展示室4   長 唄 「連 獅 子」






[狂言師右近]藤間喜州[狂言師左近]奥田哲平


れは、息子が小学6年生の時に一緒に踊ったものです。その頃、
息子や孫と「連獅子」を踊るのが結構流行っていて、お正月のテレ
ビで中村勘九郎さん親子の「連獅子」を拝見した記憶があります。
「僕達も踊ろうか・・・」と軽く言ったつもりでしたが、息子が真
剣に受け止めてくれたお蔭で、親子の競演が実現しました。僕より
ずっと先輩の素晴らしい舞踊家の方々が、後ジテになると力尽きて
しまうのを何度も見ていたので、この時から一念発起してスポーツ
ジムに通い始めました。今も通い続けています。そのせいか上手下
手は別として、幕切れまでダウンすることなく演じることが出来ま
した。毛も頑張って沢山振ったのですが、「息子さんの方が、よく
振ってましたね」と言われて、ちょっと悔しい思いをしました。毛
は無理やり力で振るのではなく反動を利用して腰で振るのですが、
息子の方が大分毛が短いので、物理学的にも彼の方が沢山振れる訳
で・・・。言い訳はこれくらいにしておきましょう。あるお客様か
ら「親子の情がよく表現されていて、とてもよかったですよ。ア、
本当の親子だからあたりまえか・・・。」と言われて、大笑いしま
した。僕の発表会では、出来るだけ費用を掛けないようにと、地方
さんではなくテープを使用していますが、この「連獅子」や「京鹿
子娘道成寺」など、本来正面の雛壇に地方さんや鳴物さんが居並ぶ
べき作品は、やはりテープでは寂しいなァと、写真を見るたびに思
います。                         。




[仔獅子の精]奥田哲平      [親獅子の精]藤間喜州


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