記述統計度数分布尺度水準代表値散布度

1. 名義尺度・順序尺度

1. 名義尺度・順序尺度
2. 間隔尺度・比率尺度
3. 離散データと連続データ

データの分類

数値を用いて表される統計データは,名義尺度・順序尺度・間隔尺度・比率尺度の4段階に分けられる。 名義尺度と順序尺度のことを「質的データ」, 間隔尺度と比率尺度のことを「量的データ」ということもある。 上のような分類以外にも, 個数等のようにとびとびの値になるものを「離散データ」, 測定値等のように連続的な値になるものを「連続データ」と分けることもある。

名義尺度

次の例のようなデータは,数値のもつ大きさ等に意味がない。 このようなものを名義尺度(nominal scale)という。 ただし後で述べる順序尺度の要件を満たさないものを名義尺度という。

名義尺度では,最頻値を求めることができる(そしてその値が有用である)。

順序尺度

次の例のようなデータは,数値の順序のみに意味がある。 このようなものを順序尺度(ordinal scale)という。 ただし後で述べる間隔尺度の要件を満たさないものを順序尺度という。

順序尺度では,最頻値や中央値を求めることができる(そしてその値が有用である)。

尺度の見分け方

名義尺度では,各値の出現頻度のみ調べることができる。 代表値のうち,最頻値を求めることができ有用であるが, 中央値や平均値には意味がない。

順序尺度では,各値の出現頻度に加えて,各値の大小を比較することができる。 代表値のうち,最頻値や中央値を求めることができ有用であるが, 平均値には意味がない。

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2. 間隔尺度・比率尺度

1. 名義尺度・順序尺度
2. 間隔尺度・比率尺度
3. 離散データと連続データ

間隔尺度

次の例のようなデータは,数値の差が意味をもつ。 たとえば2つの差 30−20 と 70−60 はともに何らかの等しい量を表している。 このようなものを間隔尺度(interval scale)という。 ただし後で述べる比率尺度の要件を満たさないものを間隔尺度という。

間隔尺度の零点(値が0となる点)の位置は相対的であり,単位を換えると零点が移動してしまうことがある。 間隔尺度では,最頻値・中央値・算術平均を求めることができる(そしてその値が有用である)。

比率尺度

次の例のようなデータは,数値の差と数値の比が意味をもつ。 たとえば2つの差 30−20 と 70−60 はともに何らかの等しい量を, また2つの比 30÷20 と 90÷60 はともに何らかの等しい量を表している。 このようなものを比率尺度または比例尺度(ratio scale)という。

比率尺度の零点(値が0となる点)の位置は絶対的であり,単位を換えても零点が移動しない。 比率尺度では,最頻値・中央値・算術平均・幾何平均を求めることができる(そしてその値が有用である)。 ただし幾何平均は,データがすべて非負のときに限り求めることができる。

尺度の見分け方

間隔尺度では,各値の出現頻度と大小の比較に加えて,各値の和を求めることができる。 代表値のうち,最頻値・中央値・算術平均を求めることができ有用であるが, 幾何平均には意味がない。

比率尺度では,各値の出現頻度と大小の比較に加えて,各値の和と積を求めることができる。 代表値のうち,最頻値・中央値・算術平均を求めることができ有用である。 データがすべて非負の場合は幾何平均も求めることができて有用である。 比率尺度のデータは非負に限定されると考えてよい。

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3. 離散データと連続データ

1. 名義尺度・順序尺度
2. 間隔尺度・比率尺度
3. 離散データと連続データ

質的データと離散データ

名義尺度・順序尺度は「質的データ」に,間隔尺度・比率尺度は「量的データ」に分類される。 これとは別に,「離散データ」と「連続データ」に分類されることもある。 離散量とはとびとびの値をもつ量のことで,個数などの整数値データはこれにあたる。 連続量とは隙間の空かない量のことで,測定値などの実数値データはこれにあたる。

「質的データ」に分類される名義尺度順序尺度は離散量と考えてよい。 名義尺度の場合は最頻値を,順序尺度の場合は最頻値と中央値を求めることができるが, もとのデータが離散量なら,最頻値や中央値も離散量になるから, 「質的データ」では離散量しか扱わない。

よって「質的データ」と「離散データ」がほぼ同義となる。

量的データと連続データ

「量的データ」に分類される間隔尺度比率尺度は離散量の場合もあれば連続量の場合もある。 間隔尺度の場合は算術平均まで,比率尺度の場合は幾何平均まで求めることができるが, どちらの平均も連続量である。 もとのデータが離散量であっても, 平均値(算術平均や幾何平均)を扱おうとすると連続量になってしまうから, 「量的データ」では連続量を扱う必要がある。

よって「量的データ」と「連続データ」がほぼ同義となる。

尺度水準のまとめ

質的/量的離散/連続正/負可能な代表値
名義尺度
nominal
質的離散(無効)最頻
順序尺度
ordinal
質的離散すべて最頻・中央
間隔尺度
interval
量的平均値は連続すべて最頻・中央・算術平均
比率尺度
ratio
量的平均値は連続非負のみ最頻・中央・算術平均・幾何平均

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2016.8.7 作成 / 2016.8.16 更新

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