行動(遊ぶ・休む)
Behaviour




ハンドウイルカ(生後5ヶ月と3ヶ月)の追いかけっこ。
※左は母イルカ。

遊ぶ
 野生のイルカも飼育下のイルカも良く遊ぶ。水族館では飼育係がオモチャにされるが(笑)野生では流木や海藻、ウミガメなどもイイ遊び相手。水族館でも噴気孔で空気の泡ドーナツを作り、くぐったり口に含んだりして遊んでいます。大抵の水族館のイルカ達の間では「ストランディングごっこ」が流行っており、万が一の為防御柵を張り巡らしています。(写真:左)若い個体(1才半)、1頭でショーのマネをして遊んでいます。技術的に未熟な為でしょうか?安全の為尻尾だけはプール内に残していました。この3カ月後にはちゃんと全身上がっていました。他にはシャチがプールの底の塗料を剥がすのが流行り、全てのシャチの右の下顎の歯が斜めに削れてしまった例が有ります。
飼育下のクジラ・イルカにとって遊びと同じく「ショー」もストレス解消に役だっている様です。水族館の若齢イルカを観察して気が着いたのが、親離れをして間もないイルカ程、遊びたくて仕方ない状態!これは人間も同じ事ですね。

 ロープをもらってゴキゲンのハンドウイルカ達です。
 口でくわえて引っ張ったり、尾ビレや胸ビレ背ビレをこすりつけたりしていつまでも遊んでいます。写真の2頭は5歳前後のイルカで、遊び方は至ってゆっくりとしています。ロープ取り合いものんびりしたもの。

ブリーチング
 ヒゲクジラ/歯クジラ共おおよそ大抵の鯨類はジャンプをします。ジャンプをする理由の幾つかにはストレス解消/寄生虫を振り落とすなど言われていますが、一番有力な説は「仲間との位置的確認」が妥当だと思います。これは同じ群の仲間同士の他、海上でのなわばり等にも利用しているのではないでしょうか。これは大きな群ではジャンプから発生する音により群の全員に信号を送ることが可能なわけですね。
 ジャンプの他に胸ビレ/尾ビレたたきというのも、同族や外的などへの意志表示に利用していると思われます。
 このブリーチング/ヒレ叩き/エコロケーション以外に接触でも仲間とコミュニケーションしており、様々な会話方法を持っている事が判ります。

休む
 クジラ・イルカもとりあえず寝ます。業界では?「浮き眠り」「泳ぎ眠り」と呼ばれており熟睡と言うより「まどろむ」程度。尚水族館のベルーガは「底眠り」飼育槽の底でゴロ寝するヤツもいます。動物共通なんでしょうか「食後」はやはり眠たくなるようですね。
 寝る時間としては昼間が多く、良く言われる「脳味噌半分づつ眠る」も確かな様です。実際にも観察では両目を閉じて寝てる事は殆ど無かったそうで。そりゃそうです野生状態で昼間っからグ〜グ〜寝ちゃったらサメ達にかじられてしまいますからね?何で夜眠らないのかって?夜こそエコロケーションを駆使した狩が最も役立つ時間なのと、多くの「多足類(イカ・タコ)」は夜になると深海から浅い所まで浮上してくるのです。
 つまり「防衛と補食」の為に夜型になってしまったのですね。たまに人間にも居ますが。全ての種族が夜型とも言い切れませんが、歯鯨類は夜行性と思って良いでしょう。
 水族館のクジラやイルカもよぉ〜く見るとショーの合間に寝ています。右写真の様に「呼吸と漂流」を繰り返している時は熟睡ではありませんが寝ている最中と思って良いですね。
 気にして欲しいのが「イルカやクジラは自発的に呼吸をしています」。人間は寝てても勝手に呼吸を行いますが、イルカ・クジラは水の中ですから、ね?つまり、熟睡は有り得ない訳です。


戻る 次へ

 Copyright(C)2000 Cetaceans Laboratry Aquaheart All rights reserved