COPD


 喫煙に起因する3大死因として、肺がん、心筋梗塞、COPDがあります。なかでも最近COPDによる死亡者が年々増加しています。これは喫煙者がなかなか減らない事によります。COPDは<肺たばこ病>と言えます。
 COPDとは、慢性閉塞性肺疾患の略です。昔からある病気の肺気腫慢性気管支炎がこれに含まれますが、両者を明確に区別できない場合もあり、両者を含めてCOPDといいます。
 COPDは男性に多く、ほとんどが喫煙者です。症状として、息切れ、咳、痰があります。階段、坂道で息切れがして途中で休むことがある場合に、老化現象と片付けて放置する方が多いですが、COPDが発症している可能性が高いのです。また咳、痰が長引いており、風邪をこじらせていると軽く考えていたら、COPDだったという事も多々あります。
 COPDの診断は、スパイロ(スパイログラフィー)という肺活量の検査で行い数分で終了します。これで<肺年齢>がわかります。これは肺の健康状態を知るバロメーターです。COPDが心配な方は、ぜひ気軽にスパイロを受けていただければと思います
 COPDの治療で最も大事で有効なのは禁煙です。COPDの予防のためにも禁煙は必須です。薬物療法としては、気管支拡張薬(抗コリン薬、β刺激薬)の吸入、対症療法(去痰薬など)があり、呼吸リハビリテーション(呼吸法、運動療法)、良い栄養状態を保つこと、かぜ、肺炎の予防(インフルエンザや肺炎の予防注射)なども重要です。
スパイログラフィー
  肺活量、1秒量、ピークフロー、
フローボリュームカーブの測定。
 肺年齢の表示

正常者のスパイロ                       COPDのスパイロ
                                         (実年齢70才、肺年齢95才)
                                         左に比べピークが低く、
                                         曲線が下に凸になっている。
胸部単純レントゲン検査では、はっきりしないが、右のCTスキャンでは、黒い部分が明らか。この黒いところが肺組織が喫煙で破壊されている病変部位。