Eyes. Breathing and Blow |
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![]() 揚子江、ガンジス河等濁った河川に住む種類のイルカの目の構造を調べると、光を感じる程度の機能でしかないようです。 陸上と海中とでは光の屈折率が異なり、深くなるにつれて赤系の光は無くなり青い光しか届きません。150mも潜れば 光の透過は1%。「明暗とコントラスト」つまり水中では黒い部分と白い部分を区別出来れば良いと言えます。イルカやクジラにとって空気中で遠くを見る事はさほど重要ではなく透明度の悪い海中では目は余り役に立たない訳です。もっとも彼らは「目」以外に音の高感覚機能エコロケーション(音響定位)を使えますから「外を感じる部分」はそちらに依存してると言えます。とは言えクジラ・イルカの眼底には桿細胞が有り、比較的暗いところでも良く見えている筈です。又、RGBを分色する錐細胞も発見されている所からある種のクジラは若干カラーで見えているとも言われており、現在多くの方々が研究しています。 推測ですがイルカ・クジラは「赤と緑」は良く見えているのではないかと考えています。理由の一つにマイルカ/ハセイルカには「黄色の帯」が有る事。RGB「光の三原色」で黄色は「赤と緑」で構成されており、従ってイルカの目には黄色(赤と緑)は見えている。と言う事です。(写真:シャチの左目) |
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カメラのストロボで目が光って見えるベルーガ(左):タペタムが光を反射しているかどうかはこの画像からはよくわかりませんが・・・。 夜行性の動物の目はとても良く光を反射します。ベルーガも結構暗いところでも見えてるのではないでしょうか。注)写真は八景島シーパラダイスにて家族が撮影した物なのですが、「館内ストロボ/フラッシュ撮影は禁止」なのです・・・最近のカメラは性能が良い様で。ごめんなさいシーパラダイスさん! |
両方の目で見て立体視してます(右):大型のクジラにも見られる「スパイホッピング」でこのような状態は、両目で立体視していると考えられます。もっとも真横を見る時もイルカやクジラの体勢はこの状態になる訳ですが、状況で区別がつきますね。 |
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鯨類の目の周囲の筋肉は人間よりも発達しており、見たい方向に対し、眼球と周囲の組織もろとも動かす事ができます。 どの種も瞼を持ち、目を保護する為に透明な粘膜をまとっています。これは陸上の哺乳類で云う「涙」にあたる機能を持ち目を保護する役目を果たし、健康状態、水質により分泌の量も増減します。 人間と比べるとかなり丈夫な水晶体と、海水と同ような比重の眼球を持っており耐水圧性もそなえている訳です。別項でも述べましたが、かれらクジラ・イルカの体は祖先の良い所を活かせた事と、さらには海専用の機能も獲得したからこそ繁栄出来た訳ですね。 |
![]() ![]() ショーに参加するイルカやクジラを観察したところ、「おおよその目標近くにジャンプをし、最後に体をひねる事で標的物を捕らえている」個体を確認しています。 彼らは人間で言う「五感」の内「嗅覚・味覚」は殆ど使っていない訳で、脳のエコロケーション領域を省いても解析や学習の為に使われる脳の余裕は有ると考えています。もっとも脳の使われ方は野生下と飼育下では大分違うでしょうけど。 |
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イラストはハンドウイルカ/カマイルカの瞳。平仮名の「ひ」アルファベットの「U」の形をしています。おそらく水面近くで生活している彼らは「上からの日差しが眩しい」「下は暗い海中」が関係して瞳にひさしを付けたのでは・・と推測されます。ハゼ科のムツゴロウ瞳孔も「ハート型」をしており、他に水面近くで生活している魚類にも瞳の形に共通点がみられます。 参考として水底で餌を取る魚にもこのような瞳の形をもった物がいるとご意見いただきました。補食・防衛等どちら側に形状が優先されるかは解りませんが、同じ水棲である魚類と哺乳類のイルカの収斂のひとつなのでしょうか。 イラストでは解りにくいのですが、鯨類の目は一般に「ブドウ色」をしています。 |
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![]() ![]() ヒゲクジラの噴気孔は蓋と言うよりすぼめると言った方が近いでしょう。 左写真:ハンドウイルカの噴気孔 |
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噴気孔全開の図 噴気孔閉じる寸前(体沈みかけてます) |
![]() ![]() 但し大型のクジラの噴気が白く見えるのは気圧によるものと考えています。大型のクジラも小型のクジラも呼吸はホンの僅かな時間で行いますが、大型のクジラともなれば、もの凄い圧力で肺の空気を体外に排気摺るわけです。つまり肺の中で高圧になった湿った空気が外に噴出され、急激に温度が下がり含まれる湿気が霧状になる訳です。若干の水のわだかまりは小型のイルカと同じと考えて良いでしょう。(写真右:シャチ) |
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