展示室35 義太夫 「西鶴五人女・お七」
<お七>藤間金晟 <吉三>藤間喜州
これは、師匠のリサイタルの時に出させて頂いた作品で、大変に 珍しい演目なので、ご紹介する事にしました。西鶴の「好色五人 女」が題材で、五つのオムニバスになっているところは、友人の 「菅 敬助」氏の同名作品と同じですが、プロローグとフィナー レに、出演者全員が華やかに顔を揃えるところが違っています。 相手役の「お七」は、北九州市在住の姉・金晟です。花道から、 雪の中を扱けつまろびつ走り出たお七と、小ゼリから登場した幻 の吉三が、束の間の逢瀬を演じた後、其々が1本ずつの赤いサラ シを振って、火事のシーンになります。 |
<吉三>藤間喜州 <お七>藤間金晟
お七は、サラシを吉三に渡し、小ゼリで下がっていきます。吉三 は、お七が奈落で「刑場の場」の経帷子に着替えている間、2本 のサラシを振り続けながら舞台狭しと駆け回り、花道に走ったか と思えば再び舞台に戻り、着替え終えたお七がセリ上がってくる のと入れ替わりに、セリから消えて行きます。この間、一瞬も休 まずにサラシを振り続け、教わった振りが尽きてもまだお七が上 がって来ないので、アドリヴで踊り続け、セリの中に姿が隠れた 後も、まだ頭上でサラシを振り続けなくてはならなかったので、 それ程長い踊りでもないのに、クタクタになってヘタリ込んだ記 憶があります。若かったから、頑張れたんでしょうネ♪(笑) |