トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

御嶽山 (3067m 下呂市) 2023.9.1〜2 晴れ 7人

【1日目】
濁河温泉村営駐車場(10:40)→ジョーズ岩(11:41)→湯の花峠(12:09-12:41)→のぞき岩(13:22)→お助け水(14:15-14:24)→五の池小屋(16:24-16:43)→継子岳(17:09-17:20)→五の池小屋(17:45)
【2日目】
五の池小屋(6:55)→摩利支天山分岐点(7:27)→三の池分岐点(7:45)→二の池小屋(8:16-8:26)→剣ヶ峰山頂(8:59-9:17)→二の池小屋(9:45)→三の池分岐点(10:20)→五の池小屋(10:59-12:36)→のぞき岩(14:29)→湯の花峠(15:19)→ジョーズ岩(15:36)→濁河温泉村営駐車場(16:41)

【参加者】NARI、TOMU、NAO、NABE、NAKA、RAKU、RAKU-N

★9月1日、2日に御嶽山に登山部7人で登ってきました。
★濁河温泉小坂口登山口をスタート。
★ジョーズ岩を経て湯の花峠で昼食。
★のぞき岩避難小屋、お助け水で休憩して森林限界に入り五の池小屋に到着しました。
★五の池小屋にチェックインして、空荷で継子岳をピストン。
★五の池小屋でピザ付きの豪華夕食をいただき、持ち寄ったたくさんのお酒で懇談。
★日の出前に起床して、強風の中、美しいご来光と雲海に感動。
★朝食の後、最低限の荷物を持って、剣ヶ峰を目指しました。
★三ノ池乗越から賽の河原を横断し、火山灰に埋まった二ノ池を見ながら剣ヶ峰山頂へ。
★山頂からは360度の大展望を楽しみました。
★五の池小屋に戻り、テラスで雑炊を作って昼食。
★往路を下って濁河温泉に無事下山し、露天風呂で汗を流しました。
★いろいろなハプニングがありましたが、天気に恵まれ素晴らしい山歩きとなりました。


 2014年9月27日に大規模な噴火が起きた御嶽山は、噴火後、立ち入り禁止が続いていた登山道「八丁ダルミ」が7月29日に規制が解除された。これにより、わが登山部で以前から計画していた御嶽山登山を決行することに。

 登山の目的は五の池小屋に宿泊して名物のピザとアップルパイを食べること。7月には土日の宿泊がすでに満室になっていたことから、9月最初の金曜日の宿泊を予約。登山部からは7人が参加することになった。
 
 登山計画は、金曜日の午前中に濁河温泉をスタートし、継子岳を登頂。五の池小屋に宿泊して、翌日は剣ヶ峰に登り濁河温泉に下山する1泊2日の行程。
 
<1日目>
 金曜日の早朝、車2台で関−金山線から国道41号線を北上。旧小坂町から御嶽山の標示に従って国道を左に外れ、突き当りを右折。国道の下をくぐって濁河温泉を目指す。濁河温泉まで38kmの表示。

 しばらくは集落の中を走るが「ひめしゃがの湯」の分岐を過ぎた頃から谷川に沿って山の中に入る。鈴蘭高原スキー場と濁河温泉への分岐を右へ。ここから、1.5車線ほどの道になる。途中の展望地で御嶽山を眺める。雲もなく、天気は問題ない。

 高山・秋神温泉の分岐を通過し、大きな旅館が建ち並ぶ濁河温泉街に入り、温泉街を一番上まで登り詰めると登山者用の駐車場がある。かなりの車が停まっているが、駐車スペースは十分にあった。登山口にあるバイオトイレに寄り、ボックスに登山届けを提出。以前は、草木谷にかかる橋を渡り仙人滝方向に歩いたが、このコースは現在は災害により通行止めとなっており、新しいコースができている。

 予定よりも1時間ほど遅れてスタート。案内に従って舗装された道を進む。すぐに右側に登山口が現れるので、ここから山道に入る。丸木階段のあるコメツガの樹林帯の中の道を緩やかに登る。足元には赤い実をつけたゴゼンタチバナが見られた。
 
 40分ほど歩いたところで以前の道に合流。ここに9番のプレートがあり、飛騨頂上まで42枚のプレートがある。鉄枠で囲まれたお社を見てジョーズ岩を通過。セリバシオガマやハリブキ、カニコウモリなどを見ながら標高を稼ぐ。
 
 15番プレートを過ぎたところで御嶽山を見上げることのできる湯の花峠に到着。ちょうど正午を回ったところであり、ここで昼食。各自、持参したおにぎりなどを食べて休憩。
 
 昼食後、峠をスタート。蛙岩を見て20番プレートを通過。10分ほど歩いてのぞき岩で休憩。ここからも巨大な御岳山を望むことができる。以前は壊れかけた小屋があったが、今はコンテナのような小屋になっている。
 
 美しい林を楽しみながら登っていくと、29番お助け水のプレート。すぐ上の小広場には雷鳥の彫刻をした表示板がある。しだいに木々の背丈が低くなり森林限界に近づいてきた。
 
 先頭のRAKU-Nに足がつるなど高山病の症状が出て、頻繁に休息しながらスローペースで登る。ハイマツに囲まれた石のごろごろした歩きにくい道を登っていく。ナナカマドの赤い実が美しい。振り向けば木に邪魔されることなく180度の大展望が広がり、幾重にも重なる山並みが美しい。
 
 岩の上のお地蔵様や遭難碑を見ながらハイマツのジグザグ道を超スローな足取りで登っていく。予定よりも小屋に到着する時間が遅くなるので、五の池小屋に電話を入れた。トウヤクリンドウやイワギキョウ、イワツメクサの花に癒されながらハイマツ地帯を抜ける。前方に小屋が見えるが、なかなか近づいてこない。
 
 左斜面の裸地にコマクサの群落が現れた。まだ花が残っているものもあり、写真を撮りながら登る。小屋に向かって一直線にトラバースして飛騨頂上へ。そして五の池小屋へ。
 
 まずはチェックイン。日が暮れる前に継子岳に向かう。お社に参拝して、空荷でお社の横から稜線を歩く。ガスが沸き上がって、継子岳の山頂が見え隠れする。四ノ池を右下に見ながら北方向に岩の多い稜線を歩く。道はなだらか。
 
 尖った岩が乱立する針の山を通過。継子岳の丸い山頂が次第に近づき小屋から30分ほどで継子岳山頂に立った。ガスに覆われたり消えたりする山頂で記念撮影。南にはガスの切れ間から明日に登頂を予定している剣ヶ峰が遠くに見える。剣ヶ峰の雄大な光景を見ながら登ってきた道を下った。下山途中にNARIさんが転倒して足と顔に擦り傷程度の負傷。
 
 小屋に戻って、お社の前で記念撮影。夕食は2グループに分かれ、我々は後半。全員がまとまってテーブルにつき、ビールで乾杯。旨豚の塩麹ステーキなど美味しい料理に感動。
 
 薪ストーブで焼いた名物ピザが全員に配られ、美味しいピザを食べて1つめの目的達成。夕食の後、その場で2次会に突入。それぞれ持ち上げたお酒とつまみで山談義して、大いに盛り上がり1日目が終了。

<2日目>
 5時に起床。アウターを着て山小屋の外に出ると、摩利支天岳の上に少し欠けた月が輝いている。東の空がオレンジ色に輝き、上空の薄い雲がピンク色に染まっている。雲が谷を埋め、雲海が素晴らしい。

 風が強く寒いが、大勢の登山者がご来光を待っている。ご来光はちょうど八ヶ岳の向こうから出始めた。雲で遮られることもなくオレンジ色の太陽がゆっくりと姿を現す。最高のご来光を見ることができた。
 
 山小屋に戻って、朝食。名物のアップルパイを剣ヶ峰下山後に食べられるように予約して、剣ヶ峰に向かう。最小限の荷物をサブザックに入れて小屋をスタート。南にある摩利支天岳分岐のあるピークに向かって登る。
 
 振りむくと五の池小屋とその後方にある継子岳が美しい。まだ雲海が残っており、三ノ池が太陽の光を銀色に反射させている。岩だらけの道をジグザグと登って摩利支天岳への分岐点に到着。
 
 前方には今まで見えなかった巨大な噴火口と剣ヶ峰が姿を現す。これから歩く賽の河原や二の池小屋への道も見える。南東の尾根に向かって下りお社と小屋、登山ルート案内図のあるところから賽の河原へ下りる。
 
 賽の河原はいくつものケルンが立ち並び、ケルンの間の迷路を横切りハイマツ帯を抜けて二の池小屋の新館、そして二の池小屋に到着。小屋の前にある二ノ池は噴火により真っ白な火山灰に埋まって水は全くない。
 
 小屋の前で小休止の後、変わり果てた池の横を通って、石仏を見ながら稜線に出る。剣ヶ峰と大滝頂上への分岐点から、剣ヶ峰方向に向かってザレた道を右山で登る。剣ヶ峰山頂が次第に近づいてくる。
 
 山頂直下にはシェルターが3つ整備され、その隣には、噴火災害慰霊碑がある。慰霊碑に手を合わせ、山頂への階段を登って鳥居を潜った。大勢の人で賑わう山頂で記念写真を撮って御嶽神社に参拝。山頂からは360度の展望があり、長野県側から登ってくる人がアリの行列のように小さく見える。頭を出した富士山もよく見える。
 
 30分程山頂に滞在して登ってきた道を五の池小屋へ向かう。二ノ池小屋新館に寄らず二ノ池小屋から真っすぐに賽の河原に下りて登り返しお社のある場所へ。ここから往路とは違う三ノ池へのコースに入る。
 
 眼下に三ノ池の青い水面を見ながら急な斜面を滑らないように慎重に下ってトラバース道へ。オオヒョウタンボクの赤い実を見ながら、左山でハイマツの道を歩いて五の池小屋の手前に出た。
 
 小屋のテラスでコーヒーを沸かし、予約しておいたアップルパイを美味しくいただく。昼食はパックご飯で雑炊を作った。小屋の前で集合写真を撮って下山開始。ガスが沸き上がる中、ジグザグとハイマツの中を下る。NARIさんが昨日の転倒で負傷した足が痛むようで、ゆっくりと下る。
 
 おたすけ水、のぞき岩、湯の花峠で休憩しながら、4時間かけて超スローペースで下山し、町営露天風呂の閉店5時直前に滑り込んで汗を流した。
 
 久しぶりにグループで3000m級の1泊登山を楽しむことができた。噴火後の御嶽頂上付近の様相は大きく変わっていたのには驚いた。改めて噴火で亡くなられた登山者の方のご冥福をお祈りします。
★御嶽山からの展望

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