毎晩いびきをかく方のなかに息がとまってしまう方がいます。なかでも10秒以上止まっている場合を無呼吸と言います。この無呼吸が一晩に30回以上あるいは1時間当たり5回以上出る状態を睡眠時無呼吸症候群と言います。
もっとも多い症状はいびきです。いびきが睡眠時無呼吸症候群を見つける重要なサインとなります。
次に重要なのは昼間の眠気です。無呼吸で深い睡眠状態にならないため睡眠が浅くなり質が悪くなり、翌日眠気が出て集中力が低下します。
集中力の低下は学業の悪化や仕事の能率低下、重要な会議中に居眠りしてしまうなどの悪影響を及ぼします。
眠気が強いと居眠り運転をして交通事故を起こす方もいます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんでは,SASがない方の7倍も交通事故を起こしやすいと言われております。当院の患者さんでも睡眠時無呼吸症候群の治療前に居眠り運転にてガードレールに突っ込み、車を大破された方がいます。
その他にも夜間頻尿やインポテンツ、頭痛・頭重感や口渇などの症状があります。小児の場合には成長障害を引き起こすことがあります。
合併症としては、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などがあり、突然死の発生も報告されています。
無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上ですと、生存率が低下し、8年目で約4割近くの方が亡くなってしまいます。
診断
1.眠気の問診票(ESS)を記入
2.診察(体重(BMI)測定、頚部の太さ、下あごの形状、舌肥大、扁桃腺肥大、口 蓋垂、軟口蓋の形状、大きさ確認。
3.鼻腔通気度測定(鼻づまりの検査)
4.在宅無呼吸テストHSAT(無呼吸低呼吸、酸素濃度の検査)
5.ポリソムノグラフィーPSG(無呼吸低呼吸、酸素濃度、心電図、睡眠の質、い びき、体位)
治療
1.CPAP(シーパップ);対症療法、原則毎晩装着
(4時間以上装着の日数が月に20日以上必要)
適応:PSGでのAHI 20以上、HSATでのAHI 40以上
新適応(2026年6月以降);それぞれ15以上、30以上となります。
CPAPの効果:
生命予後改善効果あり。
交通事故の発生率も下げる。高血圧も改善する。
メタボの改善、脳心臓血管系疾患の予防効果、睡眠の質の改善。
2.AHI15未満の時はOA(口腔内装置=マウスピース);対症療法、毎晩装着
3.肥満の改善
4.鼻閉の治療
5.小児で口蓋扁桃肥大、アデノイド肥大が原因の時は手術
6. 体位依存性の場合は、側臥位寝
簡易型ポリグラフィー (Philips Respironics社製STAR DUST U)

ポリソムノグラフィー装着例

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