範囲
complicating<形容詞>複雑な
factor<名詞>要素
regional<形容詞>地域の
security situation<名詞>安全保障状況

「副-サイン節」+イメージ3+「副-前置詞句」です。

このイメージ3に注目してください。bringの後にaboutがあり、その後に名詞があります。aboutは通常は前置詞として使われることが多いので、一見イメージ1+「副-前置詞句」のように思えます。しかし、aboutは副詞として「近くに、あたりに」という意味も持っています。この場合は、副詞でbringを修飾していると考えて「近くに持ってくる」と考えるのが適切です。前置詞と考えてしまうと、意味が通らなくなってしまいますね。

If it goes beyond a bilateral scope, it will bring about complicating factors to the regional security situation.

「もしそれが2国間の範囲を超えるなら、それは地域の安全保障状況へ複雑な要素を持ち込むであろう。」

<例文2>

Of the four, a self-employed teenager accompanied by his parents turned himself in at a police station in Sagamihara, Kanagawa Prefecture.

self-employed<形容詞>自営業の
accompany<動詞3>付き添う

「副-前置詞句」+イメージ3+副詞+「副-前置詞句」です。

この英文の場合は、副詞のinV(動詞)のすぐ後ではなく名詞Bの後に置かれています。副詞の場合は、前置詞と違うので、このように語順が変わる場合があります。名詞Bが「古い情報」の場合は、前に出て、副詞の方が後ろに来るわけですね。意味の読み取り方は変わりありません。turnは「振り向かせる」という意味ですから、「彼自身を中へ振り向かせる→自首する」という意味になります。

Of the four, a self-employed teenager accompanied by his parents turned himself in at a police station in Sagamihara, Kanagawa Prefecture.

「その4人の内、両親に連れ添われた自営業の10代の1人が、神奈川県相模原の警察署に自首した。」

<例文3>

In June 2005, she was taken in at a domestic violence shelter with a broken nose and bruised face but returned to live with her husband a month later.

domestic violence shelter<名詞>家庭内暴力避難所
broken<形容詞>骨の折れた
bruised<形容詞>あざがついた
return<動詞1>帰る

「副-前置詞句」+イメージ1+副詞+2つの「副-前置詞句」とイメージ1+「副-to原形句」+副詞です。

これは、受け身になっている例文です。受け身でない英文の場合は、

They took in the woman at a domestic violence shelter.

のようになります。もちろん、inは副詞ですね。従って、この英文はイメージ3になります。すると、受け身の英文が作れるということですね。inが前置詞なら、イメージ1ですから受け身の英文にはなりませんよね。すると、

The woman was taken in at a domestic violence shelter.

こうなるわけですね。

In June 2005, she was taken in at a domestic violence shelter with a broken nose and bruised face but returned to live with her husband a month later.

2005年6月に、彼女は鼻を骨折し、あざだらけの顔で、家庭内暴力避難所に収容されたが、1ヶ月後に夫と暮らすために戻った。」