MC ヘッドアンプ

私が最初に一から作ったオーディオアンプは、このMCヘッドアンプでした。大学2年生の時です。(大昔です。T_T)

私は、雑誌などのコピーというのを、やったことがありません。そういうものを参考にはしますが。
この最初のアンプも自分で設計したものでした。これはMJを参考にしています。確か牧誠氏(現在の(株)バッファロー社長)だったと思います。
バッファロー(旧社名メルコ)がオーディオメーカーだったなんて知らない人が多いかも知れませんね。糸ドライブってメルコの発案で、マイクロはパクリなんですよ。

このヘッドアンプは、その後7年ぐらい使い続け、今は知人の家にお嫁入りしています。
習作の域を出ませんが、作ってからいろいろいじり倒して、そこそこ使えるレベルではありました。
 

最終的な回路図(片ch)を下に示します。
 
FETを零バイアスで使い、パラにしてS/Nを稼いでいます。
この定数と電源電圧は、Idss依存性があります。この追い込みは、ある意味でアマチュア冥利かも知れません。
ある意味で言えば、簡単な回路ほど難しいという部分があります。

電源に電池を使ったのは、S/Nの意味以上に、学生時分に、トランスを買って定電圧電源を作るのは、価格的に辛かったからです。
電池はアルカリの単2です。電池で随分音が変わります。

電源スイッチは電池のすぐ後ろに付けました。モニターランプなしです。

電解コンデンサは無くても動きますが、低域のキレが違います。この時はBlack Gateを使っています。

パスコンは必要です。どんな回路でも、パスコンを付ける癖を付けた方がよいです。
これ無しだと、トラックの違法無線が飛び込んだりし易い様です。

5cmも離れたところに、どんなに優秀なフィルム・コンデンサを付けても、それはパスコンとは言いません。
一見、異常ないようでも、超高周波で発振したりし易くなります。
「一年使ったら突然おかしくなったけど、理由が解らない」 なんて人は、こういう所にもっと目を向けて下さい。
こういうところを無視して、コンデンサの音がどうのこうのと言うのは、基礎のないところに家を建てるがごとき行為です。

抵抗は、必ず金属皮膜か金属薄膜を使います。こういうアンプは、一にも二にも高 S/N を考えることです。
自分で思うより、貴方の耳はノイズの影響を受けているかも知れませんよ。

利得は
A=gm・R2
で求められます。gmは電流依存性がありますから、4個のFETはIdssを揃えなければなりません。
利得を決めた値にするよりも、歪み最小で追い込んだ方が良いと思います。
(理由ははっきりとは解らなかったのですが、R2を可変していくと、歪みが小さくなるポイントがあります。これ、実はいまだに謎。)

この回路で超Hi-gmのFETは止めた方が無難です。歪みが増えます。
「超」の付かない Hi-gm のものを必要なS/Nに応じてパラった方が歪みは小さくなります。
何個パラにしても歪みは増えませんが、S/Nは良くなります。もちろん定数は調整しなくてはいけません。

今では、入門者がアナログプレーヤーを使うことは殆ど無いので、このアンプは残念ながら入門用の呈をなさなくなってしまいました。
 
 

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