アンプの設計に便利なフリーソフト

 

私が最近愛用しているフリーウェアで、特に自作アンプの設計に便利と思うものを挙げておきます。
バグが無いとは言いませんが、目立って困るようなものは無いと思います。
 

1.回路図CAD


これは、何と言ってもBsch(びーすけ)に止めを刺します。
使いやすさからは、市販ソフトに引けを取りません。
若干、問題のある機能的な不備もないでもないですが、基本的な機能は揃っているし、何しろタダなんだから。

少なくとも、オーディオアンプみたいな簡単な回路なら、全く問題ありません。
これで、数万ゲート規模の回路はとてもかけませんけどね。(誰が自分のパソコンで書くんじゃ、そんなもの(笑)!)

これに関係するソフトで、専用部品作成用のLco(えるこ)もイケてます。第一、これ無しでは真空管が書けない(笑)。

Bschはネットリストや部品表も作成できます。それぞれ専用のソフトがあります。
ネットリスト:Nlist
部品表作成:Plist
です。Bschと共に、岡田氏の著作物です。
実行形式はWindowsソフトなのですが、なんとソースコードを公開(!!)しています。
Macの方は、ソースコードから自分でコンパイルして下さい。もっとも、Cコンパイラが無ければ話になりませんね。

全て、Vectorで入手できます。
Vectorサイトから、CADのページに飛んで下さい。FTPのサイトなのでダウンロードも速いです。

岡田氏のサイトはここ

2.P板CAD


これは、私の知る限り、kbanしかありません。
取り敢えずは両面基板でも作成可能なので、まぁ使えます。市販品ほど強力ではありませんが。
これもVectorで入手出来ます。
 

3.機構CAD


シャーシの図面を書くのに、紙と鉛筆でやってますか?それともCADですか?

LilliCadというやつが便利です。

これは、厳密に言えばフリーウェアと言うより、いわゆる世に言うところのカンパウェアです。
¥500のカンパなら、内容から見てOKでしょう。送らなくても動きますけど、自分でソフトを作った事のある方なら、これがどれほど大変な代物か解るでしょう。

また、作者(らん氏)が勉強するのにかけた、相当な時間とお金(この種の専門書は普通¥3000以上する)からすれば、これぐらいのカンパは宜しいんじゃないでしょうか。

Windowsソフトです。
これもVectorで入手しました。
 

4.アーカイバ


上述のソフト(Lzhで圧縮されています)を解凍するには、アーカイバが必要ですが、LHAユーティリティー32は、多機能で使いやすく、私は愛用しています。

特によい点は、自分で解凍先のディレクトリを指定できる点です。
これもVectorにあります。
 

5.数学的な計算の為の電卓


私が愛用しているのは、MathCalcです。

これは、数式がそのまま打ち込めるし、変数を使って計算できるので、例えば初段のμを変えるとNFB量がどうなるか、とか言った事が出来ます。途中結果も画面右の窓に出力されるので、途中のパラメータも確認できます。
テキスト形式でその計算式を保存できるのも便利な点です。コメントも付けられるので、忘れにくい点もGoodです。

ただし、この記述形式はC言語に近いです。私は、Cを元々知っているから、便利だと思ったのかもしれません。
Cを知らない人で、これを使用している人に、使用感を聞いてみなければ、そのあたりは解りませんね。

少なくとも、私は、シミュレータで計算するよりも便利なことが多々あるように感じます。
たしか、これもVectorで入手した筈です(忘れました)。Mathcalcで検索かければ出てくるでしょう。

実際に計算した時の様子を下に示します。


 
 

6.お絵かきソフト
Dynamic Draw を愛用しています。
これが便利なのは、何しろ演算機能が強力なこと。ベジェ曲線も、自由度が高くて直感的に使えるので、奇麗に書けます。最近、いろんな機能に対応して、更に使い易くなっています。ソフトウェアの仕様書などには、特にお奨めします。

私が特に気に入っているのは、回転角が自由に設定できること。これはとっても重要です。
何故なら、超三極管接続で、一番線形性の高いポイントを探すのに、最も重要な機能は、引いた負荷線の回転なのです。(^^;;)
(超三結MX 2A3-PP の負荷線、及び超三結Ver.1の解説で用いた図は、これで書いています。)

最近は仕事でも愛用しています。弊社では密かに愛用者が増えています。

これ以前には、有料ソフトを使っていましたが、これを手に入れてからは使う気がしません。
これを使うと、MS-Draw なんざイライラしてきます。ここのページの絵はMS-Drawで書きましたが、前述の超三結の絵と比較すれば、如何に汚く、また書きにくくなるか、良く解るでしょう。(これでも、書いた後でbmpファイルでの修正をしたんですよ。)


無限回のREdo、UNdoも便利。
ここ(作者の福代氏のページ)に詳細が書いてあります。Vectorでも手に入ります。
 

回路シミュレータ
有名な Spice の本体自体はフリーなのですが、GUIが無いので、ちょっと一般には使えません。
ここに紹介するのは、GUIを持ち、一般的な部品のモデルを統合したものです。

1. Circuit Maker (Student Version)
2. SCAT (Switching converter 専用)
3. MicroCap V CQ (有料:CQ出版)

3.は、モンテカルロ解析が容易で、使い易いので敢えて入れてみました。
1. も無料ではありますが、ブルーバックスの付録ですから、本は買う必要があります。しかし、恐らくは回路シミュレータを使ったことが無い方は、解説書無しでは使えないと思われます。
2.は、崇城大学の先生が独力で製作したものです。 尚、スイッチング・コンバータをSpiceとかでシミュレートするのは、時間がかかりすぎて困難です。30分もかかってエラーが出ると、泣けてきますから(^^;)。


訂正:以前、SCAT は「熊本大学の先生」と書いていましたが、私の粗忽でした。
正しくは崇城大学の中原助教授でした。訂正の上、お詫びします。m(__)m
ご指摘下さった同大学の村田教授に感謝します。2003/10/15

おまけ:数学CAD


今現在、私の知る限りでフリーのものは、以下の三つがあります

1. Scilab(フランス、国立制御研究所)
2. MatX(日本)
3. Octava
4. Speakeasy

4. 以外はダウンロードできます。4.はブルーバックス付録で、説明書(^^;)があるので判り易いですが、経済学とかに便利な関数が多く、制御関係(負帰還系)ではあまり使えない、という印象があります。

ただ、これらを使いこなすためには、相当な数学的知識を要求されている、と言うことは肝に命じて於いて下さい。基本的には、数学専用言語みたいなものです。

個人的には、Scilab が良いと思います(これは所謂 Matlab クローンです)が、間違っても、私に使い方の説明など求められない様に(^^;)、リンクは貼りません。各自、自分の責任でやって下さい。

因みに、今最も一般的なものは Matlab で、百万単位のお金がかかる様です。


その他のソフトを手に入れた、Vectorは http://www.vector.co.jp/ です。
また、ここには良質なフリーソフトが沢山リンクしてありますので、なかなか便利。

なお、本HPは、ページによって書いたソフトが違います^^;;。
使っている中でフリーのものは、AZUKIとNetscape-Composerです。(有料ソフトで書いたページもあります。)
ただし、CGIやJavaScriptを用いているページは全てAZUKIで書いています。
文字だけなら、Composerは楽で良いんだけどねぇ。(それでも、MS-Wordよりは数段マシだと思う)

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