展示室7   清 元 「神 田 祭」





(鳶頭)藤間喜州 (芸者)藤間愛美


この作品は、江戸の祭礼の、粋でイナセで華やかな雰囲気を描いた代
表的な作品で、おなじ清元の「申酉(お祭)」と共に、とてもポピュ
ラーで人気があります。鳶頭1人で踊る事もあれば、芸者や手古舞や
若い衆が絡んで、賑やかに踊る事もありますが、歌詞の内容からすれ
ば、鳶頭と芸者の2人の踊りが一番自然でしょう。僕が踊った時は、
勘寿朗師の新振付で、頭の方をカットして、浅黄幕を振り落とすと、
いきなり「祭りに対の派手模様・・・」から踊りだす演出でした。

中の「クドキ」の部分では、キスシーンを思わせるような大胆な抱擁
もあり、本番はともかく、稽古の時は照れ臭くて困りました。後半の
「踊り地」は、鳶頭は金棒を振り回し、芸者は祭り笠と扇子を両手に
持っての、大変派手な振りが付いています。幕切れは、チョッと台詞
があって花道の七三でキマり、「申酉」の「引けや引け引け・・・」
に乗って、仲良く手をつないで引っ込みます。半分お芝居のような振
りで、感じを出すのにとても苦労しましたから、その後何度か門弟に
も踊らせる機会がありましたが、いつも昔からある古い振りを使って
いて、この新しい振りでは、まだ踊らせた事がありません。   





(芸者)藤間愛美  (鳶頭)藤間喜州


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