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神宮雅楽講習会

2002年の6月5日から10日まで神宮雅楽講習に雅楽会のメンバーと一緒に参加してきました。5日間に渡って神宮楽長をはじめとする神宮楽師の先生方に雅楽を教えて頂きましたよ。受講者は北は岩手、南は沖縄と全国から集まっていて、また初心者から指導者クラスの人まで幅広い層が参加している事にビックリしました。私は龍笛のクラスに参加したのですが、その他、笙・篳篥・祭祀舞の4つのクラスがあり、それぞれ初心者〜中級手前のクラスと中級〜上級のクラスに分かれて先生に指導してもらいます。今まで京都という限られた所でしか雅楽に関わっていなかった私にとって、今回色んな人達と交流できた事はとても素晴らしい経験でした。

 

2003年の講習会の時に撮った写真00神宮道場正面玄関00

初日と最終日を除き、朝9時から夕方16時まで神宮会館の部屋でみっちり練習しました(今年はいつも会場になっている神宮道場が改修工事の為、神宮会館で講習会が行われました)。夜は21時までは自主練習もOKなので講習期間は正に雅楽漬けの日々です。でも、自主練習は勿論強制ではないので夜は仲良くなった人同士飲みにいったりロビーでおしゃべりしたりとくつろいでましたよ。9日にあったワールドカップの日本対ロシア戦は、講習で仲良くなった人達と浴衣姿で熱い声援を送っていました!【今回の講習模様が 伊勢新聞 に載りました】

私がいたクラスの先生はT先生という方で、懇切丁寧に教えていただきました。先生はいつも笑顔の非常に優しい方です。講習中に習った曲は平調の越天楽・五常楽・鶏徳・倍臚の4曲です。今まで何回も吹いていた曲ですが、更に細かい指の使い方や、龍笛独特な微妙な音の違いを教わりました。今回の講習での成果は、龍笛の穴の開閉は本来指の腹で押さえるのですが、私は指先で押さえる悪いクセがあると認識できたこと。それと、五という音階に下無(基本の音)勝絶(低い音)があるということがあり、どうやって吹き分けるのかが判った事です。

雅楽には曲を声に出して歌で『唱歌』というものがあります。これは、これをマスターしないと雅楽を演奏する事はできないと言われている程重要な物です。雅楽を習い始めた頃はこれが難しく、なかなか歌えませんでした。今では何とか歌えるようになりましたが、まだ一人で歌うと微妙に音程が狂います。唱歌についても先生は繰り返し私達に歌わせ、間違えを指摘してくださいました。千唱万吹(せんしょうばんすい)【千回歌い万回吹くと自ずから技はひらく】という言葉が示すとおり、楽器を吹く練習と同じくらい唱歌を歌う練習も大切だと言う事ですね。

最終日には神宮にある参集殿で雅楽奉納する事になっているので、その練習として3日目からは笙・篳篥のクラスとの合奏練習が入ってきます。合奏練習ではお互いの楽器との兼ね合いがポイントです。幅広い音律を持つ龍笛は、主旋律を吹く篳篥に装飾音として彩りを加える役割を持っているので篳篥の旋律をよく聞かないといけないし、笙の手移り(笙を吹くときの一つの技法)を聞いてから龍笛と篳篥が出ないといけない所があったり...たまにフライングなんかしたりしてました。とにかく自分の楽器以外の音に耳を傾けないとバラバラになるんです。耳が2つじゃ足りないわ〜。

合奏は龍笛だけで吹いているよりも大変でしたが、とても楽しいものでした。それぞれの楽器の旋律が一つになる事で「『雅楽』と言う独特の音楽が出来ているのが良くわかり、雅楽をしている実感が湧いてくるんですよね。本番の雅楽奉納では練習の成果があったのか、先生に褒めて頂きましたよ。雅楽奉納で演奏している時、子育てで忙しく舞台の周りを飛び回っているツバメがいました。『雅楽』というある意味静寂にも似た音の中、忙しく飛び回るツバメ。。。最近鳥にハマッテいる私にはその対比がとても印象深かったです♪

龍笛・3と神宮雅楽講習会

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