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名詞表現
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But the DPJ, the main opposition party, refused to budge, arguing for the abolition of the special tax rates to lower gasoline prices.

上の英文の最後の部分にある「副-前置詞句」の中の

the abolition of the special tax rates to lower gasoline prices

という名詞は、そのまま考えればthe abolitionという名詞に「形容-前置詞句」と「形容-to原形句」の修飾がついて、「ガソリン価格を下げるための、特別税率の廃止」となりますね。

ただ、この名詞は、

というイメージ3+「副-to原形句」の動詞より後の部分を名詞にして表現したものであるので、「特別税率を廃止して、ガソリン価格を下げる、こと」という理解の仕方が出来ると、よりわかりやすくなります。

英語という言語は、名詞をつなげてイメージの型を作る言語なので、必然的に名詞を使った表現が多くなります。そのことを理解して、名詞表現を柔軟に捉えられるようになると、意味の把握がしやすくなりますし、自分で表現する場合のバリエーションも豊富になります。上の表現の場合も、英文の構造や意味合いによって、

the abolition of the special tax rates to lower gasoline prices

abolishing the special tax rates to lower gasoline prices

to abolish the special tax rates to lower gasoline prices

「名-ing句」や「名-to原形句」などを使い分けることができるようになるわけですね。

では、今回は、同様に名詞表現が使われている英文を見ながら、その捉え方に慣れておきましょう。

<例文1>

Men's investment of time in direct child care is generally less than that of women.

investment<名詞>投下
direct<形容詞>直接の
generally<副詞>一般的に

イメージ2+「副-サイン節」です。最後の部分は、

than that of women (is)

の省略なので「副-サイン節」となります。

この英文の名詞Aに注目してください。名詞のまま考えれば「男性の直接の子育てへの時間の投下」という名詞になります。

しかし、この名詞は、

この英文が元になっていることがわかれば、「男性が、直接子育てに時間を費やす、こと」という意味が読み取れます。実際に、いちいちこのような変換作業を行うわけではありませんが、意識の奥底でそれを認識できれば、英文の表しているイメージがはっきりと浮かび上がるわけですね。ただの名詞にはイメージが希薄ですが、英文を意識できれば、イメージの型が浮かび上がるわけですから。

Men's investment of time in direct child care is generally less than that of women.

「男性が、直接子育てに時間を費やすことは、女性が費やすことよりも、一般的に少ない。」

<例文2>

In the upcoming campaign, Seki's opponents are expected to press him further about his knowledge of the illegal overtime and pension payments during his time as vice mayor.

upcoming<形容詞>やってくる
campaign<名詞>選挙運動
opponent<名詞>対抗者
press<動詞3>追い詰める
knowledge<名詞>知識
illegal<形容詞>違法な
overtime<名詞>残業
pension payment<名詞>年金支払い
mayor<名詞>市長

「副-前置詞句」+イメージ2です。

この英文のA’の部分の「形容-to原形句」の中には、

about his knowledge of the illegal overtime and pension payments during his time as vice mayor

という「副-前置詞句」がありますね。この中の名詞に注目してみましょう。普通に考えれば、「副市長としての任期の間の違法な残業と年金支払いの彼の知識」となりますね。ただ、この表現ではちょっと意味がわかりにくいのではないでしょうか。

このような場合、英語特有の名詞表現を理解していれば、この名詞が、

He knew the illegal overtime and pension payments during his time as vice mayor.

という英文を名詞として表現したものであることが自然にわかります。「彼が、副市長としての在任時に、その違法な残業と年金支払いを知っていた、こと」という意味が読み取れます。このように解釈した方が、意味がよくわかりますね。

In the upcoming campaign, Seki's opponents are expected to press him further about his knowledge of the illegal overtime and pension payments during his time as vice mayor.

「来る選挙運動において、Sekiの対抗者たちは、彼が副市長としての在任時に、その違法な残業と年金支払いを知っていたことについて、さらに彼を追い詰めると予想されている。」

<例文3>

A simple glimpse at even some of her features brings instant recognition even to those who have no taste or passion for painting.

glimpse<名詞>一瞥
feature<名詞>特徴
instant<形容詞>即時の
recognition<名詞>認識
taste<名詞>嗜好
passion<名詞>情熱
painting<名詞>絵画

イメージ3+「副-前置詞句」です。

この英文は、名詞をそのまま考えると、ちょっと意味がわかりにくいかもしれません。「彼女の特徴のいくつかへの単純な一瞥は、即時の認識を持ってくる」???

まあ、これで意味がわかるなら、それはそれですばらしいですし、英語の認識構造が意識に植え付けられていると言えるでしょう。

ただ、やはりこれではうまくイメージできないとしてもおかしくありません。この英文の名詞Aは、

「彼女の特徴のいくつかを、ただ単にちらりと見る」というイメージ1+「副-前置詞句」を元にしていて、また、名詞Bも、

「すぐにわかる」という動詞を元にしています。それを意識できれば、ずっと意味がわかりやすくなると思います。

A simple glimpse at even some of her features brings instant recognition even to those who have no taste or passion for painting.

「彼女の特徴のいくつかでもちらりと見るだけで、絵画に嗜好や情熱を持っていない人でさえ、すぐに(誰なのかが)理解できる。」