マイ・ホビーズ・ミュージアム

面打ち 塗り仕上げ編 


@、能面の塗り、及び面相筆で使う道具。


A、面裏は砥粉をすり鉢で擦って色付けし、膠
液で溶いて3〜4回塗り、乾燥後に漆を塗る。
膠液濃度は☆1(下の欄外注記参照)

B、表面の塗りは下塗り胡粉に膠液を混ぜてよ
く練り上げ、筆に着いた胡粉が滴る程度の濃さ
に調整する。

C、塗って乾燥させる回数3回を1サイクルとし
て、乾燥させながら#180番のサンドペーパー
で均す。

D、1サイクルごとに乾燥後、#180番のサンド
ペーパーで均して全体に滑らかになるまで6〜7
サイクル繰り返す。

E、約6〜7サイクル後に滑らかに均して下塗り
が終わった状態。

F、上塗りは上塗り胡粉と下塗り胡粉を半々に
すり鉢に入れ、紅色と黄色で肌色を調整して膠
は下塗り用に使った物を2倍に薄めて使う。

G、胡粉が筆の先から糸状に流れ落ちる位の
状態に濃度を調整して、軟らかい平筆を使って
乾燥させながら2サイクルほどで仕上げる。

H、木彫り編の紙型7を使って頭のてっぺん中
心から両サイドに髪型を罫書き、墨を摺って塗
る。

I、墨を薄めて目を描き込む、なお、目の中央
の穴両サイドは境目をひし形に筆先で細かく横
線を罫書く。

J、墨で歯を塗り、完全に乾燥後#180番のサ
ンドペーパーで適度に横すり傷を着ける。

K、髪を充分乾かしてから髪の毛3本分の罫書
きをする、即ち、髪の毛間の墨を掻き落す(毛摺
り)

L、紅墨を膠液で下塗り胡粉を混ぜて摺り、赤
石墨で色調整して、口紅を塗る

M、眉毛は墨の粉を先端を切断した眉毛用筆で
ペーパーの上で濃さを調整しながら水を付けな
いで刷り込む。

 N、古色はカラメルを水で溶いて薄めに作る。

O、ターンテーブル上に面の下に木片等でせり
上げ、ぼかし印毛と金網で面を回転させながら
均一に側面に古色を吹き付ける。

P、完全に乾かした面に砥粉をやわらかいタオ
ルなどにつけてつやが出るまで全体を磨く。

Q、軟らかいタオルに胡桃の実を包んで木ハン
マー等でたたいて砕く。

R、砕いた胡桃を包んだタオルからにじみ出た油で表面全体を磨き、乾拭きをする。

S、編み紐を必要な長さに切って面の紐穴に通す。

Sa、後ろの中央で紐をまとめて蝶結びで結ぶ。
(注記)☆1、膠は通常三千本膠1本に対して水200ccの割合で湯燗して溶かして使う。

小面こおもて完成

節木増(平成23年5月)

手作りの面袋

胡粉塗り同時進行(平成22年11月)