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「形容-to原形句」のB格修飾
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With relatively few parks to run around in, many children spend long hours either at cram schools or playing their hand-held game consoles.

上の英文のwithで始まる「副-前置詞句」の中に、to run around inという「形容-to原形句」があります。この「形容-to原形句」は、直前のrelatively few parksという名詞を修飾しているのですが、その修飾の仕方に少々特徴があります。今回は、その点を掘り下げてみましょう。

「形容-to原形句」は、名詞の後について、その名詞を修飾する形をとります。ただ、よく見てみると、その修飾の仕方に、様々な種類があることがわかります。たとえば、次の英文を見てください。

I have a friend to help me.

この英文の名詞Bは、名詞の後ろに「形容-to原形句」がついた形です。「私を助けてくれる→友達」という意味がわかりますね。これが、最も一般的な修飾の形です。

しかし、「形容-to原形句」には次のような形もあります。

I have a friend to help.

さて、この名詞Bはどのような意味でしょう。先ほどの「形容-to原形句」とは形が違うので、意味が違うはずですね。

では、この違いを考えるために、「形容-代用詞節」の形を考えてみましょう。どちらも、同じ形容詞の機能を持つ修飾語なので、比べてみるとおもしろいことがわかります。

I have a friend who will help me.

「私は、私を助けてくれる友達がいる。」という意味ですね。「形容-代用詞節」の内部構造は、

このように、代用詞のwhoが名詞Aの役割をしています。この英文と同じ意味を「形容-to原形句」で表現すると、

I have a friend to help me.

となります。

では、次の英文は、どうでしょう。

I have a friend whom I will help.

この英文の場合は、「形容-代用詞節」の内部構造は、

となっています。代用詞のwhomは名詞Bの役割をしていますね。「私が助けるであろう→友達」という意味になります。そして、この英文と同じ意味を「形容-to原形句」で表現すると、

I have a friend to help.

となります。これが2つ目の「形容-to原形句」の形ですね。こうして比べてみると、修飾の違いの必然性がよくわかると思います。ただ、「形容-to原形句」の場合は、その違いがわかりにくいので、修飾の仕方を区別するために、名前をつけておきましょう。

a friend to help me

の修飾の仕方は、a friendが「形容-to原形句」の名詞Aになる関係なので「A格修飾」として、

a friend to help

の修飾の仕方は、a friendが「形容-to原形句」の名詞Bになる関係なので「B格修飾」としましょう。

さて、ここまで見てくると、次のような「形容-代用詞節」に対応する「形容-to原形句」もあることは、簡単に想像がつくと思います。

I have no friend whom I will rely on.

「私は、頼る友達がいない。」という英文ですね。この英文を「形容-to原形句」を使って表現すると、

I have no friend to rely on.

というように「形容-to原形句」が前置詞のonで終わる形となります。

ここまでわかれば、今回問題となっている表現の、

relatively few parks to run around in

この「形容-to原形句」が、inという前置詞で終わっている理由もわかりますね。つまり、この「形容-to原形句」を「形容-代用詞節」で表現するとすれば、

relatively few parks which children will run around in

となるわけです。「子供たちが、中で駆け回ることが出来る→(比較的少ない)公園」という意味ですね。これも、修飾の仕方としては、B格修飾の一種となります。

それでは、「形容-to原形句」のB格修飾の例文を1つだけ練習しておきましょう。

<例文1>

It's the reason why more and more singles are turning to the Internet to meet someone to spend the rest of their lives with.

reason<名詞>理由
single<名詞>独身者
turn<動詞1>向かう
spend<動詞3>過ごす
rest<名詞>残り

イメージ2です。

A’には「形容-代用詞節」の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ1+「副-前置詞句」+「副-to原形句」です。その中の「副-to原形句」の内部構造は、

イメージ3を利用してます。この中の名詞Bには「形容-to原形句」の修飾がついています。これが前置詞で終わる形になっていますね。つまりB格修飾ということです。

someone to spend the rest of their lives with

これを「形容-代用詞節」で表現すると、

someone whom they will spend the rest of their lives with

「彼らが、人生の残りを一緒に過ごす→誰か」となります。

It's the reason why more and more singles are turning to the Internet to meet someone to spend the rest of their lives with.

「それが、ますます多くの独身者が、人生の残りを一緒に過ごす人に出会うために、インターネットに向かっている理由である。」