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相関語句
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those with matching data

という表現は、日本人にはちょっと不思議な表現だと思います。まずは、省略があるので補ってみると、

those people with matching data

となります。those peopleは「それらの人々」ですよね。日本人なら、「それらの人々」って聞けば、その前で「どれらの」人々であるのかが特定されていると思いますよね。しかし、この場合は、その前での特定がないのです。

もっとも、前で特定されてthose peopleとなっているなら、すでに限定された名詞ということなので、それにさらに限定の形容詞をつけることはできないので、

those people, with matching data

というように、非限定にしなければなりませんよね。これは、先ほど学習した「非限定の形容詞」の知識ですね。

ところが、この場合は、前で特定されているわけではないので、事情が違います。どこでthose「それら」の内容が特定されているのかというと、後ろで特定されているのです。つまり、with matching datapeopleの内容を特定して、those peopleとなっているわけです。日本語で表現すれば、「それらの人々、それらっていうのは、適合するデータを持っているってこと」と表現していることになります。

英語には、このように、指示語を前に置いて、後ろでその指示内容を特定するという表現手法があります。このような手法を私は「相関語句(前の指示語と後ろの特定する部分が相関して機能する語句)」と呼んでいます。これは、日本語には全くない表現手法なので、日本人はその表現の仕組みを理解し、その読み取り方に慣れるようにしていく必要があります。

では、例文を見ながら、相関語句をチェックしていきましょう。

<例文1>

They found that only those children who received the keyboard lessons had improvement in the test.



receive<動詞3>受ける
improvement<名詞>改善

この英文のthose children「それらの子供たち」という表現に注目してください。これは「相関語句」の表現です。「それらの」と前で言っておいて、その内容は後ろのwho received the keyboard lessonsという「形容-代用詞節」で説明しています。「それらの子供たち、それらのっていうのは、そのキーボードレッスンを受けたということ」という表現です。その相関関係に注意してくださいね。

They found that only those children who received the keyboard lessons had improvement in the test.

「彼らは、そのキーボードレッスンを受けた子供たちだけが、そのテストで改善したことを発見した。」

さて、thoseを使った「相関語句」を学習しました。このthoseは、その後の名詞が単数ならthatとなります(that child who...というように)。このthatthoseは、名詞を修飾する形容詞要素が「相関語句」になっているものですね。

those    children    who received the keyboard lessons

ということですからね。

「相関語句」には、このほかにも、名詞要素が相関語句になっているものと、副詞要素が相関語句になっているものもあります。どれもみんな、「前に指示語を置いて、後で指示内容を特定する」という形は同じなので、読み取る感覚は同じです。ここで1つずつ例文を見て、読み取る感覚を確認しておきましょう。

<例文2>

It is hoped that the government will take the necessary next steps on the basis of the information.



hope<動詞3>望む
government<名詞>政府
necessary<形容詞>必要な
next<形容詞>次の
basis<名詞>基礎
information<名詞>情報

この英文の名詞Aitとなっていますね。「それは望まれる」となっています。日本語では「それ」と言った場合、「どれ」なのかは前にかかれていますよね。しかし、英語の場合は、「それ」の内容が後ろで特定されていることがあるのです。これが、名詞要素の「相関語句」です。

この英文の場合は、「それ」の内容は、thatで始まる「名-サイン節」によって表されています。したがって、「それは望まれる、それっていうのは、政府がその情報を元に必要な次の措置を講ずることである。」という表現になっているわけです。

It is hoped that the government will take the necessary next steps on the basis of the information.

「政府が、その情報に基づいて必要な次の措置を講ずることが望まれる。」

では、次は副詞要素が「相関語句」になっている例文を1つ見てみましょう。

<例文3>

 Things got so bad that her work began to be affected, and she began to feel depressed.



things<名詞>事態
affect<動詞3>影響する
depressed<形容詞>気落ちした

この英文のsoに注目してください。soは「それくらい」という意味の副詞です。したがって、このイメージ2の英文は「事態は、それくらい悪化した」という意味になります。しかし、日本語ならば、「それくらい」というからには前に「どれくらい」なのかを表す部分がありますが、英語ではそれが後ろにあることがあるのです。この英文の場合は、それがthat以下の部分で示されています。つまり、that以下は「副-サイン節」ということになりますね。soという副詞と、thatで始まる「副-サイン節」の相関語句です。「そのくらい悪化した、そのくらいってどのくらいかというと、彼女の仕事が影響を受け始めたくらい」と表現されているということです。

 Things got so bad that her work began to be affected, and she began to feel depressed.

「事態は非常に悪化して、彼女の仕事が影響を受け始め、彼女は鬱を感じ始めた。」