概要

WiLLコンセプト第二弾。現行カローラベースのパーソナルワゴン。
現行セリカにも使用される1.8Lのエンジンを搭載し、トップグレードにはクラス最高レベルの パフォーマンスエンジンを搭載する、ホットな車だ。また、この度、1.5Lが新しく加わり、エ ントリーユーザーにも選べるラインナップを充実した。 WiLL Viから見ると硬質で,切れ味のよいクーペフォルムは見る者を圧倒するかの迫力且つ 斬新なデザインだ。次世代を感じさせつつもなぜか遠いあこがれをも感じさせる姿には、少年時代 の夢をラップさせるものが20代から30代の男性にはあるのではないだろうか?
まるで研ぎ澄まされたかのような斬新な存在感を持つWiLL VS。その個性を観察してみよう。 


外観

全体的に直線とソリッドな面を基調としながらも微妙な曲線を入れることで見る角度による表情の 違いを豊かに表現している。フロント中央部から広がるように5方向に広がるアクセントライン。 リアにはブーメランをかたどったようなウィンドウとリアバンパー中央にアクセントがあり、フロ ント中央のラインはルーフを経由し、ここに集結している。この中央のアクセントラインがフロン ト正面、リア正面、左右斜め方向から見たときの表情がかわる見事な演出に一役かっているわけだ。

WiLL VS FRONT WiLL VS・フロント部

WiLL VS REAR WiLL VS・リア部

フロントのヘッドランプとリアのコンビネーションランプのデザインは中央からサイドへ切れ上が るデザインと、変形五角形の中からともに丸形に点灯する事でコーディネートしているのだろうか ?鋭い輝きは、ねらった獲物は逃がさない何か野性的なものも感じられる。

HEAD LAMP UP ヘッドランプ拡大

TALE LAMP UP テールランプ拡大

カラーヴァリエーションは6色で,スーパーホワイトU、ブラック、ダークパープルマイカ、シル バーメタリック、ブルーマイカメタリック、イエローマイカメタリック。このたびの変更でWiLL  VSの少しダーキィなイメージを少し変えたが、個性的だがかっこよいのは今も群をぬいている。

WiLL VS FRONT UP 個性を主張するマスク!!

WiLL VS TALE LAMP 独特の雰囲気のテールランプ点灯状態!

写真は,WiLL VS 1ZZ−FE 4WD オプション装着車

ボディーカラーは,グレイッシュブルーメタリック(変更前のものです)


装備

全車ファブリック生地採用。ブラック主体の内装色となる。本革シートはオプションによる選択と なる。

ROOM FRONT フロント座席部

ROOM REAR リア座席部

後部座席開口部はデザイン優先もあって若干狭いが、実用レベル。空間も窓の開口部の少なさもあ って狭そうに見えるが、実際はそうでもない。余談だが、ラゲージルームから前を見るとシート裏 面に直線の帯があり、たとえば、後席を倒すと前席のラインにつながっているように見える演出も おもしろい。この辺りがWiLLのコンセプトこだわりだよね。

さて、ラゲージルームだが、サイズの車格的にはカローラ・フィールダーになるのでフルサイズ( 例:レガシィ・ツーリングワゴンやカペラ・ワゴンと比較するのはお門違いになる。)のワゴンより は当然狭い。しかし、デッキアンダートレイ(サブトランクの方が通じる?)やサイドフック、ラゲ ージルーム両サイドの収納スペース、6:4可倒式リアシートによるユーティリティは決して、不満 はない。スタイルにこだわりながらもこのユーティリティは逆に評価に値するのではないかと思えた。

LUGGAGE ROOM ラゲージルーム

計器は、赤い照明のオプティトロンメーターのアナログ表示式。まるで、レーダーを見るかのデザ インは非常に個性的でかっこいい。中央にスピードメーター,左にタコメーターというレイアウト。 視認性は良好。

METER 写真の精度が悪いのが残念!是非実物を見てほしい。

そして、今回目玉となる1つである、がらりと変わったセンターコンソール。中央部のアクセントラ インは実はフロント、ボンネットから続くアクセントラインとコーディネート。内装にも全体デザイ ンのコンセプトが生かされているのがよくわかる。さて、センターコンソールを見やれば、丸形のエ アコンコントローラーが目を引く。赤い照明で、計器類とデザインの共有をはかっている。又、オー ディオも赤い照明で全体の雰囲気を統一している。
その下を見やれば、ATシフトに驚き。センターコンソールパネルのATシフト部位は運転席側斜め に傾斜しており、シフト自身も航空機のスロットルレバーをイメージしたというアルミダイキャスト 成形シフトレバーを採用。2ZZ−GE搭載車にはスポーツステアマチックも装着するという運転す るに楽しみがわく試みが満載。あえて、MT車がないのもねらいの1つではないだろうか?
まさに、コクピット感覚でイメージを堪能できる運転席だ。

CENTER CONTHOL 写真は1ZZ-FE搭載車4WDのためオプション装着車

安全装備系では、GOAに加え、デュアルエアバッグ、ABS(アンチロックブレーキシステム)、 ブレーキアシスト、EBD(電子制動力配分制御)、ロードリミッター付きプリテンショナーシート ベルト(前席)、WIL(Whiplash Injuly Lessening:頸部傷害低減)コンセプトシート、頭部衝 撃緩和構造など充実。ドライバーのサポートもしっかり。但し、ドライバーの細心の注意力は絶対に 欠かせてはならない。

個性的であるが独自の世界を持つこの車の完成度は高いので現車の見学は是非おすすめしたい。


車種構成

搭載エンジンと駆動方式による区別で3グレードの設定。 シリーズトップのパフォーマンスモデル2ZZ−GEエンジン搭載の2WD(FF)は4ATと6MT の1グレード、実用重視の1ZZ−FEエンジン搭載の2WD(FF)4AT1グレード、同エンジン でVフレックス・フルタイム4WD採用の4AT1グレードと1.5Lの1NZ−FE(FF)4AT1 グレードの設定。
但し、6MT仕様はWEB限定のため、購入を検討し、見積もりがほしいときにはWiLL VSのホー ムページ http://www.will-vs.com/ をご覧ください。


おせっかい

では、興味がわいた、どのグレードから見たらいい?という人のために一つお節介。
ここは、WiLL VSのコンセプトを理解して考えないととんだ拍子抜けになるだろう。ただ漠然と使 い勝手を優先するのではなく、あくまで、この個性、雰囲気を楽しむくらいの余裕がなくてはこの車を選 ぶ意味がなくなる。あとで後悔するのも関の山だ。何よりもパーソナルクーペとステーションワゴンの高 次元の融合を楽しみたい。それでいて、走りたいときにぐっとくる攻めた走りができれば上々ではないか? という観点から見れば、やっぱり、2ZZ−GE搭載車(4AT:205.0万円、6MT:198.6万 円)には注目したい。1.8Lのワゴンとしては決して安いとは言えないが、そこは、この個性にかけた 購入をしたい。1ZZ−FE搭載車はレギュラー仕様のガソリンなので、維持的にもうれしい。でも、か っこよくて、個性的な車に乗りたいこんな人には1ZZ−FE(175.0万円)もおすすめ。
エントリーユーザー向けには1.5L(149.8万円)もある。


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