内臓脂肪測定の重要性
メタボリックシンドロームの診断には内臓脂肪の量の判定が必要です。内臓脂肪型肥満は、臍レベル腹部断面での内臓脂肪面積が、100cm2以上と定義されています。
内臓脂肪が多いと、動脈硬化が進行し、血管内に血栓(プラーク)ができやすくなります。心臓の血管が詰まれば心筋梗塞に、脳の血管が詰まれば脳梗塞になってしまいます。
メタボリックシンドロームの方の多くは、下記の疾患を伴う事が多いです。
1.高血圧
2.糖尿病
3.高脂血症
4.高尿酸血症(痛風)
5.睡眠時無呼吸症候群
内臓脂肪面積を直接測定することは健康診断や日常臨床の場では容易ではないため、腹囲の測定により代用し、男性85cm、女性90センチ以上を内臓脂肪型肥満と診断しています。しかし、皮下脂肪が多いタイプでも、腹囲は大きく出てしまいます。また腹囲が男性より女性の方が大きいのは、おかしいという批判もあります。諸外国と比べて日本では、女性では臍が下方にあるため骨盤の影響があるのではないかとも言われています。内臓脂肪の付き方には個人差があり、ウエスト長からだけでは、内臓脂肪の量を正確に把握することは困難です。
つまり、腹囲の測定のみでは正確な診断は困難です。
そこで、可能なら<腹部CTにより内臓脂肪面積を精密に測定する>ことが望ましいです。なぜなら腹部CTで、実際の内臓脂肪の面積が正確に測定できるからです。
内臓脂肪CTは、内部で2,3スライス撮影するのみですので、時間も短時間で終了します。放射線量も一般のCT検査に比べると少なくすみます。ただし妊婦の方、妊娠可能性のある方には検査できません。ご希望の方、当院受付までお電話でお申し込みください。
費用:3500円<保険診療対象外です>
結果報告書↓
赤いところが内臓脂肪で、うす緑が皮下脂肪です。
下記の例では、内臓脂肪が201.7と脂肪過多になっており、糖尿病、高脂血症の精査も必要になります。
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