展示室2   長 唄 「二人椀久」





    
の作品は、これまでに3回踊っていますが、いつも椀久の役で、
松山はまだ一度も演じたことがありません。今後演じるとしても、
多分椀久役が続くと思いますが、何度演じても、その度に新鮮な発
見があって、また踊って見たくなる素晴らしい作品です。踊るたび
に工夫のし甲斐があって、思い切り突っ込んだ表現が出来る、奥行
きの深さが凄いと思います。
役でも、ちょうど女形との境目にい
るような、俗に「つっころばし」と言われるような役なので、見た
目以上に難しい役です。それと狂気の表現をどの程度にするかも、
踊り手の感性が問われる所でしょう。
る時まだ小学生だった息子
や、殆ど日舞を知らない若い友人から、この作品の素晴らしさや難
しさをズバリと指摘されて驚いたことを、今でも鮮明に覚えていま
す。いつまでも残って欲しい作品の一つです。       
 




[松山]藤間晟弥  [椀久]藤間喜州


しい写真が出てきました!僕が20年ほど前に、「椀久」を初演
した時のものです。「松山」は、若くして亡くなられた、先輩の金
繁さんです。もちろん金繁さんも、初役でした。金繁さんとはその
後も、古典でも創作でも何度となくご一緒しています。踊りに対す
る姿勢に、合い通じるものがあったのか、真正面からぶつかり合っ
て踊れる、数少ないお相手でした。初めにも書きましたように、僕
はこの役を3回演じていて、自分としては踊る度毎に良くなってい
ると思うのですが、家内は何故か、この初演の時の舞台が、1番印
象に残っていると言います。                





[椀久]藤間喜州      [松山]藤間金繁


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