戦前の国防科学雑誌「機械化」に掲載されていた未来兵器「怪力線戦車」です。画は有名な小松崎 茂によるものです。版権の問題は無いと思いますが、クレームがあれば削除します。
 文中の怪力線ですが、まだレーザーは発明されていませんのでマイクロ波による攻撃兵器でしょうか?鉄甲真空管はメタルチューブ、電光送信真空管はマグネトロンをイメージしたものと思われます。それにしても、こんな大きな真空管が目の前にある兵士は暑くてたまらないでしょうね。しかし、テレビ画面で操縦及び射撃管制を行うのは現在の戦車と同じで、この辺は先見の明があります。その割に車体形状がドイツ3号戦車と日本の97式(89式?)の組み合わせで出来ているのが泣かせます。

 個人的にこの手の”ノリ”が好きです。’60〜’70
年代の少年雑誌にも多く見られたように記憶していますが、最近はまったく見られなくなりました、今の子供は未来にどんなイメージを持つのでしょうか?


 「機械化」 昭和17年6月号 第19号です。手元にはこの一冊しかありません。「機械化」はこの手の未来兵器で有名な雑誌だったらしく、かの”ヒトラー”がお気に入りでドイツまでわざわざ取り寄せ執務室で眺めて楽しんだと云う話を何かの本で読んだ覚えがあります。(この話が何の本に載っていたか思い出せませんが、信じ難い話です。)内容は上記のような色物ばかりではなく、きな臭くはありますが比較的真面目な科学雑誌です。

 最近は絶滅してしまいましたが、’80年代に科学雑誌ブームがありました。U−tan?、科学朝日(まだ有る?)、その他名前は思い出せませんが10冊近くあったのではないでしょうか?そのなかでもメカニックマガジンはこれに近い”ノリ”があったので好きでした。実家にはまだ20冊ぐらい残っているはずです。突拍子も無い話のようでもその気にさせる裏付けらしきものがあり、それでいて深み(幻想?)には入りこまない、読者との暗黙の了解の上に成り立つ内容。現実にちょっと脚色して夢を作り、現実に束縛されず、現実から遊離しない。受け入れられる粋な人が少なくなったためか、こんな話は最近は少なくなったような気がします。常温核融合はかなりの”ノリ”だったのですが、すぐしぼんでしまいました。(ちょっとブラックかな?) ボンズ博士は今どうしているのでしょうか?
 話が飛躍し過ぎかもしれませんが、プロレスが衰退したのもこれと同じかもしれないと思っています。プロレスはレスラーと観客の間に暗黙の了解があって、格闘技を楽しむSHOWだった筈です。(異論のある方は大勢いらっしゃると思いますが、個人的意見ですから勘弁してください。) 決して本気で戦わず観客を楽しませながら強いものは強い、ブルーザーブロディーは最高でした。(本気を出したら相手が死んでしまいます。)それなのに、プロレスは最高の格闘技だの真剣勝負だの無粋なことをいってSHOW性を失ってしまいました。(真剣勝負ならボクシングが限界であって最高と思います。)
 歌舞伎の黒子も見えないものとして楽しむのも、これに通じるのではないでしょうか? いよいよ発散してきましたので、これでおしまい。