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<詳しくチェック>確定の疑問詞節

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「名-疑問詞節」は、疑問詞が使われているので、通常、疑問の意味を持ち、

what is important

となっていれば「何が重要であるのか」という意味になります。これは、たとえば、

I don’t know what is important.

「私は、何が重要であるのかわからない。」という形で使われます。

しかし、これと全く同じ形の「名-疑問詞節」が、疑問の意味がない状況で使われることがあります。たとえば、

What is important is not his position but his achievements.

という英文を見てみましょう。名詞Aは「名-疑問詞節」になっていますね。しかし、この「名-疑問詞節」を疑問の意味で解釈すると、「何が重要であるのかは、彼の地位ではなく彼の業績である。」となってしまって、ちょっと不自然です。

このような場合は、疑問の意味ではなく、確定の意味で「重要なことは、彼の地位ではなく彼の業績である。」と解釈します。

「何が重要であるのか」と「重要であること」というのは、同じことを表と裏から表現しています。疑問の意味であれば「何が重要であるのか」となりますが、その疑問が解消されて確定すれば「重要であること」となりますね。このことは、先ほどの、

I don’t know what is important.

この英文を「私は、何が重要であるのかわからない。」と解釈しても、「私は、重要であることがわからない。」と解釈しても同じ意味であることからもわかります。

つまり、日本語を使って理解しようとすると、自然な日本語にするには2種類のやり方があるというだけで、元々の表現は全く同じ訳ですから、英語で表現していることは同じということですね。したがって、英語の構造が意識に植え付けられて、英語でそのまま理解できるようになれば、どちらであっても同じことということです。

では、このように「確定」の意味で使われている「名-疑問詞節」の例文をいくつか見ていきましょう。

<例文1>
People want officials who say what they mean and do what they say.


official<名詞>公務員
mean<動詞3>しようとする

イメージ3の英文ですね。名詞Bには「形容-代用詞節」の修飾がついています。その内部構造を確認すると、

イメージ3が2つありますね。そして、その2つの名詞Bは「名-疑問詞節」になっています。この2つに注目してみましょう。

まず、「疑問詞節」ですから、疑問の意味を持つものとして考えてみます。すると、「彼らが何をしようとしているのか」「彼らが何を言うのか」となりますね。そして、これを入れてみると「彼らが何をしようとしているのかを言い、彼らが何を言うのかをする」となります。前半は意味がよくわかりますが、後半は不自然ですね。

では、この2つを「確定の疑問詞節」と考えてみましょう。疑問の意味がなくなって確定の意味になると「彼らがしようとしていること」「彼らが言うこと」となります。これを入れてみると「彼らがしようとしていることを言い、彼らが言うことをする」となりますね。これなら意味がよくわかります。

表していることは同じなので、意味がしっかりと把握できればどちらで捉えてもよいのですが、初めのうちはしっかりと確認していきましょう。


People want officials who say what they mean and do what they say.

「国民は、しようとしていることを言い、言うことを実行する公務員を望んでいる。」

<例文2>
The watergate was completed in 1924, just above where the Shingashi River joins.


watergate<名詞>水門
complete<動詞3>完成させる
join<動詞1>合流する

イメージ1に2つの「副-前置詞句」がついています。

ここでは2つ目の「副-前置詞句」に注目してみましょう。justは「副-前置詞句」全体を修飾する副詞です。aboveという前置詞の後の名詞は「名-疑問詞節」になっていますね。この「疑問詞節」を疑問の意味で捉えると「どこで、Shingashi Riverが合流するのか」という意味になります。しかし、そう考えると「どこでShingashi Riverが合流するのかの上流で」という意味の「副-前置詞句」になってしまって意味がわかりません。

そこで、この「疑問詞節」を確定の意味で捉えると「Shingashi Riverが合流する場所」という意味になり、「Shingashi Riverが合流する場所の上流で」という意味の「副-前置詞句」であるとわかります。これなら意味がはっきりとわかりますね。


The watergate was completed in 1924, just above where the Shingashi River joins.

「その水門は、1924年に、Shingashi Riverが合流するちょうどすぐ上流の場所に完成した。」

<例文3>
Angered by what he said was insufficient prior consultation, the mayor voiced his opposition to the realignment plan.


anger<動詞3>怒らせる
insufficient<形容詞>不十分な
prior<形容詞>事前の
consultation<名詞>相談
mayor<名詞>市長
voice<動詞3>表明する
opposition<名詞>反対
realignment plan<名詞>再編計画

「副-分詞句」+イメージ3です。

「副-分詞句」の内部構造を確認すると、

イメージ1+「副-前置詞句」の構造が確認できます。「副-前置詞句」の中の名詞は疑問詞で始まっていますね。この「名-疑問詞節」に注目してみましょう。

ちょっと内部構造が複雑になっています。それは内部構造が2重の組み合わせになっているからですね。確認してみると、

このようにイメージ3の名詞Bが「名-疑問詞節」になっているわけですね。「疑問詞節」ですから、当然、疑問詞が一番前に出て形がこうなっているわけです。

では、疑問の意味で考えてみましょう。「彼が、何が不十分な事前の相談であったと言ったのか」となります。しかし、この意味では、byとのつながりがうまくいきません。

そこで、確定の意味で考えてみましょう。疑問の意味がなくなって確定になると「彼が、不十分な事前の相談と言ったこと」となります。これなら、byとつなげても意味はわかりますね。


Angered by what he said was insufficient prior consultation, the mayor voiced his opposition to the realignment plan.

「彼の言う不十分な事前相談に怒って、その市長はその再編計画に異議を唱えた。」