比較の差 | |
講義トップへ戻る 元の英文へ戻る 次の英文へ 講義の学習の仕方 英文法則の全体像 講義の内容について質問 |
Core consumer prices, excluding volatile fresh food, rose 1.0 percent in February from a year earlier, the sharpest rise in a decade as companies passed on higher oil prices and rising materials costs to consumers through a series of price hikes. 上の英文の中のfrom a year earlierという「副-前置詞句」は、「一年前から」という意味ですが、重要な法則が含まれています。 この英語の表現を見て「一年前から」と理解するのは、それほど難しくはないと思いますが、全く別の機会に、「一年前から」という意味を英語で表現しようとすると、日本人にとってはそれほど簡単ではないようです。たとえば、 from before a year のように表現してしまう人がいてもおかしくありません。同様に「1年後」という表現でも、 after a year とすることは想像に難くありません。 しかし、これらの表現は、正しいとは言えません。どうして正しくないのかというと、基本的にbeforeやafterの後には、具体的な出来事を置くからです。たとえば、before the war「その戦争の前に」というように。これに対して、a year「一年」というのは、具体的な出来事ではなく、期間を表していますね。したがって、beforeやafterの後に置くのは不自然なわけです。 今回のように、時期を比較して「〜年前、〜年後」というように、その時期の差を表す場合は、前後を表す表現の前に期間を表す単語を置きます。「その戦争の一年前に」なら、a year before the warという形です。 この法則を、もう少し大局的に表現すれば、「比較の差を表す数値は、比較表現の直前に置く」という法則になります。 今回の英文のfrom a year earlierという表現を見ても、「より以前」という比較表現の前に、a yearという差を表す数値が置かれていますね。これで「一年前から」という意味になるわけです。 では、このような「比較の差」を表す表現をいくつか見てみましょう。この法則は、特に、自分で英語で表現する場合に、「あれ?どう表現すればいいのかな?」とならないために覚えておくと役に立ちます。 <例文1> The cost of each unit will be 20 percent to 30 percent higher than those built after the prefecture was hit by massive summer floods. *cost<名詞>費用 イメージ2+「副-サイン節」です。 「副-サイン節」の中は、 than those (costs of units) built after the prefecture was hit by massive summer floods (were) ということです。 では、A’の部分に注目してみましょう。まず、higherという形容詞の比較級の形が確認できます。「費用が、〜より高い」ということですね。そして、「どれだけ高いのか」という「比較の差」を表す数値がその前に置かれています。「20〜30パーセント高い」という意味になります。「比較の差」を表す表現の基本形です。 The cost of each unit will be 20 percent to 30 percent higher than those built after the prefecture was hit by massive summer floods. 「それぞれのユニットの費用は、その県が大規模な夏の洪水に見舞われた後に建てられたユニットの費用よりも20〜30パーセント高くなるだろう。」 <例文2> Japanese eat 1,000 calories a day less than Americans, even though Japanese are, on average, only about two or three inches shorter than Americans. *average<名詞>平均 イメージ3+「副-サイン節」+「副-サイン節」です。 名詞Bの部分に注目してください。この部分は、less「より少ない(カロリー)」という名詞が中心となっていて、「より少ないカロリーを、食べる」という意味なのですが、その比較表現の前に、1,000 calories a dayという数値が置かれていますね。これが「比較の差」を表しているわけです。a dayというのはper dayという前置詞句と同じ意味で、「一日につき1000カロリー」という数値を表しています。これが「差」になるわけです。 また、2つ目の「副-サイン節」の中にも同様の表現があります。shorter「より背が低い」という比較表現の前に、only about two or three inches「たったの約2〜3インチ」という数値が置かれています。これが「比較の差」になるので、「たったの約2〜3インチだけ低い」という意味を表します。 Japanese eat 1,000 calories a day less than Americans, even though Japanese are, on average, only about two or three inches shorter than Americans. 「日本人は、アメリカ人よりも一日につき1000カロリー少ない量しか食べない、日本人は平均的にアメリカ人よりも約2〜3インチ背が低いだけなのに。」 <例文3> Economic activity, including postal services, is resuming on Miyake Island, 4 1/2 years after volcanic eruptions forced its inhabitants to flee in September 2000. *economic<形容詞>経済の イメージ1+「副-前置詞句」+「副-サイン節」です。 最後の「副-サイン節」に注目してください。この部分の副詞節のサインは、afterです。つまり、「火山の噴火によって、2000年の9月に、住民が逃げざるを得なくなった後」という意味が基本です。しかし、その前に4 1/2 yearsという数値が置かれていますね。この数値が「比較の差」を表すわけです。 afterは比較級ではありませんが、2つの時期を比較してその前後を表すので、比較表現と同様に考えることが出来ます。したがって、その直前に数値を置けば、「比較の差」を表すことができるわけです。この英文の場合は、「〜の後、4年半たって」という意味を表します。 Economic activity, including postal services, is resuming on Miyake Island, 4 1/2 years after volcanic eruptions forced its inhabitants to flee in September 2000. 「郵便サービスを含む経済活動が、三宅島で再開しつつある、火山の噴火によって2000年の9月に住民が避難せざるを得なくなった4年半後に。」 |