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03NHK杯in旭川 11月29日11月30日

男子FS


Brian JOUBERT(FRA) 中国大会でつぼにはまった「マトリックス」のプログラム。でも今回は、ジャンプのみならず全体的にいまいちに感じました。ステップもちょっと足取りが重かった。振付は凝っていて、スピンもステップも工夫してあるけれど、まだ踊るのにいっぱいいっぱいな感じです。シーズン後半にはもう少しこなせるようになって欲しい。

Song GAO(CHN) 何が凄いってジャンプが凄い。軽々と、綺麗に跳んでました。ただ、曲が「仮面の男」だとどうしてもヤグディンと比較してしまうので印象が悪い(ステップの部分は特に)。つなぎの部分も、両腕を上に伸ばしてただ滑っているだけというのが多かったです。せっかくジャンプが凄いんだから、もう少し振付に工夫があればなあ、もったいない。

Jeffrey BUTTLE(CAN) スピンが更にパワーアップ。長野オリンピックエキシビで見たときよりも更に上手くなっていてびっくりした。最後のスピンはどうやったらあんな動きができるのか!高速スピンで頭の位置を動かすとあんな風に見えるとは知らなかった、面白い。逆回転スピンも、順方向のスピンとスピードが変わらないくらい早くなっていたし。ジャンプもそれなりに成功。それにしても構成点(ジャンプではなく、スケートの技術や振付などの評価)がもの凄く高いのはさすが。

Timothy GOEBEL(USA) 直前のウォームアップでは、トリプルアクセルが全然決まらなくて何度も練習。本番ではきれいに決めて「さすが本番に強い!」と一瞬感心していたら、次のジャンプで転倒…。体調不良だったらしいと後になって知りました。ジャンプが不調だったのと、スピンの時の猫背が何だか気になってしまった。逆に、ステップ結構上手いことに気付きました。北米系の選手はスケーティング軽やかなイメージがあります。


 男子は全体的にジャンプ失敗が多かったです。日本人選手の2人も…見ていて切なくなってしまいました。うう、最下位とブービーというのは応援していただけにちょっと淋しい。逆にジャンプを決めまくっていたのは中国選手。会場も拍手喝采(そりゃこれだけみんな跳べない中で跳べば自然と声援も大きくなる)。芸術性とかも必要だけど、やっぱりスポーツでもあるので、ジャンプ跳んでなんぼ、というのも感じます。一方で、近くに座っていたおそらくSong Gaoファンの方が「いくらジャンプ決めても構成点の差で絶対に勝てないから切ないなあ」と嘆いておりましたが、確かにそうかも。旧採点方では各審判が順位をつけるから、表現力を下げるにも限界がったと思うし、ジャンプが全然駄目だった人に良い順位を付けるのも抵抗がありそう。でも新採点は合計点がものを言うから、構成点の評価が元々低い人は厳しそう…。

エキシビション

 昨シーズンのNHK杯のようにミニエキシビションは無かったです。ちょっと残念。そして同日開催のため男子シングルはエキシビ出場選手が空欄になっていたんですが(まだ順位が決まっていないから)、予定より一人分少なくなってました。あれは5位の選手用の位置だったのか、日本男子選手が良い出来だったらエントリーさせる位置だったのか…。


Brian JOUBERT(FRA) 「黒をテーマにしている」とかで、黒い衣装で登場。でも男子シングルって黒衣装多いから新鮮味に欠けるというか。振付も黒を表現するってどんななんだかよく分からなかったです。…村主さんの「Paint it black」のほうが黒をテーマにしてるのが分かるような(使用曲のせいもあるだろうけど)

LANGLOIS / ARCHETTO(CAN) 女性が体を横に倒した状態で飛び跳ねて、それを男性が横抱えに受け止めるというリフトに驚いた。競技中には見たことがないから、ルールで禁止されているリフトなのかな。アンコールの時もこの横ジャンプ+キャッチをしていました。ペアの演技は本当に迫力がある。

Galit CHAIT / Sergei SAKHNOVSKI(ISR) 「Unforgettable」、03年長野世界選手権でのエキシビと同じ曲・衣装でした。チャイトのショッキングピンクのスカートがサフノフスキーの顔に被さってきたとき、振り付けのついでに払いのけてたのが可愛かった。

Elena LIASHENKO(UKR) スパニッシュ風。途中で黒い肘までの手袋を外して、それを使っての演技がかっこいい。スピンの時背中越しに使うのが好きです。こういう表現をするところがベテランぽくていい味だしていると思います。

PETROVA / TIKHONOV(RUS) タンゴ。あまり演技をしないイメージがあるので、こういうコテコテの演技をされると新鮮でした。ちなみにアンコールに応えるまでの間にティホノフが日本語で挨拶。昔日本人の女の子とペアを組んでいたので日本語が分かるらしい。

村主章枝(JPN) 「浜辺の歌」、曲調は昨年のエキシビションのカノン(?)に似ている。4つの角にそれぞれ挨拶に行くような構成になっていて(そして一旦止まってお辞儀をする)、そのたびに客席から拍手が。こういうエキシビ用プログラムは和んでいいわー。村主さんも競技中よりずっと可愛い笑顔で、本番の時もこういう表情ができればいいのになあといつも思います。ジャンプも安心して見ていられるし、リラックスしていると違う。

DENKOVA / STAVISKI(BUL) リンクから出ようとする村主さんを邪魔するスタビスキーも演技の一部のような感じでした。1曲目はシャキーラの曲(多分)。デンコワがかなり踊っていてスタビスキーもブレイクダンスもどきをするし、アイスダンスの選手はやっぱり踊るのが上手いです。当たり前といえば当たり前ですけど。余談ですが、どこかで聞いた曲だと思ってリリコ(仮名)に尋ねたが、彼女も同様に思い出せなかった。ようやく思いついたのは「何か脱いでるときに使ってる曲だった」とのこと。それを聞いて、キャンデロロのFOIの時に、フラフープを使って演技をする人が使っていた曲だということをようやく思い出せませた。フラフープを投げる→脱ぐ、という発想はどうよ。アンコールでの2曲目は、以前見たことのある酔っぱらいのプログラム。これも好きなプログラムですが、いつか昨年のOD(中世舞踏会)をエキシビ用として披露して欲しいなあ。

Jeffrey BUTTLE(CAN) ショートプログラムと同じ演技。スピンは本当に凄い。何回目かのアンコールの拍手が結構あったのに、そのままフィナーレになってしまったのが残念。放送の都合なのかなあ。


 フィナーレでは、男子がジャンプ(種類は見分けられず…)、女子がレイバックスピン、ペア・ダンスはリフトでした。ダンスは、できればコンパルソリーが見たかった!こちらの方がダンス!という感じがするので。
 自分の座っていた辺りにグランドフィナーレ待ちの男子選手4人がいたのでつい観察してしまいました。バトルとゲーブルが和やかにずっと会話してました。ジュベールがちらちらと2人の方を見るものの、会話には最後まで加わらず。3位入賞のSong Gaoは視線すらもそちらの3人に向けず、ずっとリンク中央を見てました。去年の表彰台上のチェンジャン・リーも会話に加わらなかったけれど、中国人選手は英語喋れないんだろうか。意外。
 ちなみに途中で観客席の親子連れ(小さい子供とお父さん)がリンクサイドに近づいていって、バトルに握手を求めてました。にこやかに応じていたバトルに好印象。
 最後のサインボール投げは、今までと違って選手がその場でボールにサインをして観客席に投げ込んでました。そのせいかボールは少な目。でも受け取ったものの誰のサインか分からない(笑)ということがないので、そっちのほうがいいかも。

 そして最後に特筆すべきこと。それはエキシビション終了後に発表された来年の開催地。それは我が地元名古屋!近所だー!旭川から帰る足取りも軽やかになりました。来年は全種目見れるかも。


11月29日11月30日

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