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代用副詞の省略
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Hiroko Nakanishi, president of Bornelund Inc., is on a mission to change the way Japanese children spend their free time.

上の英文の中の、

the way Japanese children spend their free time

という部分は、名詞の後ろに「形容-代用詞節」の修飾がついています。しかし、「形容-代用詞節」は「形容詞の機能を持ち、代用詞で始まる節」であるのにも関わらず、その代用詞が省略されてしまっています。従って、その省略を正確に補って考えられる力が必要です。上の英文の場合は、

the way (that) Japanese children spend their free time

thatが省略されていて、このthatは代用副詞です。この部分を、代用名詞の省略と間違えないように注意してください。代用名詞と代用副詞では、内部構造に決定的な違いがありますね。この「形容-代用詞節」の内部構造を確認すると、

このようなイメージ3になっています。従って、thatが代用名詞になる可能性はありませんね。このthatは「方法を表す副詞の代用」であるので、in the wayという「副-前置詞句」の代用です。「その方法←その方法で、日本の子供たちが自由時間を過ごしている」という修飾になります。

また、名詞の後にthatで始まる部分がつく形は「形容-サイン節」もあります。しかし、「形容-サイン節」の場合は、その前の名詞の内容を表すので、今回の英文では当てはまりませんね。「日本の子供たちが自由時間を過ごすという→方法」ではおかしいですものね。

このような区別を正確にしないと、英文の表している意味がイメージとして立ち上がってきませんので、しっかりと正確に区別できるようにしておきましょう。

では、今回は、代用副詞が省略されている例文をいくつか見ておきましょう。

<例文1>

The patient's wife, who was in the hospital room at the time the drip was administered, was not told by the doctor that he would be giving her husband the potassium chloride.

patient<名詞>患者
drip<名詞>点滴
administer<動詞3>行う
potassium chloride<名詞>塩化カリウム

イメージ3(イメージ4の受け身)です。

この英文の名詞Aには「形容-代用詞節」の修飾がついています。その内部構造は、

イメージ1+2つの「副-前置詞句」となっています。この2つ目の「副-前置詞句」に注目してください。the timeという名詞の後に、

the drip was administered

という文構造がありますね。この部分が「形容-代用詞節」です。つまり、

the time (when) the drip was administered

ということですね。「その時←その時に、その点滴が行われている」という修飾ですね。

The patient's wife, who was in the hospital room at the time the drip was administered, was not told by the doctor that he would be giving her husband the potassium chloride.

「その患者の妻は、その点滴が行われていたときに病室にいたが、医師から、彼が夫に塩化カリウムを与えようとしていることを教えられなかった。」

<例文2>

The average age men married was 29.8 and was 28 for women, up 0.2 year from the previous year for both men and women.

average<形容詞>平均の
marry<動詞1>結婚する
previous<形容詞>以前の

イメージ2とイメージ2+「副-前置詞句」です。最後の部分は、

(which is) up (by) 0.2 year from the previous year for both men and women

という「形容-代用詞節」です。

名詞Aを見ると、名詞の後に「形容-代用詞節」がついた形になっています。

The average age men married

これはちょっと注意してください。marryという動詞は、通常イメージ3で使われることが多いため、一瞬、代用名詞が省略されているように感じるかもしれません。

The average age (which) men married

しかし、これでは「男性が、平均年齢と、結婚した」という意味関係になってしまいますね。従って、これは、

The average age (when) men married

「平均年齢←その年齢で、男性が結婚した」というように、代用副詞が省略されているわけです。どちらで捉えるのかで、イメージの型が違うので、正確に捉えられるように注意してください。

The average age men married was 29.8 and was 28 for women, up 0.2 year from the previous year for both men and women.

「男性が結婚した平均年齢は29.8歳であり、女性は28歳であった。それは男女ともに、去年よりも0.2歳上がった。」

<例文3>

Medical experts say that one reason such gray-zone medical treatment is problematic in Japan is because of the immaturity of terminal medical care.

medical<形容詞>医療の
expert<名詞>専門家
gray-zone<形容詞>グレーゾーンの
treatment<名詞>治療
problematic<形容詞>問題のある
immaturity<名詞>未熟
terminal<形容詞>末期の

イメージ3で、名詞Bが「名-サイン節」になっています。その内部構造は、

イメージ2です。この名詞Aに注目してください。one reason「1つの理由」という名詞の後に

イメージ2+「副-前置詞句」という形をした文構造がありますね。しかし、その間にはなんの単語もありません。つまり省略されているわけですね。この場合は、文構造から考えて代用副詞が省略されていることがわかり、そして、前の名詞がreasonなので、「理由を表す副詞の代用」として使われるwhyが省略されていることがわかります。「1つの理由←その理由で、そのようなグレーゾーンの医療行為が日本では問題となる」ということです。

Medical experts say that one reason such gray-zone medical treatment is problematic in Japan is because of the immaturity of terminal medical care.

「そのようなグレーゾーンの医療行為が日本で問題となる1つの理由は、末期医療の未熟さ故であると医療の専門家は語っている。」