「マリーベル」(フラワーコミックス全12巻、講談社漫画文庫6巻)に収録

 

マリーベル・・・
大きくなったらフランスへ行こうね!!
二人で兄さまを捜そうね・・・

 

<ストーリー>

18世紀後半、イギリスのドーバーの町はずれに幼いフランス人の兄妹が捨てられた。
兄のアントワーヌは「必ず迎えに来るから」と言い残し去っていった。
残された妹のマリーベルは、拾われた先のランバート公爵家の別荘でお世話になることに。
この別荘には、あととり息子のロベールがロンドンから静養に来ていた。
ロベールとマリーベルは兄妹のように育ち、いつしか二人でロンドンへ行く約束をするようになる。

父が養子を迎えてランバート家を継がせようとしていることを知ったロベールは、マリーベルと一緒にロンドンの父の元へ向かう。
正当な跡継ぎの出現によって、家督相続権は、二人の成長をみて決めることになり、5年後にもちこされた。

−ロベール17歳、マリーベル14歳−
二人がロンドンの屋敷に移り住んで5年の月日が流れた。
やがて二人はお互いの愛に気づくようになるが、身分違いであることから、マリーベルは、ロベールの将来を案じて身を引くことを決意する。
ロベールにマーガレット王女との婚約を勧め、婚約式の日にマリーベルはフランスから芝居の勉強をしに来ていたレアンドルと共にフランスへと渡った。

フランスでは、レアンドルひきいるマルロー一座においてもらい、各地をまわりながら兄を探すことに。
舞台で失敗をしたマリーベルは、レアンドルに頼りきっていたことに気づき、一人で生きようと。そんな彼女にレアンドルは、働き口としてダジル公爵家を紹介する。
ここは、コメディーフランセーズの花形女優ジャンヌの家でもあった。
屋敷でのパーティーでバイオリンを弾いていたフロレルと一緒に一座に戻ったマリーベル。
実は、このフロレルこそマリーベルが探し続けていた兄だった。側にいながら何故か素性を明かさない兄アントワーヌ。

一座に突然ダジル公爵夫人が現れる。夫人はレアンドルの母だった。
彼女は自分の立場を守るために、レアンドルと義理の娘ジャンヌを結婚させてダジル家を継がせようとしていた。
パリのダジル家へ呼ばれたレアンドルは継ぐ気はないと公言するが、ジャンヌには義母に対する思惑があり、無理やりにレアンドルに婚約を承諾させる。

マリーベルはレアンドルを愛しはじめたことに気づくが、ロベールの代用品ではないと拒絶されてしまう。だが、フロレルの説得により、マリーベルの気持ちを受け入れ、ジャンヌから逃れるために国外逃亡を計画する。
二人の一座での最後の作品は「ロミオとジュリエット」に決まった。

公演初日 −フランスを離れる日− マリーベルはロベールの絵皿をフロレルに託して舞台にのぞんだ。
計画通りに先に劇場を出たレアンドルだが、最後まで演じるために引き返そうとしたところを、追ってきたフィリップに撃たれてしまう。
負傷した体で劇場へ戻り、マリーベルと共に演じきったレアンドル。
幕がおりたあと、彼が目を覚ますことは二度となかった。
マリーベルは、ジャンヌに対してレアンドルのかたきを討つことを誓う。
−コメディー・フランセーズの舞台の上からひきずり降ろしてやる−

本格的に演技の勉強をするために、名門デュガソン演劇学校に入学。
そこでコメディー・フランセーズの舞台に立つきっかけができ、民衆に支持されて主役を演じるまでになる。
それまでのコメディー・フランセーズのからをやぶって、時代に忠実な衣裳で臨んだ舞台がきっかけで、タル・タラン公爵家のお世話になることに。
やがてマリーベルは、自分がサン・ジュスト家の娘だとわかり、フロレルが兄アントワーヌだったということも知ることになる。

貴族と平民の対立が舞台にも影響を表わすようになり、マリーベルは、平民支持の言動を行ったことにより、2年間の出演禁止を言いわたされ、タル・タラン家を出ることに。
マリーベルに魅かれていたタル・タラン家の次男のジュリアンは、彼女を追って平民の住む町で生活を始める。
側にいてマリーベルを守りつづけてくれるロベール似のジュリアン。
二人は結婚の約束をするようになるが、戻ってきたロベールの絵皿がきっかけで、心の奥にあった想いがあふれ出していく。同時にジュリアンもあまりにも酷似していることにショックを受け、マリーベルの本心を悟り、去っていく。
  ロベールとの愛は・・・
  マリーベル きみの生きがい・・なんだよ!!

革命の嵐に追われる貴族たち。
タル・タラン家で生き残った三男のフランソワも役人に追われるが、青いバラに連れ去られる。
そしてついにジャンヌにも逮捕状が出るが、青いバラに連れ去られ、その場に居合わせたマリーベルとレミは、一味と疑われて逮捕されてしまう。
青いバラを探すために開いたパーティー会場でロベールと再会する。
ギロチンから逃れることが出来たマリーベルとレミ。

マリーベルはイギリスへ渡り、ロベールと婚約する。
でも、幸せな生活もつかの間で・・・。
革命女優、サン・ジュストの恋人、青いバラを探すために送り込まれたスパイ・・・。さまざまなうわさのもと、ロベールはマリーベルを疑うようになる。お互いが誤解を生み、ついにマリーベルは婚約破棄を言い渡す。
  ロベールが愛しているのは4年前のあたしで、今のあたしじゃない!!

青いバラに助けられてイギリスへ亡命していたフランソワは、黒いバラと名のる何者かに殺されてしまう。
その黒いバラこそが、青いバラの正体を探るスパイだったのだ。
黒いバラがフィリップであることをつきとめたため、マリーベルは監禁され、助けにきたロベールとフィリップがもみ合っているうちに銃が暴発。ダイイングメッセージが残された。
  青いバラの正体は・・・

マリーベルはフランスへと戻っていった。
その日、革命広場では、王妃マリーアントワネットの処刑が執行されようとしていた。
 

 

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