すべての決着がついた・・そう誰もが思った。
しかし全てはまだ終わっていなかった・・・
突如起こった裏切りで艦内に再び緊張が走る。
 

だが・・正確には・・まだ全てが終わっていなかったことを知っていたものがいた。
一人は裏切った本人・・・
そして・・もう一人は・・・
 
 
 

「マサキ君・・少しいいかね?」
「別にいいけど・・・」
「なんっつー顔してんだよ」
「なんだよ」
不機嫌全開のマサキに睨まれて盛大に甲児はため息をついた。
「ちぇー。心配して声をかけてやったってのに、そんな言い草はないだろー?」
「心配?」
なんで?とばかりに目をぱちくりさせるマサキにまたため息。
(こいつ自覚ないのかよ・・・)

彼らは共に戦い抜いてきた戦友に声をかけた。
正直、彼の纏う雰囲気に声をかけるのを二人とも躊躇っていた。
しかし甲児はこのままでは彼が潰れてしまいそうに思え、放っては置けなかったのだ。
そしてクワトロには確かめたいことがあった。
 

「俺だけじゃないぜ。なにせシュウが裏切ってからお前、様子がおかしいからさ」
「・・・」
「・・お前とシュウの間に何があったかなんて俺は知らない。でもシュウを敵と呼んでた割には仲間だった時、まんざらじゃないように見えたし・・・なにより・・・」
「・・?」
「・・今のお前、すっごく辛そうだぜ?」
「・・・」

「私の用件は少し違う」
「・・・」
「我々には違和感があるのだよ」
はっとマサキは顔をあげる。
「違和感って?」
甲児はわけがわからず聞き返す。
「彼の纏っていた気配に」
「気配・・って・・」

「何か・・『人間とは思えない』ような邪悪な気配を纏っているときと・・・それが弱まってる時があったのだ」
「・・・そんなの全然わからなかったけど・・・」
「だろうな。彼は表面上、殆ど変化が無かったから気がつきににくかった・・・そして・・・」
彼はマサキに向き直る。
「君の彼に対する態度も、それによって違っていたように思えるのだよ」
「確かに・・険悪な時とそうでない時とがあったような・・・」

沈黙がその場を支配する・・・その沈黙を破ったのはマサキの方だった。

「・・・別に・・・ただ俺は『知っている』だけだ」
「知っているって・・何を・・・」

マサキの顔は見えない。
俯いて・・独り言のように、小さく呟く。

「・・・俺も最初は違和感があったんだ・・」
「・・・」
「・・・そのわけを・・知ったのは・・シュウを追って地上に出るまえのことだ・・」
「では・・君は最初から・・・」

再びマサキが顔をあげる。
何かを決意したかのような、だがどこか悲痛な顔をしている。

「だが今それを知ったところで、あいつと戦うことはかわらねぇ・・戦う気なら知らない方が、いい」

「マサキ・・お前・・・」
うめくような甲児の言葉を遮り、マサキは拒絶するように首を振る。

「・・・別にどうだっていいだろ。俺は・・・」

そしてまっすぐにマサキは彼らを見つめる。

「・・・俺は自分がやるべきことを果たすだけだ」

そういって踵を返すとそのまま歩き去ってしまう。
彼らは何も言えず、ただ立ち尽くしていた。
 


暗い!!
暗いぞ!!(汗)
そして短いし!!
ま、すぱろぼ本編あんま詳しくないのよ。やってないから!(爆)

あ、ちなみにクワトロさんも心配してないわけじゃないっすから(笑)



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