平成12年10〜12月度

更新次項他、動物関連の活動報告を記しています。ページと無関係の事柄については御了承下さい。

12年5月報告 12年6月報告 12年7月報告



2000年12月18日(月)気温10度、天候/雨/曇

以前メールにて質問を頂戴し、その回答を更新材料にする。

「鯨の歌」
正直なところ専門外で、気合い入れて勉強した事有りません。とは言え勉強したくなくても大抵の事柄が目に飛び込んで来ます。

<おさらい>
今の所、歌を歌う鯨は繁殖時期のハンプバックのオス(ザトウクジラ)だけとされています。
歌の種類は海域で異なり独特の節・調子が有る。又、歌は毎年アレンジされ海域ごとに流行がある。らしい(笑)
海域の境界付近では共通した歌も確認されているようです。又、歌う時は特定の水深でじっとして歌う事が確認されている様です。
ザトウクジラの使用している音は7オクターブ程の可聴音で、他のナガスクジラ類は波長の短い低音を使っている様です。他にも人間と同じ音の使い方をする等の論説が有りますが、当方音楽には無知で良く判りません。

「ある一定の深さ・・・音を伝えやすい」に関しては、特定の水温の層に於いては音の伝達率が高く、クジラもその音の伝わり易い層を利用しているものと思われます。「音の到達距離」については「数千キロ」と言われていますが、実証する実験結果等の資料無くハッキリと断言出来ません。専門の学者さんがそう言っておられるからきっとそうなのでしょう。「遊び心」で歌っているか否かは私には説明出来ません。

<本  題>「クジラが歌を歌う意味」
先にも述べた様に歌(ソングと呼ばれている)を使うのは雄のザトウクジラと限定します。
で、基本的に大型のクジラは群を作らず、繁殖時期を除いてオスのザトウは単独で生活をしています。歌を歌うのがオスで、繁殖時期だけ・・・1頭のメスを奪い合う行動が見られる事から、雄の歌の意味する所は「なわばりの主張・他の雄クジラへの牽制」が考えられます。(ソングについての定説とされています)

 もう一つ、クジラが繁殖海域を定める場合、学習か、若しくは本能的に場所を特定していたとします。ですが広大な海域でどのようにして異性同士巡り会えるのでしょうか。
基本的に鯨類の場合、繁殖相手の選択権は雌が持っており、ザトウクジラのメスは海域内でヒレを水面で打ち鳴らす等の音でオスを呼んでいると言われています。又、大抵一頭の雌の周りに複数の雄が集まる事も定説だったりする事から、雌は多くの歌が飛び交う海域を選び、バランス良い雄集めの為にも歌を利用しているのかもしれません。
(個人的主観による)

 私思うに・・「歌の善し悪し」も雄クジラ同士の牽制やメスを気を引く要因になっていると、多少ロマンチックに思っています。(笑)
歌を歌う動物には他に「鳥」が挙げられますが、彼らは上級な歌を学習します。カナリアの雄は別のカナリアの歌を学習します。オウムやインコ等は人間の言葉を覚えますが、覚えるのは雄だけの様です。
 より上手なアレンジが出来たり多くの歌を知っていれば・・・年期の入った賢い雄=優秀な訳です。
後は野郎同士でパワーの優劣を決めさせ、残った強い雄をパートナーにすれば良い遺伝子が残せるのではないでしょうか。
※猿類も群のリーダーを決める場合、パワーだけでは無く賢さも必須である事から、知能の高い鯨類にも同じ事柄を見出してみました。

 野生動物の行動は無駄がなく、その行動も「生活する為」と言うのが基本だと思います。客観的に見れば・・・目視に頼れない海中生活なら音に依存した未知の生態も考えられますから、ひょっとしたら・・・という「詩的な評価」もあながち間違いではないかと思います。
現在の所、歌のフレーズ等の研究は進んでいますが、歌っている当人(鯨)の精神状態は解っていません。不透明な部分に詩的な評価を与えても問題無いと思います。
※もし小型のイルカが歌を歌っていれば、精神状態まで細かく研究されていたでしょう。

 遊びの一環として「クジラが歌う」とは考えてはいませんですが・・・私たち人間も愛しいと思う恋心や、傷ついた切ない想いを「歌」に込めたりします。もしかしたらクジラにも歌の文化が有る。と思う方がドキドキしますね。(個人的主観による)

「イルカやシャチは何故従順なのか」

人間にイルカやシャチが従順と言われているその訳は・・・
※嫌悪刺激等は与えず、又健常である事を前提。
●人間を襲わない●人間の指示に従う(飼育個体に限る)

結論から言えば、人間を襲う様な否効率的な補食活動は行わないと考えられますが、「条件さえ揃えば、シャチも人間を補食する可能性は充分に有る」とも言えます。(過去の資料、及び鯨類の生態から推察)

<飼育されている小型の鯨類>
 歯クジラ(一般に言われるイルカ・シャチ等)は、概ね群社会を形成し、その中で個々の順位が定まっています。この事から飼育者(人間)を上位ないし、ひとつの社会と認識し襲う事も無く、又、指示に従うと考えられます。
 但し、飼育されている鯨類の中で、年期の入った個体や大柄な個体には明らかに人間をバカにしていると思われる個体も居ますし、普段は従順でも発情期に入るとトレーナーの指示を無視したりもします。
これは人間の社会でもあり得る事で、他の動物にも見られる行動。

 群を形成する事により採食・出産・育児・防御他、彼らは生活の全てと安息な精神を約束されていると言えます。
これは何もイルカに限った事ではなく、全く別種のイヌ科/ゾウ類/ウマ類/ウシ類/鰭足類・・・私達と同じ霊長類にも見られる行動で、生存する為の一つの手段だと考えます。
 このことから、社会性の有るイルカは人とコミュニケーションや指示に従う事で本能的・意図的にストレスを解消しているのではないでしょうか。

(余談)
人間でも集団生活が苦手な方も居られる通り、イルカやクジラの中にも飼育されている社会(人間+イルカ社会)が苦手な個体も居ます。この様な個体は長い間ストレスを受け続ける事になり、最悪ではストレス性の潰瘍や肺炎・免疫不全で死んでしまう事もあります。これは人間も同じと言えます。
※ストレスを受けているか否かはストレスホルモン(血中コルチゾル)濃度で判別可能。

(個人的な主観では・・・)
社会性が在るとは言え、イルカとイヌの従順度は同じとは考えてません。明らかに違うその脳の細胞数からすると、イヌはより本能に近い群性で、イルカには「理性や心」がプラスされた群性ではないかと思っています。

 さて、イルカやシャチ他、社会性の有る動物は人間に飼育されると、その親分(人間)に従順になる可能性の高さが判りましたが、では、本題の「野生のシャチは何で人間を襲わない」のでしょう。

<野生のシャチ>
 先ず、野生のシャチは何で人間を襲わないと言う発想には、ライオンやトラなど人を襲うと言われている動物が引き合いに出されたと考えます。彼ら大型食肉目は糧に出来そうな物ならウサギサイズ〜バッファロークラスまでを補食対象とし襲います。又、縄張り争い・ハーレム闘争・発情期にも同族を襲い、殺す事が知られています。
 では、何故シャチはその様な殺戮を行わないかと考えると、ライオンやトラの様な「進化・生態・環境」ではない為、人間を襲う迄に至る殺しを行わない無いのでは・・・と思います。
(進化)
 陸上では数の多い草食類(補食される側)が食肉類(補食する側)より数も多く先に進化出来る為、ライオン等の食肉目に対し「優れた防御方法」を持っています。
 対して後手になった食肉目は「食べる為に必至」な訳で常に難しい狩りをしいたげられています。
で、シャチはと言うと、現世の草食獣や肉食獣の栄えるはるか以前、「肉を食べる種類の哺乳類が海に入り、進化して来ました」つまり、先手の進化が優れた体機能を育て「現世ではあらゆる海洋生物の中でもとりわけ強く、そして賢い」訳なのです。故に「食にはあまり困っていない」と考えられます。言い方を変えると手当たり次第に獲物を襲う本能や、他動物に対しての反応が低いのではないでしょうか。

(生態)
 海洋におけるシャチの餌生物はニシン〜シロナガスクジラまでと豊富で、その優れた能力を持ってすれば「何の苦労も無く糧に出来ます」。
 ライオンは縄張争い・ハーレム闘争を行う事で同族の大発生を抑え、生態系の均衡を保っています。(同種間・異種間での殺しも一つの方法)
 シャチは再生産率(妊娠〜出産率)を低くする事で発生を抑えていますから、同種属を襲う事もなく、本能の中には食べる以外は殺しという概念が少ないのでは・・・と考えます。

(環境)
 広い海では餌が少なくなれば何処へでも「泳いで移動出来ます」。
深い海でも、浅瀬ですらシャチの格好のエサ場です。

<野生のシャチ・結論>
 進化・生態・環境から考えると、シャチの本能の中には「殺」という熟語が少ない。又、優れた体機能から考えると、見慣れていない(海洋では遭遇率も少ない)人間を食べるより、他の海洋生物を食べた方が遥かに効率的である。
ちなみに同じ体重のアザラシと人間を比べると、アザラシの方が遥かに栄養価が高いのです。
仮に、人間を見た経験の有るシャチにとっては「固くて、うるさく、怪しい物体(船)」に近づく事の方が恐ろしいでしょう。

(余談)
 世界は広いです・・・資料ではイルカの仔殺し、シャチの共食いの記録が残されています。イルカの事例では新生個体を追いかけ回して・・。シャチ(過去の捕鯨)の事例では、群れ全ての胃袋がカラッポでその内2頭の胃の中にシャチの肉片が入っていたとされます。
 推察するには不十分な資料ですが、悪い条件「精神的・肉体的」では共食いや仔殺し、人間を襲う可能性も有ります。(飼育下でも同じ)※人間も同じと考えられます。(チョット怖い)
又、人間がアザラシの住む海域で泳いでいれば、人間もエサ生物と誤認し襲う可能性は高く在ります。
それと・・・洋上で人間が単独で襲われてしまった場合、跡形も無くなってしまい「人間がシャチに襲われた」という報告が無い。とも言えます。

(個人的な主観では・・・)
 生物に於ける「心のレベル」の線引きは定まっていませんが、彼らの脳の構造は人間に勝るとも劣っていません。(一部のイルカは除く)仮にシャチが人間並の「知性・理性」を持っていなかったとしても、無理に変なモン食いたくない・・・と警戒するのではないでしょうか。
 最後に、彼らイルカやクジラの祖先は「カバ」※に近い事もふまえると、シャチは「肉は食えど食の概念は草食獣」なのではないでしょうか。もし、シャチの祖先がイヌ科・ネコ科の純食肉目で有ったとすれば、究極の殺戮マシンになっていたのかも・・・しれません。

※今迄はラクダの祖先から分化していた事のみ、定説とされていましたが。先日の分子生物学(DNA判定)の発表によると、有蹄類(ラクダの祖先)の次に偶蹄目カバの祖先が分化し、そこから鯨類とカバ類に至ると追加されました。

2000年12月16日(土)気温8度、天候/曇

2000年12月16日(土)気温8度、天候/曇
先の10月末に死亡したシャチの病理検査の結果、肺の内部に炎症等が見られたとの事。
直接の死亡原因と特定出来るか定かではないが、化膿性肺炎が死因と記録される。
この化膿性肺炎、シャチを含めイルカ・クジラ類の死亡する原因の中でもかなり多い。
※体内で炎症が起きている場合、血液からは好虫球や白血球等の増加が見られる筈だが、実際今回のケースでは血液反応が確認出来なかった。但し、体温の上昇が見られた為、ショーは中止、抗生物質の投薬は行なった訳で最善は尽くされている。

2000年11月20日(月)気温14度、天候/雨

「日本オオカミ発見?」(読売新聞20日朝刊・1面)と言う事である。
個人的に興味の有る生物である。
さて、生きている頃のニホンオオカミのVも何度か見た。先週も科博で剥製を見てきたばかり・・。ン〜〜ム、見てくれはオオカミかも知れないが山で育った為に体型や毛色がオオカミになってしまったと考えたくなる。
今泉先生の所見では「画像を見る限りではオオカミと言って良い」とのコメントであるが、さてさて、この先どういった結果が出るのか楽しみである。

2000年11月19日(日)気温16度、天候/曇

江の島水族館行き
「触れ合い体験学習」に参加するべく午後に江の島着。
獣医師広報板の集まり用にお土産を購入。
内訳:
イルカカレンダー(洋物)1500円、
ハンドウイルカ・スケールモデル(SAFARI社製)1260円。
このDOLPHINカレンダーだが、白化若しくはアルビノのマイルカの写真が掲載されており、日本での休日表示に難が残るモノのトイレに貼って置く位なら一般の方でも楽しめると思う。

「触れ合い体験学習」
此の企画が読売新聞・神奈川版に掲載された翌週末は賑わっていた。さて19日というと、参加者は私を含めて3名。(午後3時の部)
お相手をしてくれるハンドウイルカは「シェリル」「シンディー」「シリアス」のメス3頭・・・つまり一人一頭。先の2頭は夏になると新潟の水族館に出向する個体。40センチ程の吊り桟橋には大人6名/イルカ3頭楽々乗れる。
桟橋への上陸はイルカの気分に依存し、遊びたければ「来る」嫌なら出るとイルカにはストレスを感じさせる事は無いだろう。(この企画については、早々にページ作成する事)

これからの季節少々寒く感じるが、夏の暑い時期にイルカと泳ぐだけではそのままである。ちょっと寒い位が丁度イイ!※イルカの体温をダイレクトに感じる事が出来る。(ムリかな?)
但し、レクチャールームのストーブには物足りない感が残る。関東でこの時期体験が出来るのは江の島だけに、是非とも多くの方々に参加して頂きたいと願う。


2000年11月12日(日)気温16度、天候/曇

国立科学博物館(上野)行き
 新館は訪れた事無く、この期にじっくり観る為の普通の観覧客である。
 折しも12日(日)当日は「ダイヤモンド展」の最終日で、スーツにネクタイ、アクセサリーとドレスという普段の科博にはめずらしい(失礼)観覧客の長蛇の列である。以前の「大恐竜展」最終日を彷彿とさせる。
長蛇の列を横目にみどり館を飛ばし、新館へと。
新館 地下1階:誕生と絶滅の不思議「恐竜」、1階:生物の多様性「海洋生物」、2階:たんけん広場「身近な科学」
   3階:たんけん広場「発見の森」
 地下1階は見逃せない!有名所のアバトサウルスやトリケラトプス、ステゴサウルスは実物化石!ティラノサウルスとギガノトサウルスの頭骨も比較可能!恐竜ファンの私には目から鱗が落ちるブースである。
カモノハシ竜だったと思うが(忘れました)咀嚼時の顎の動きをリアルに再現したモデルには泣ける!
この類の恐竜は植物を口内で擦り潰す際、上顎に擦れる下顎が広がりその摩擦で食物を擦り潰す。これを一般の方に解るように再現されていたのには感動である。
 地上1階、ブルーな照明が海の雰囲気を醸し出しており、海の生態系や食物連鎖を学ぶのには最適であろう。
目に付くのはシャチとヒゲクジラ(ミンク)の顎の動きの違いを骨付きマシンが再現。言い忘れたが、各階要所要所に液晶タッチパネルが設置されており、研究者、映像、説明他マルチに対応している。
 2階・3階のたんけん広場はこども達には大ウケである。
先の水族館にも同じ事が言えるが、ライブの体験体験程効果的なモノはナイ!「自分の目で見る」「指で触る」「音を聞く」「匂いを嗅ぐ」「味は・・・難しいかな?」
この五感が感じた体験は 人や先生から聴くよりも…本で読むよりも感動を与え、興味を湧かせるものである。こども達(未成年者)がこの様な体験をする為にはスポンサーである両親の力添えと、正しく体験出来る施設を提供する機関が無くてはならない。
 この科博、子供の入館料70円だが、正直お金には換える事の出来ない程の体験と感動を得られるだろう。

後記:ミュージアムショップでの出来事
何とも珍しい「クロノサウルス」のスケールモデルを発見!
※クロノサウルス:首の短い海洋性爬虫類プリオサウルスの中はで最大種。中生代でのニッチ(生態系地位)では、まさしくシャチと同じと言って良い。(モデル制作SAFARI謹製)
さて、私がこのモデルの売場に居たところ、側を通る4才程の男の子の独り言が聞こえた。「・・・サウルスもあるし、これももってる、クロノサウルスはいらないし・・」。
何と!このマイナーなクロノを知っている幼稚園児!将来有望株発見。

2000年11月11日(土)気温20度、天候/晴

三津シーパラダイス行き
午前8時??分、少々フライング気味。この時間は給餌等で忙しい時間帯、見える人影は飼育員のみである。
天候も良さそう、今日は多くの方が三津を訪れる事だろう。
先月末のアスカ(シャチ)だが、大夫落ち着いて来ており、当初見られた高い声を発したりも無くなって来たとの事。又、ヤマトの一件時には私もかなり感傷的になっていたが今回は多少楽な気持ちでいる事も付け加える。

前回の三津で、シャチの尾羽が熱く感じたのは熱交換の部位であると述べた。今回は他背鰭と胸鰭を触り分けを行ってみた。(なんだそりゃ?)
胸鰭も熱交換を行っているが、飼育長オススメは背鰭の先端付近。当日朝一番のアスカの検温では35.8度…背鰭の先端は「ア〜チィチィ」迄は行かないが、素人でもひと撫でで解る程高い温度である。水面から上がった背鰭の先端はみるみるウチに乾いて行くのだ。
心音を探ろうと手の平をシャチの胸に当て続けていたが少々難有り。(要聴診器)と言うよりダイレクトにこの耳で聴いてみたいものである。
(訂正)10月29日報告シャチの尾羽動脈血管の太さに誤り有り。近似値は3ミリ前後。前後と云う所には動脈とその周囲の静脈は熱交換時の条件により拡張/収縮する為。

さて、イルカの海で泳ぐ3頭のハンドウイルカだが、これまた面白い状態。体格のより大きい方の優位度が高く、小さい個体は抑えられている。こちらに寄って遊んで貰いたいのだが、来られずに近くでじっと浮いているのだ。たまにガンバッて来てみるが、大きい個体に沈められてしまう・・・まさしく抑えられている。
 「エコロケーションを体で体験」水中の手に向かって「ビィビビィ〜〜」と音を放った刹那「シュッ」と突っ込んで来て手の平を「パクリ!」。そのスピードと噛みつくタイミング、チカラ加減が絶妙!(それにしても痛い)。
このハンドウイルカ達、噛みつきたくて仕方が無いようであるからして、お客さんは桟橋の上からは手を出さない様に気を付けて欲しい。


2000年11月10日(金)気温15度、天候/曇り

寒い1日である。
18日(土曜)三津シーパラダイス行きが、明日11日(土曜)に変更した。
本予定で行くと明日は国立科学博物館行きの予定が、当家の長男「良芽」の体調不良で変更。科博は明後日12日(日曜日)になる。余談であるが、江の島水族館「触れ合い体験」への参加が又延びてしまいそうである。
明日は天候も良さそう。全てのショーに目を通してみたい。

2000年11月8日(水)気温18度、天候/曇り

 8月初旬に捕獲した・・・カブトムシの報告を。体長約6センチの小柄なオスと、7センチのメスを飼育していたが、9月にメス・昨日オスが大往生した。
 闘争させない様につがいのみで飼育し、体力を温存させておいたのが良かったのだろうか。産卵の確認はしておらず、どうしたらよいやら・・・正直、カブトムシ一匹の事が解らずして、鯨類がわかろうか。勉強不足である。

2000年11月6日(月)気温18度、天候/晴れ

 国営放送「生きもの地球紀行」はなかなかのモノである。
 おおよそ公開されるシャチの映像に関しては、カナダ/ノルウエー/アイスランド/アラスカ/バルデス半島が主であるが、インド洋(南極回遊型)のシャチは初めてではなかろうか。又、どのような撮影方法かも知りたい所であるが、シャチの愛称と言い、撮影状況と言い長期に渡る研究者の努力が有った事を察する。南半球の海洋哺乳類は得てして大柄で有ることは有名。これは南極海の栄養が豊富でオキアミを始め北半球に比べ餌生物も豊富で有る事から、自ずと生物の体型も大きく変わって来た事が示唆される。
※キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシ、ヒゲクジラ類についても南半球の方の種の体型は大柄である。
 映像だけでは正確な所見は不可能だが、リーダー格の雌シャチ(年齢50才)もよく肥えており、まだまだこれからと言った感じが伺えない訳でもない。又、9メートルのオスも立派に育っている。尾鰭のカールは確認出来たが背鰭の
うねりは始まっておらず、壮年期バリバリ感が有る。9メートル!実に大きい。
 半人前とされてしまった雌のシャチ(14才)デルフィーヌ・・・名前にドルフィンというイルカ的な感が有るのはさて置いて、14才と言うと日本の鴨川シーワールドで飼育されている「ステラ」とほぼ同じであろうか・・。

見応えの有る番組にさぞかしシャチファンは喜んだ事であろうか。
編集方法は不問とし、以後も観察映像を放送して頂けたら嬉しい次第である。


2000年11月5日(日)気温18度、天候/晴れ

「江の島水族館行き」
10月よりマリンランド・イベントに「触れ合い体験学習」が加わる。
レクチャールームには原寸大・リアル感触のイルカのヒレ模型と、カマイルカのレプリカ、ひげクジラのひげ、ハンドウ・オキゴンドウ・シャチの歯を展示し、平日1回・休日2回の講習と新しく増設された浮き桟橋での触れ合い体験が行われている。(費用は1000円)
文部省推薦の江の島水族館では、月に2回以上の学習体験を命ぜられており、展示物・施設の一部を文部省より負担頂いている。(省の奨める生涯教育の一環)

6月に生まれたハンドウイルカ「ミレニー」は順調なり!子イルカは4ヶ月を過ぎる頃から単独での高いジャンプが見られる。ミレニーも同じく完全に空中に飛び出し、ヒネリの効いたジャンプを披露。飼育部長から直接給餌される小魚も良く食べている。

当日最後のショーでは「シャドウ」(雌)の遊びが目立つ。来月12月23日満6才になる「パミイ」(雌)他、ハナゴンドウの「ヨン」(推定42才)のノリが良い!素直に嬉しい光景だ。

余談:日大より実践学習の為に学生が派遣されている。ほとんど一般のお客様と変わらないが・・・ガンバッて単位を修得して欲しい。


2000年10月29(日)気温16度、天候/雨

「伊豆・三津シーパラダイス行き」
 三津シーパラダイスでオスのシャチが死亡。深夜の残業後朝イチバンで三津へ行く。正直自分の目で見ないと納得しない性格であるのと、シャチの死によって水族館がどういう状態であるのか、一観覧客としての目で全てを感じてみたかったのである。主観・客観的に感じて来た事併せ、ページを作成したい。
尚、ページの作成には万全を期し、保護団体・一般の方の誤解の発生しないよう責任持った制作を飼育長と約束。

 アスカ(雌のシャチ)が少々ナーバスになっている。オスのヤマトが死亡して2日間程は「食事・行動・反応」他、今までと変わらなかったが、ヤマトの消失を3〜4日目になって初めて意識し始めている。これはなにもシャチに限った事では無く、飼育員、しいては伊豆箱根観光全てに通ずる事柄である。
 15〜16度という気温に併せ、止まない雨にあたる体感温度は低いが、アスカの体はとても暖かい。特に熱交換を行っている各ヒレは「カイロ」の様に温かい。血液採取用の太い血管を触診・・・尾鰭ウラ・左中央部のひときわ太い血管(およそ4〜5ミリの動脈)で、皮膚/皮脂から3〜4ミリ以降。
「血を採る場所」を触っている事に気が付いたアスカ反応して振り向く。
 前歯に欠損発見!余談だが、故ヤマトは虫歯を治療中であったのだ。

シャチの皮膚を擦ると「漆黒」の垢が絶えない。その量はオキゴンやハンドウ以上に感じるが、面白い事にシャチの垢で真っ黒になったタオルが、数時間で色が消えてしまったのである。(まさか、微生物分解した??)

その他:妊娠中のハンドウも順調に行けば12月には出産される。なかなかイイお腹になって来た。新入イルカ(1年目)もウエットスーツの飼育員と泳げる様になり、良い関係が形成されている様である。(浮き桟橋に箱増設)
このイルカ達、春の段階では噛む仕草を見せたが、現段階では安心して触れる程「解って」来ている。かなり好奇心が強い。ハズバンダリーはほぼ完成といった所。


2000年10月1日(土)気温28度、天候/曇り〜雨

<報告書復活>特に変わった事も無く、夏の報告は10月度に取り混ぜて記したい。
 水族館レポートでも取り上げている江ノ島水族館の新生イルカは「ミレニー」と公募により決定。雌のハンドウイルカである。誕生から4ヶ月程が経過し、その成長振りには目を見張る物がある。
 以前横浜港にストランディングした「コマッコウ」であるが、肋骨・下顎等いたる所に骨折が認められていたとの話し。現在骨格標本を作成中で、何れは公開される事であろうか。
昨年より江ノ島沖で確認されたハンドウイルカの親子未だ健在!仔イルカも良く成長している様で、背鰭の大きさも親と比べ差異が少なくなってきた。

 先日、国立科学博物館・分館にて行われた講演内容について、後ほど個人的推察を含め報告したい

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