展示室3   長 唄 「藤  娘」







本舞踊を知らない人でも、羽子板や日本人形などで見たことがあ
る、あの「藤娘」です。日本舞踊の代名詞のようなこの作品は、そ
の華やかさと美しさでいまだに圧倒的な人気を保っていますが、そ
れだけになかなかこれはという「藤娘」に出会えません。もともと
10分程度の小曲に、「潮来出島」や「藤音頭」を挿入して膨らま
せてはいるものの、これといった性格もテーマもないので、自分で
踊って見てもテンションを維持するのに苦労しました。上の写真は
幕開きのポーズですが、ふつう立身でいるところを座っています。
実はこの時は、もう1人の男性舞踊家さんと二人立ちの振りで踊っ
たのです。二人の持ち時間が20分と決められていたので、始めの
「出」と後半の「踊り地」以降を二人で賑やかに踊り、途中の「ク
ドキ」と「藤音頭」は半分ずつ分けて踊ることにしました。今後ま
すます上演時間の短縮が課題になって、本来1人立ちの踊りを数人
で踊ることが多くなるかもしれません。「一貫性がない」「印象が
散漫になる」「踊り手も気分が寸断される」との批判もあるでしょ
うが、歌舞伎の本公演ならともかく、お浚い会では許されてもいい
のではないでしょうか。踊りが一つ終わる度に、ゾロゾロと観客が
入れ替わるのではなく、開演から終演まで一つのまとまった公演と
して観てもらう為にも、上演時間の短縮は避けて通れない問題だと
思います。「藤娘」について
語るつもりが、つい話が逸れてしまっ
たようでゴメンナサイ・・・。               





白地の衣裳に引き抜いて、「クドキ」になります。




藤色の衣裳に着替えて、「藤音頭」を踊ります。




肌脱ぎをして「踊り地」のあと、そのまま「チラシ」になります。


う1枚ポーズ写真が見つかりました!まだ踊る前に撮ったので、
かなり緊張していますネ!(笑)でも、「藤娘」の衣裳は、やはり
黒が好きです。途中で色々と着替えるにしても、最初は黒がいいと
思います。現在、歌舞伎の公演で普通に使われている、片身変わり
の六代目さん好みの衣裳は、僕には今1つピンと来ません。  







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