展示室9 組 曲「 踊 る 」



の作品も、「かえで会」で発表されたものです。この時の古典の番
組は、「春夏秋冬」で構成されていましたが、創作も同じ構成にする
のは、前回の「雪月花」に二番煎じになると思い、日本舞踊で表現す
るのは無理だと思われるような曲ばかりを選んで、挑戦してみる事に
しました。あまりにもミス・マッチになるのではと心配しましたが、
結果はかなり好評で、「どんな曲でも、日本舞踊で踊れないものはな
い!」という自信みたいなものを持つことが出来ました。現在の僕の
創作活動も、「かえで会」から多大な影響を受けています。   



第1景 <般若波羅蜜多>



藤間由喜将      藤間金繁

使用曲は三枝成章の「般若波羅蜜多」です。シンセサイザーによって
合成された「般若心経」の読経と、赤尾三千子の美しい横笛とが、不
思議なハーモニーを織り成します。インド舞踊的なテクニックを取り
入れた、大胆な振り付けが印象的でした。かなりご高齢の方からも、
お褒めを頂きました。                    



第2景 <白い川>



藤間富公衛師

姫神のシンセサイザーによる、「白い川」を使用しました。ちょうど
会員が1人減って困っていたのですが、富公衛師が自ら創作にも参加
して下さったので、本当に励まされました。いくつか用意した曲の中
から、富公衛師ご自身が選んで自作自演して下さいました。数本の円
柱の間を縫うようにして、銀の二枚扇子で川の流れを表現しておられ
ました。                          



第3景 <ケアレス・ウィスパー>



藤間喜州  藤間梅由喜

使用曲はワムの同名曲で、この4曲中最もミス・マッチが心配された
作品です。なにせ全篇英語で唄ってるので、着物姿との違和感が懸念
されたのですが、結果的には大好評で、特に外国人の親しい友人で、
絶対にお世辞など言わない人達から誉められたので、ホッと胸を撫で
下ろしたものです。                     



第4景 <サンバ・ド・マルコス>



 藤間梅由喜        藤間由喜将 
藤間金繁               藤間喜州

使用曲は、渡邊貞夫の同名曲で、ダンスの先生にサンバのステップを
教えて頂いて振り付けましたが、手に持っているのは古典舞踊の小道
具の、綾竹と振り鼓です。こういう曲だからこそ、中間のサンバのス
テップの部分以外は、頑張って殆んど日舞のテクニックで振り付けま
した。後半では、富公衛師も急遽飛び入りで参加して下さって、本当
に楽しい舞台になりました。客席も、手拍子や「ブラボー」の掛け声
で沸き上がりました。                    



<フィナーレ>



藤間喜州 藤間金繁 藤間富公衛師 藤間由喜将 藤間梅由喜



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