12.8MHzのTCXOを源発振としてTC9198で200HZの信号を作ります。74HC123で可変幅のパルスを作り、出力段のパワーMOSをスイッチングして擬似正弦波(100%Dutyでない矩形波)を作ります。今回の製作では新規購入部品はフォトカプラぐらいで部品箱の整理をしながら作ったのですが、そのため、TC74HC123Pのデータブック見ながらモノマルチのCR値を決めていて、実際使った物にTC74HC123APを使ってみたら、パルス幅が予定の半分しかなく、あわてて100KΩを追加しました。後でA版のデータブック見るとA無し版の約倍のパルス幅になってました。こんなとこ変わっていないだろうと思い込んで部品定数を設計していましたが、思い込みは危険です。
 元電源は100Vを直接整流して約140Vの直流を作り、J117とK310でスイッチングして100V50Hzを作ります。これも古いMOSTrなのでONさせるのに10Vぐらいのゲート電圧が必要ですが、定電流ダイオードとツェナーダイオードで作り、フォトカプラでON,OFFさせます。74HC123のパルス幅を調整して出力電圧を100Vに調整します。
 ロジック用5Vはコンデンサで分圧して三端子レギュレータで作りました。始めは手持ちの小型のトランスで変圧する予定でしたが、作っているうちに置く場所が無くなって、コンデンサによる分圧に挑戦しました。大電流は扱えませんし、設計も良く分からないので実験で部品定数を決定しましたが、思った以上にうまく働きました。これにより完全トランスレス回路で実現できました。右上のリレーはマツダ電気時計のためのものです。もともとタイマーですから時間により電源がON,OFFするわけでが、出てくるのはこの回路の作る100V50Hzの電圧ですし、危ないのでリレー動作させて、こちらでタイマー出力を制御しています。計画倒れ開発品で作ったAC−ACインバータと異なり発熱はまったくと言って良いほど無く、一番熱くなるのは三端子レギュレータです。160×100×38mmのプラスチックケースに納まりましたが、まったく問題ありません。