口と採食・歯
Mouth and Feeding. Toorh.




ユーリノデルフィス(3000〜800万年)


口と採食

      
 肉を引きちぎる口と歯(オキゴンドウ)    魚を挟んだり、捕まえる口と歯        イカ大好物の口
 
 補食する物により形状は様々。●歯クジラ/アザラシやイルカ、クジラなど獣食する種は上下に大きな歯を持ち吻は短く顎も大きい。魚を補食する歯クジラ類(属に言うイルカ)は細かい歯を上下に多く持ちクチバシは長い。イカを主食にしている歯クジラは細い下顎にのみ歯を持ち、その顎は細くなる傾向にあります。大まかには「引きちぎる」「挟む」「つまむ」の三つに分かれていおり、主食となる餌生物に合わせて最適化しています。※シャチやイルカもイカ食べます。
 ●ヒゲクジラ/殆どがプランクトン/小魚を主食にしている為、口は大きくU字型ないしV字型。水面をさらうナガスクジラやミンククジラの口は上部に位置しています。水底の砂の中の小型生物を採取するコククジラの口は中央に寄っており、これは水底で横になって餌を取る様式からと推測しましょう。プランクトンの採食には大まかに「濾しながら食べる」「含んでから濾して食べる」の二つに分かれています。

 同歯列化しはじめた歯(ムカシクジラ) 同歯列化した歯 (オキゴンドウ) 歯が退化してしまった歯クジラの頭骨
 (左写真:国立科学博物館所蔵)                     (右写真:国立科学博物館所蔵)
 歯クジラ祖先は幾つかの用途に合わせた数種類の歯を持っていましたが、現世の歯クジラの歯は食性の変化により同じ様な形と機能に変化しています。※これを同歯列化といいます。例外として一部のカワイルカは「すりつぶし型」の歯を持っていますが。基本となる歯の数44本を境に、採食するモノの形状により数が増減している傾向にあります。(写真:国立科学博物館所蔵)
 アカボウクジラや、トックリクジラ、オオギハクジラ等に関してはもはや本来の歯としての機能を成さない数・形となり、主に雄同士のケンカやディスプレイに使われている様です。マッコウクジラなど下顎の歯しか使わず、上顎の歯は小さく数も少ない。生涯外に出る事はありません。※年齢を調べる際この埋もれて磨耗していない歯の年輪で調べます。
 ヒゲクジラのヒゲは歯ではなく歯茎が形を変えたもの。人間の爪と同じケラチン質です。補食するモノの大きさによりヒゲの長さや目の粗さ・細かさに違いが表れてます。「ふるい」ってヤツです。
※写真右上のトックリクジラ類は歯クジラですが「歯が殆ど無い」もしくは「無い」状態ですが、魚やイカを主食にしています。どうやら「吸い込んで補食」しているようです。
※写真右下は小魚を主食とするカワイルカですが、ことのほか長いクチバシと細かく数の多い歯を持っています。

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