家族・群
Family . Pod




重なりながら泳ぐシャチ一家の図



家族・群
 ヒゲクジラについては一頭ないし子連の2頭、まれに餌が豊富な海域では数頭の群を作りますが、育児以外は基本的に単体で過ごします。一方歯クジラの場合比較的大きな群を形成して生活する様です。特に体が小さい歯クジラなどは外的(シャチやサメ)などから身を守る手段と考えられます。大型の雄マッコウに関しては単体で生活し、子供とメスは群で回遊しています。
 絶対とは言い切れませんが他の歯クジラ/イルカはおおよそ群で行動し、多い時には数千単位の群で過ごします。大抵は一桁二桁の集団を形成する様です。
こと鯨類の群に関しては奥が深く、生態系地位の具合によっても群の構成が変化し、又、生態にも違いが表れます。水族館で見る彼らクジラ・イルカの従順さはこの群のシステムによる物ではないかと考えています。
 研究の進んでいる一部定住性のシャチに関しては母系体制を取っており、群のメンバーは生涯変わらないという調査結果が出ています。※通常は鯨類の群をPOD(ポッド)と呼びます。
 歯クジラ(イルカ含む)では異種間での混成群が多く観察されています。体型が似たハンドウとマダライルカなら気にならないのですが、体長が5メートル近いゴンドウ類と2メートル程のマイルカなどの混成郡など「何で?」と少々疑問が残ります。混成の場合考えられるのが「雑種」。水族館の様に隔離された場所でも交雑例が見られる事から、野生状況でも気が付かない所で「ハーフイルカ・クジラ」が存在している様です。実際野生下でバンドウとハナゴンドウ、シロナガスとナガスクジラの交雑が確認されており、こういった場合彼らのコミュニケーションは「声」とか「仕草」を越えた何かが有るのではないかと悩みの種になってしまいます。海外のドルフィンスイムのエキスパートは「日本人の言う「気」を発してるんだよ〜」だって。ムムムム。

ハーフイルカの話ですが、今の所確認されている実例の全て「母親がバンドウイルカ」なのです。実例として父親がハナゴンドウ/オキゴンドウ/シワハイルカ/カマイルカが上げられ、母親は全てバンドウイルカという訳です。今までのケースからすると外見の相違は、オキゴンドウとハナゴンドウが父親の場合クチバシが短くなり、カマイルカが父親の場合には薄くカラーリングを引継ぎ、泳ぎがカマイルカ風でした。(特に因子の強い方にかたよります)又、歯の数は父親と母親の歯数の合計を足して2で割った数に当てはまるという、何とも解り易い変異ですね。
 現在飼育下でのハーフイルカは、ハワイのシーライフパークでシワハイルカとバンドウイルカの子供が1頭居ます。(1999.10月現在)※現在日本では交雑を防ぐ為、雌は異種の雄と同じプール内で飼育していません。

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