真の力を現した蒼き機体・・・
その禍々しくも強大な力はまさに『魔神』の名に相応しく・・・
次々と倒されていく仲間たち・・・
「く・・・これほどとは・・・」
「ったく・・・どーすんだよっ・・あんなもんっ・・・」
「弱気になってる場合じゃねぇだろーがっ」
「マサキ!?」
立ちふさがるは、白銀の機体・・・
三対の翼をもって舞う様は、『天使』の如く・・・
蒼き魔神の前に立ちふさがる・・・
その戦いに時折見えるのは夢か現か・・・
徐々にその姿を大きく変えていく、禍々しき影。
立ちふさがるは、翼持つ白銀の騎士。
「・・これは・・・なんだ・・?」
それに答えられるものは、無い・・・
そして決着の時・・・
騎士の剣が闇を貫き・・・
そして・・・
漆黒の空間。
一瞬、自分は死んだのかと錯覚する。
その視線はある一点を捉える。
「あれは・・?」
そこに居るのは二人の少年。
そして闇と、光。
一人は紫の髪。
一人は緑の髪。
紫の少年は、黒き影と共に消えつつあり、緑の少年の傍らには光に包まれた“天使”が在る。
何かを話している。
それは聞こえないが、緑の少年は泣くのを我慢しているかような顔をして・・・
紫の少年は、それを宥めているようにも見える。
そして紫の少年が消え去る時・・・
その空間は消え去った。
「おー。大丈夫かー?」
「大声出すなよ・・・頭に響く・・・・・」
大声と共に部屋に入ってきた客にげんなりした顔をして、部屋の主は応える。
しかし大して悪びれた様子も無く、甲児はベットに沈んでるマサキに声をかけた。
「わりーわりー。でも安心したぜー?あの後、いきなり気を失っちまうんだからな。「精神的な疲労」って先生は言ってたけどさ」
「・・・やっと地上に出てきた本来の目的を果たせたからな・・・気が緩んだんだろ」
マサキのため息と共に呟く言葉に甲児は少し顔を歪める。
「・・・そうか。そのためにここにいたんだよな・・・じゃぁ・・・もう帰るのか?」
「あぁ。あっちもいろいろごたごたしててな・・・」
「そっかぁ・・寂しくなるな」
迷い無く答えるマサキに甲児はちょっと落ち込んだような声を出す。
そんな彼にマサキは、にかっと笑う。
「まぁサイバスターなら自由に地上とラ・ギアスを行き来できるからな。あっちが平和になったら時々顔見せるよ」
その言葉にぱっと表情を明るくして、甲児は手を差し出した。
「楽しみにしてるぜ」
「あぁ」
パンッと手を弾いた軽快な音が部屋に響いた。
あともう一話でとりあえずこの話は一段落です。
その後・・・は多分書かないだろうなぁ・・・
なんかネタが出ない限りは・・・(^^;
このシリーズ(というほどのものでもない)の間にある外伝てきなものも・・・なんかネタ出来たら書くかも・・・