展示室1   義太夫 「傾城道成寺」




    

れは、僕が東京から長崎に帰って初めての大舞台で踊った、記念す
べき作品です。
長崎で踊った最初の女形でもあります。長唄の「京鹿
子娘道成寺」のパロディ版と考えて下さい。
所は廓の遊女の部屋、
主人公は白拍子ならぬ傾城、鐘を吊る代わりに蚊帳が吊ってあると言
う具合です。傾城の姿に化けた死霊が、蚊帳の中の客に近寄ろうとし
ますが、客が持っている仏像の威徳を恐れて近寄れず、遂に蛇体の本
性を現して蚊帳に駆け登る・・・という粗筋です。
若い頃の中村雀
右衛門丈が踊られて以来、滅多に上演されない珍しい作品と聞きまし
た。長唄の古曲「傾城道成寺」とは、まったく別の曲です。カツラも
衣裳も何枚も取り替え
ての豪華な舞台は、費用が嵩むだけではなく地
方さんの問題もあるので、再演することは難しいでしょう。  
 




八朔の白無垢姿でセリ上がります




胴抜きの衣裳に引き抜いて、「毬唄」になります。




元禄風の扮装に替わり、牡丹模様の団扇を持っての踊りです。




衣裳を引き抜いて、枕拍子を使った踊り地になります。




更に衣裳がブッ返って鬘も替え、蛇体の本性を現します。
持っている鉄杖は、竹製の手拭掛けを壊したものを使っています




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