◆ 圧倒的な品揃えを破格値で楽しめる ◆
創業なんと大正12年。大阪市内では老舗中の老舗といっても過言でないほどの歴史をもつ、西成区にある久保酒店。そのお店が昭和63年に開いたのが、久保酒店立ち飲み処である。
現在閉店しております。
常連さんたちのたまり場として開いたというこの店は、常時200〜300種ものお酒をストックしている本店から徒歩30秒。しかもほとんど総てのお酒を注文できるという、圧倒的な品揃えを誇る立ち飲み処なのである。だから立ち飲み処なのに、スコッチやブランデーといったお酒まで並んでいるのだ。しかもこの店を切り盛りするおかんの気概なのか「ややこしいからほとんどのお酒を1杯300〜400円にしてんねん」と、まさに破格値で様々なお酒を楽しめるのだ。
お店の雰囲気も決して気取った感じはなく、昔ながらの立ち飲み処。来るお客もご近所さんや近隣で働いている人がほとんど。飛び交う話題も、天下論から下世話なネタまで多種多様である。酒の肴(さかな)も150円のおかきから焼き魚や野菜の煮物、フルーツなどの小腹を満たす程度の料理が10種ほど用意される。
「うちは西成の芦屋やからな」と飾らない笑い声が飛び交うこのお店。ちょっとディープなお店ではあるが、水が合えばきっと常連の仲間入りになること間違いない。実際、生駒や京都方面からもわざわざこのお店に足を運ぶ常連も少なくないのだ。昭和の香りが色濃く残るこんなお店はいかがですか?(石上 智章)
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