「炎のロマンス」(フラワーコミックス全9巻、講談社漫画文庫全5巻)に収録

 

地図にものらない秘境の国のかくされた秘宝と王位をめぐり

二人の王子が激突する!!

あっというまに争いのまっただ中にたたされた日本の少女!!

そのゆくえは?

1975年26号週刊少女コミック「炎のロマンス構想開始」より

 

 

<ストーリー>  <登場人物>  <「炎のロマンス」あれこれ>

 

 

<ストーリー>

あこがれの敬さまと同じ高校に入学した亜樹。
入学初日に、同じクラスになった須田くんが、親友のまゆみにプロポーズしたため、敬さまに失恋してしまった亜樹は、なぜか須田くんが金髪で青い目をしていることを知ってしまう。
ひとつ年上で謎めいた彼を好きになってしまう亜樹。須田くんからも告白され、二人は恋人同士に。
だが、突然、彼は学校を休むようになった。ある日、須田くんの住む所を訪ねた亜樹は、何者かにさらわれてしまう。

目覚めたら、そこは南太平洋の孤島「コーラル王国」だった。
この島を守れるのは黒髪の女王だけ・・・そう言い伝えの残るこの国へ、亜樹は女王になるために連れてこられたのだった。
この国の二人の王子のひとり、ルイ王子の花嫁として。
「日本へ帰りたければルイに頼みなさい」王妃に言われ、ルイのもとへ。
そこで須田くんと再会する。
実は、須田くんは、この国のもうひとりの王子のレドビィだった。
亜樹を王位争いにまきこみたくない、そんな思いから連れてこなかったレドビィ。
だが、ルイとサモイのたくらみで、亜樹はこの島へ連れてこられてしまったのだった。

レドビィは必ず日本へ帰すと、亜樹に約束する。
ルイが国王から結婚の許可を得るために開かれる晩さん会の日に、島からの脱出を試みるが、ルイに見つかってしまい、レドビィは花嫁をねらった暗殺者として捕らえられてしまう。
この晩さん会が終わったらルイと結婚されられてしまう・・・亜樹は日本の法律をもちだして結婚を延期させる。

レドビィの裁判で国王がくだした判決は−死刑−。と共に国王は崩御。
死刑が禁止されているこの国でのこの判決は、国王が最愛の息子におくる最後の親心でもあった。
国王の他界とレドビィの実刑判決で激しくなりつつあった国内の争いを静めるために、国王の喪が明けるのを待たずして、刑が執行されることとなった。
だが、レドビィの刑の執行は亜樹によって中止され、ルイの片腕になることに。

レドビィの城へ移り住むことになった亜樹とルイたち。
亜樹は、城内の泉で水浴びをしている黒髪の女性を目撃する。
あの女性を見つけてルイと結婚させよう・・・亜樹の黒髪の女性探しが始まった。
しかし、レドビィから、この国には亜樹以外の黒髪の人間はいないと言われてしまう。

亜樹を日本へ帰すために協力を得ようと連絡をとっていた、タヒチに住む友人ハルウとようやく会えたレドビィは、事情を話し、脱出計画をたてる。
脱出の日は、亜樹とルイの結婚式の前日に決まった。

「王位を横どりしたのはレドビィのほうだ!!」
ルイはあかずの間の肖像画は自分の母で、14年前にレドビィの両親に殺されたと話す。

このコーラル王国にふたごの王子がいた。
この国のあととり王子は17歳になったら、日本へ花嫁を探しに行く。
体の弱い兄王子の代わりに日本へ行った弟王子は、数ヵ月後、一人の女性をつれて帰ってきたが・・・・。
兄王子は金髪の島娘と恋に落ち、黒髪の女性と結婚しなければならないおきてを強引にやぶって、彼女と結婚した。
弟王子もいつしか黒髪の女性と愛し合い結ばれた・・・・。
そして同じ頃、子供が生まれた。
兄王子に生まれた子がレドビィで、弟王子に生まれた子がルイ。
みんな仲が良くて幸せだった日々。
その幸せは、当時の国王の死とともに崩れ去り、時期国王の座をめぐって国が二つに分かれ、争いが起きた。
その争いは、弟王子と黒髪の妻の死によって終わった。

小さなときから独りぼっちだったルイ。
レドビィから何もかも奪ってやる・・・・いつしかそんな野望を抱くようになっていった。

結婚式前日、予定では脱出は夜中だったが、トラブルのため早まり、役人を引きつけるために、黒髪のハルウがおとりになるが殺されてしまう。
この国では、女王以外の黒髪の人間が生きることは許されないことを知り、亜樹はショックをうける。
何とか船までたどり着き、乗り込もうとする亜樹に、レドビィはこの国の女王になってくれと言う。

一生涯・・・心に決めた花嫁は亜樹一人・・・・
オレの愛 オレの命 オレの一生
オレのすべてをかけて見守ってやる!!

亜樹を乗せた船は島を離れるが、女王を逃がした罪は死刑だと気づき、女王になるために島へ戻ってくる。

レドビィの言葉を信じて、自分の幸せより女王として生きることを決めた亜樹。
ルイとの結婚式の後に行われた戴冠式で、コーラル王国の正式な女王となった。

−女王亜樹誕生−

女王誕生により、国王代理の役目を終えた王妃は城を出ることに。
レドビィと一緒に王妃を送り届けた場所は・・・・迷い込んだら二度と出られないと言われている樹海の先にあった。
黒髪の人々が住む黒髪村。王妃はこの村の出身だった。

亜樹は、女王としてすべきことをまとめ、国会へ審議案として提出するが、暗黙のうちに破棄されてしまう。

1.黒髪の女王は亜樹の代をもって廃止する
2.女王以外の黒髪の人々も生きる権利がある
  よってこれらの人々を殺めた者は殺人罪とする
3.結婚の相手は自由に選んでよい
4.学校を作る

最高政務長官のサモイに無視され、最高政務次官のケネスの力を借りて開かれた国会では、学校を作ることだけを提案し、成立させることができた。
学校設立責任者に任命されたレドビィを中心に、学校作りが始まった。

ルイとサモイは、亜樹が言うことを聞かないのはレドビィが側にいるからだと、レドビィに結婚命令書を出して調印するように言う。
「あなたたちの言いなりにはならない!!」と言い張る亜樹に対して、サモイは刃を向けるが、ルイがかばってケガをする。
負傷したルイを楯にとられた亜樹は、仕方なく命令書に調印するが、レドビィたちは命令書を受け取らず、結婚制度廃止を訴えたために、反逆者として捕らえられてしまう。
サモイは結婚制度の廃止と引きかえに、樹海の中にそびえ立つ神の山への祭壇作りを条件として出す。

亜樹は、神の山へ向かうレドビィに、日本から身に付けてきたお守り代わりのブレスレットをわたす。このブレスレットは、いつかレドビィの部屋から何者かによって持ち出されたものと同じものだった。
サモイが神の山に祭壇を作りたかったのは、そこを拠点として秘宝を探すためだった。
    −南太平洋の国々を征服して帝王になる−

サモイにうらぎられたルイは、亜樹への気持ちに気づき、レドビィを忘れて身も心も本当の花嫁になって欲しいと告白するが・・・・。

わたしはおまえのためにどんなことでもしよう
おまえの望みに力をかそう

それがたとえ結ばれぬ恋でも・・・・
レドビィ!!
あなたがいるからあたしは生きられる!!

あかずの間の肖像画を完成させたいと申し出る作者のジナ。
亜樹の説得により、ルイは絵を仕上げることの許可をする。

サモイの野望はますます強くなり、島中の人々はいくさにそなえてヤリの練習に励むようになった。
サモイの野望をくいとめてこの島の平和を守り、そして黒髪の人々の命を守ること・・・でも、一人では何も出来ない名ばかりの女王。
亜樹はルイの妻になる決意をする。

−女王以外の黒髪の人々にも平等に生きる権利を与えるよう要求します!!−

亜樹の望みをかなえるためにとった、ルイの命がけの行動によって、数百年にのぼる黒髪迫害の歴史に終止符が打たれた。

ついに、ルイの母の肖像画が完成した。
その絵の人物は亜樹の母でもあった。
兄妹かも知れない・・・・二人は真実を確かめるために、王妃のいる黒髪村へ向かった。
黒髪村では、王妃から、ルイの母なつこが日本から持ってきたというアルバムを見せられた。同じ写真が、日本にいる亜樹の母のアルバムにもあったのだった。
この国では近親相姦の罪が一番重い・・・・。
神殿が完成するまでの数日間、この村に留まって欲しいというレドビィを振り切って、ルイは一人で城へ戻って行った。

ルイが樹海の中に亜樹を残して帰ってきたことを知ったサモイは、女王が行方不明と聞いて集まった国民たちに、「女王はこの国を捨てて日本へ帰った」と告げ、思いどおりになる娘を探すためにタヒチへ向かった。
タヒチに着いたサモイは、いつか食料補給のためにコーラル王国に立ち寄った朱里たちとぐうぜん再会し、朱里に女王になったら秘宝を山分けすることを約束し、承諾を得る。
実は、朱里たちは、世界中に指名手配をされている大密輸団だったのだ。

ついに神殿が完成した。
レドビィが神殿の完成を王妃に報告にいっているうちに、黒髪村の人たちに亜樹が女王であることがばれてしまい、岩ろうに入れられてしまう。
城へ戻ったレドビィは、亜樹たちがまだ戻っていないことを知る。
そこへサモイが朱里をつれて帰港。
明日の正午に行われるルイと朱里の結婚式までに、亜樹を探し出さなければ、この国には女王が二人いることになってしまう。

その頃、亜樹は、かつて助けた少年によって岩ろうから抜け出すことが出来たが、すぐには村を離れず、真実を確かめるために王妃のもとへ。
ルイの両親を殺したのは王妃たちではないこと、育ての親であるサモイによって王妃たちは親のかたきだと教え込まれたこと・・・・。
王妃はルイの誤解を解くために山を降りることに。
そして、村の長老からは、重大な秘密が明かされる。
レドビィとルイは生まれたときに入れ替わったと。
    −なつこの子はレドビィ!!−

城に着いた亜樹が見たものは、戴冠式を終えた朱里の姿だった。

 

究極のジェットコースターストーリー。
このあともまだまだ、亜樹、レドビィ、ルイたちにはいろいろなことが起こります。
3人の運命は・・・。ぜひ本編のご一読をお薦めします。

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