ノンセクション

 手元にある、お気に入りのコレクションを掲載しました。まったく方向性が感じられない収集品ですが、私には意味のあるがらくたです。


1.マツダ電気時計




 昭和10年頃のタイマーです。文字盤の回りにピンがあり1本引き出すと約15分裏のプラグに接続した機器が動作します。ビンテージラヂオ物語のビクター5R−20型ラジオに付いているタイマーの単体版です。残念ながら50サイクル用ですので私の住んでいる愛知県では正確に時を刻むことはありません。これを動かしたいために、
AC−ACインバータを作りました。


 これが入っていた箱です。芝浦マツダ工業株式会社 マツダ電気時計 特許第39913号



2.マツダ時間スイッチ



 東京電気株式会社製元祖タイマーです。最大5時間まで、時間が来たら電源が入る、切るが選択できます。昭和12年4月号の子供の科学に広告が載っていますので、その頃の物でしょう。ベークライトモールドがとっても綺麗で現在でも使えます。ただカチカチと時を刻む音が大きく、スリープタイマーには向きません。



3.ブリキの船




 戦前?のブリキの船です。オシレーティングエンジン(首振りエンジンと言うべきか)で動く高級なおもちゃです。残念ながらバーナーが欠品ですが、単純なあぶりバーナーでしょう。かなり遊んだらしく船内はすすけています。この船のすばらしさはこの外観です。流線型という言葉がぴったりで、昭和初期の流線型ブームに作られたものと推測しています。(満州鉄道の特急亜細亜号が目に浮かびます?) メーカー名かどうかは不明ですが、後部にASAHI Coの文字があります。



4.計算尺


 これは何でしょう?懐中時計でも風水の方位盤でもありません。どうも円形の計算尺(盤?)のようです。物珍しさのあまり購入しましたが、パイロットの腕時計には円形の計算尺が付いたものがあるそうで、それほど珍しくはないようです。内側の目盛が回転し、表のガラスがカーソルになっています。掛け算、割り算ぐらいしか使い方が分かりません。”HALDEN’S CALCULEX”と製造メーカらしい名前が入っています。


5.ゲルマラジオキット



 空飛ぶ円盤型ゲルマラジオキットです。説明書などから’60年代初め頃の物と推測されます。蚤の市で見つけました。ゲルマラジオキットは非常に珍しくかなり高価だったのですが衝動買いしてしまいました。アンテナコイルはスパイダーコイルで絹巻き線?を巻いて作ります。ポリバリコンも見なれない形状のものです。ロッシェル塩?タイプのクリスタルイヤホンだけでも価値があります。右下は電灯線アンテナで青いプラスチック部分の中に100pFのコンデンサが入っています。これをコンセントに挿してアンテナとします。昔のゲルマラジオ、1石ラジオにはよくこれが付いていました。


6.オシレーチングエンジン



 科学教材社より発売されていたオシレーチングエンジンです。子供の科学で有名な科学教材社から30年ぐらい前より発売されていました。子供の頃欲しかったのですが、最近在庫品が格安で売り出されていましたので衝動買いしてしまいました。ボイラーの安全弁は無いのでゴムホースでエンジンと繋いで代用しています。今では環境物質である石綿がバーナーの芯に使われています。
 オシレーチングエンジンはシリンダー部分が首を振って蒸気切り換えバルブとして動作します。そのため首振りエンジンと呼ばれました。



7.ラジコンバス




 昭和30年に増田屋より売り出されたラジコンバスです。「ラジコン」という言葉もこのおもちゃから始まりました。今でもちゃんと動きます。操作は順序式で1回ボタンを押す度に直進、右旋回、左旋回、停止を繰り返します。何しろトランジスタラジオがやっと世に出始めた年にこんなおもちゃが出現したのですから驚きです。右の写真のようにおもちゃのくせに世界各国で特許を取得しています。



 無論、真空管もトランジスタも使われていません。一番右の写真が送信機の内部ですが押しボタンを押すとバイブレータが働いて、アンテナ付根に上に見えるギャップ間で放電が起こります。この火花放電により発生する電波でコントロールします。受信は真中の写真に見えるコヒーラが受け持ちます。コヒーラはガラスの管に金属の粉が封じ込まれていて、両側に電極が付いています。コヒーラに受信した電波による高周波電流が流れると電極間が導通して電流が流れるようになります。このままだと電流が流れっぱなしになるので、コヒーラの右にあるハンマーで叩くいて、金属紛に振動を与えると電流が流れなくなります(デコヒーラ)。電波を受けてコヒーラが導通する度、順番に直進、右旋回、直進、左旋回、停止を繰り返すようにモーターとカムでシーケンサーを作っておけば、立派に無線操縦できます。但し、毎回コヒーラの導通状態を解除する必要があるので、あまり早く操作することはできません。コヒーラ自体はマルコーニやポポフも使った古い技術ですが、昭和30年にその技術を用いて、無線操縦のおもちゃを完成させた発想と熱意はすばらしいものです。



8.小型エンジン


 爆発好きとしてはエンジンを忘れる訳にはいきません。しかし、エンジンのコレクションを始めると収拾がつきませんので、小型のエンジンぐらいにしています。


 COXのPEEWEE02エンジンです。購入したのは20年ぐらい前ですが、1960年代から現在までまったく変わっていません。1960年代の超小型ラジコン飛行機と云えばこのエンジンと上のML−2、F4−LRの組み合わせでした。リードバルブと云う特徴的な吸気バルブ構造を持っています。これは無線機メーカの三和が輸入代理店をやっていた当時のもので、SANWACOXとなっています。COXは倒産したとのうわさも聞きましたが、現在生き残っているのでしょうか?


 COXのTEEDEE01エンジンです。容積0.163cc重量は14.2gしかありません。私の知る限り量産された世界最小の内燃機関です。直径3インチ、ピッチ1.25インチのプロペラを27500rpmで回します。


 ガスパリンCO2エンジンです。内燃機関ではなくてタンクに入った液体炭酸ガスの圧力で回ります。容積的にはCOXのTEEDEE01より小型です。炭酸ガスが気化する際気化熱を奪いますので、気温の低い時は使えません。燃料は炭酸飲料を家庭で作る際の小型のボンベを使います。
 戦前には圧縮空気を使った空気エンジンも有りました。これも一度見てみたいエンジンですが未だにお目に掛かったことがありません。 空気エンジンで飛ぶ飛行機の玩具は一昨年ぐらいからバンダイより発売されていました。元はアメリカ製ですが、この手の玩具もなかなか息の長いアイテムです。

 1970年代の模型用ロケットエンジン、タイガー製作所のロケッティB型です。固形燃料のロケットエンジンでA,Bの2タイプありました。全長55mm,重量24g,静止推力50g、燃焼時間18秒とフリーフライトの飛行機を飛ばすには魅力的な性能です。どこかのメーカで再生産してくれませんかね?イギリスには似たロケットエンジンが今でも有るらしいです。そのうち小型のラジコン機でも作って乗せてみたいエンジンです。


 今は無きフジの099エンジンです。私の子供の頃はスマートなOS、馬力と信頼性のENYA、初心者用のフジのイメージを持っていました。今になると両面排気で後ろに燃料タンクを持ったフジ099が懐かしくなって入手しました。マフラーも両面排気に合わせて無理やり作ったとしか思えない形状です。新品のようですので一度はベンチで回してみようと思います。