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Among the academics involved in the study were Michikazu Sekine, an associate professor of public health at the University of Toyama, and Sadanobu Kagamimori, a professor of public health.

この英文は、ad-V-Aという形になっていて、通常のイメージ1の形とは語順が変わってしまっていますね。これは、英語が「新しい情報を後に置く」という原則を持っているからです。上の英文で言えば、the studyは前の英文で取り上げている情報、Michikazu SekineSadanobu Kagamimoriは、この英文で初めて登場する情報ですね。

ここで言う「新しい情報」とは、「その英文で注目させたい情報=重要な情報」という意味でもあります。また、その「新しい情報」は初めて登場するものなので、いろいろと説明するために修飾語がついて長くなることも多いということも覚えておくとよいでしょう。

このような語順の変化は、いろいろなパターンがあり、

イメージ1のA-V-adが、ad-V-A

イメージ2のA-V-A’が、A’-V-A

イメージ3のA-V-B-adが、A-V-ad-B

などの変化があります。

それでは、このような変化が起こっている英文を少し見てみましょう。

<例文1>

Equally vocal has been the community of nonproliferation experts that maintained that normalizing relations with Delhi would encourage other nations to thumb their nose at the NPT.


equally<副詞>同様に
vocal<形容詞>声高な
community<名詞>集団
nonproliferation expert<名詞>核拡散防止の専門家
maintain<動詞3>主張する
normalize<動詞3>正常化する
relation<名詞>関係
encourage<動詞5>勇気づける
thumb<動詞3>親指を当てる
nose<名詞>鼻

イメージ2ですが、語順が変化してA’-V-Aとなっています。この英文もやはり、A’の部分が「同様に声高な」というように、前の内容を受けた形になっていて「古い情報」であり、名詞Aがこの英文で初めて登場する「新しい情報」であることが原因です。

名詞Aには「形容-代用詞節」の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ3になっています。この中の名詞Bは「名-サイン節」で、内部構造は、

イメージ5ですね。名詞Aは「名-ing句」、B’は「形容-to原形句」になっています。

thumb their noseという表現は「鼻に親指を当てる→馬鹿にする」という意味です。

Equally vocal has been the community of nonproliferation experts that maintained that normalizing relations with Delhi would encourage other nations to thumb their nose at the NPT.

「同様に声高なのは、デリーとの関係を正常化することは、他の国がNPTを馬鹿にすることを誘発すると主張した核拡散防止専門家の集団であった。」

<例文2>

Also weighing on the dollar was a warning that the U.S. current-account and budget deficits could decrease foreign demand for the dollar.

weigh<動詞1>のしかかる
warning<名詞>警告
current-account and budget deficits<名詞>経常収支と財政の赤字
decrease<動詞3>減らす
foreign<形容詞>外国の
demand<名詞>需要

さて、この英文も少々注意が必要です。A’-V-Aということは、A-V-A’というイメージ2の語順が変化したものであることがわかります。ただ、この英文を元の形に戻してみると、

イメージ1+「副-前置詞句」と考えるのが普通です。Vは進行形になっているわけですね。

しかし、この英文を、

イメージ2で、A’の部分が「形容-分詞句」になっていると考えることも可能です。「形容-分詞句」は「同時進行」のイメージを持っているので、意味としてはどちらでも変わりません。そして、このイメージ2の語順が変化したものが、今回の英文というわけです。

この英文はalsoとあるので、前の英文で「ドルにのしかかっているもの」について言及していて、それを受けて「同様にドルにのしかかっているのは」となっていることがわかります。その部分が「古い情報」であり、名詞Aの部分がこの英文で初めて登場する「新しい情報」になっているわけですね。

Also weighing on the dollar was a warning that the U.S. current-account and budget deficits could decrease foreign demand for the dollar.

「同様にドルにのしかかっているのは、アメリカの経常収支と財政の赤字が、ドルへの外国の需要を減らす可能性があるという警告であった。」

<例文3>

Also specified are obligations the people must bear to enjoy the freedom and rights guaranteed under a new Constitution.

specify<動詞3>具体的に挙げる
obligation<名詞>義務
bear<動詞3>負う
enjoy<動詞3>享受する
freedom<名詞>自由
right<名詞>権利
guarantee<動詞3>保証する
Constitution<名詞>憲法

 

この英文も、A’-V-Aという形で、イメージ2の語順が変化しています。A’の部分は「形容-分詞句」になっています。この英文もやはり、元の英文に戻してみると、受け身のイメージ1として考えられるものです。

名詞Aには「形容-代用詞節」の修飾がついているので注意してください。内部構造を確認すると、

イメージ3+「副-to原形句」の形になっています。

Also specified are obligations the people must bear to enjoy the freedom and rights guaranteed under a new Constitution.

「同様に具体体に挙げられたのは、新しい憲法の下で保証される自由と権利を享受するために国民が背負わなければならない義務である。」