展示室12   常磐津 「角 兵 衛」





(鳥追い)藤間金繁        (角兵衛獅子)藤間喜州


この作品は、越後の田舎から出てきたイモ兄ちゃんと、生粋の江戸っ
子の粋な姐さんとが、対照的に描かれている所が、なかなか面白いと
思います。仲違いしていた人気役者同士の、仲直りの記念に作られた
作品なので、2人が平等に、其々の見せ場もタップリに作られている
ので、どちらの役も魅力一杯です。僕は2回踊りましたが(もう1回
は素踊りでした)、チャンスさえあれば、何度でも踊ってみたい作品
です(次は、「鳥追い」の方をやりたいですネ!)。「角兵衛獅子」
は、いわば二枚目半の役どころなので、顔も白く塗りませんし、鬘も
「スッポリ」という、あまりカッコよくないのを着けますが、最近の
舞踊会では白塗りの二枚目でやる人が増えてきました。大分以前に友
章先生のお写真を拝見したら、鼻の下を青く塗って、眉もワザと下が
り眉に描いておられました。そんな顔でも、踊りを観ているうちに、
だんだん好もしい男性に見えてこなければならない訳で(なにせ、粋
な「鳥追い」が惚れちゃう位ですから)、そういうイイ味を出そうと
思うと、とても役作りが難しいと思います。僕が初めて踊ったのは、
古典舞踊研究会「かえで会」の時だったので、お浚い会等ではカット
されるような部分も、全部踊らせて貰いました。二度目のクドキの部
分も、団扇太鼓の踊りの後半部分も、ホントによく出来ているので、
時間さえ許せば、出来るだけカットしないで上演して欲しいと思いま
す。時間にウルサイ僕が、言うんですから・・・。      
 。







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