DABと特殊相対性理論

 
 
 

ディジタルラジオと相対性理論。これはあんまり関係無さそうに思う人が多いでしょうな〜。でも、ちゃんと関係があるんです。これからのオーディオは、特殊相対性理論ぐらいの事は知ってなくちゃ駄目だっちゅー事です。
DABは送信モードとして4つありますが、地上波はMODE-TがVHF、MODE-UとWがL-BAND(1.5GHz帯)で、衛星放送はMODE-Vです。 MODE-Vは、L-BAND帯域と言う事もあってキャリア間隔がかなり広くとってありますが、それでも地上波のMODE-Uよりも広くしてある理由は、衛星の位置と速度によって周波数がドップラーシフトする為です。
 

衛星は楕円軌道ですから、更に万全を期すために相異なる衛星のドップラーシフトによる周波数誤差を、データに載せて地上に送信します。 勿論、これだけだと役に立たないので、衛星の正確な緯度と経度の情報も載せます。 何故そこまで必要なのか?

これは、OFDM変調方式が本質的に抱える問題の一つでもありますが、極めて正確な周波数同調を必要とする事にあります。

既に説明したように、その変調波は直交変換された状態、つまり複素周波数領域で論じられますが、キャリア間の周波数は1kHz〜8kHzです(MODEにより違います)。
例えば1.472GHzで 8kHz間隔の信号の、各キャリアの位相情報を正確に捕らえようとすると、少なく見積もっても60Hzとかの精度が必要です。電卓で計算すると0.04ppmです(ppmは百万分の1)。移動体における誤差の積分値としては更に高い精度が要ります。
つまり、衛星と受信機の相対速度差によるドップラーシフトの影響を受けるんです。

どうやってそんな高精度が割り出せるのかって?

秘密です(^^;)。
だって、数学以外の言葉で「人が解るように」書き表せる人はこの世に居ないでしょうし、専門性が強いので、大学初年度程度の範囲での解説は無理です。

因みに、0.5Hzとかいった精度で(あくまで相対的に、ですが)計算で割り出せます。
なお、当然ながら、RF の OSC+PLLの位相雑音(発振純度)も、大変な値が要求されます。

ところで、楕円軌道衛星の切り替えには時計を使いますから、相対論的時間をこの時計は考慮する必要があると思われます。(未確認です。)
何しろ、途中で止まって休むわけにはいきませんから(^^;)、長い時間には無視できなくなるでしょう。 困ったもんだ…

という訳で、窪○氏のオーディオ評論家としての命も、あのくだらない本を書いたおかげでかなりヤバイでしょうな。
これからは擬似科学者として、頑張って我々を笑わせて欲しいものです。

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