禁煙


喫煙による害
 喫煙者は肺がんになりやすいと言えます。非喫煙者を1.0とした場合、喫煙者の肺がんになるリスクは4.5倍にもなります。肺がん以外のがんリスクも高くなります。胃がんが1.4倍、膀胱がんと膵臓がんが1.6倍、食道がんが2.2倍、口腔、咽頭がんが3.0倍、肝臓がんが3.1倍、喉頭がんはなんと32.5倍にもなります。喫煙はがん以外の疾患のリスクも高めます。狭心症、心筋梗塞が1.7倍、くも膜下出血が1.8倍、胃潰瘍が1.9倍、COPD(肺気腫)が2.2倍となります。このように喫煙は万病の元になります。なぜ喫煙でこのような害が起こるのかといいますと、煙の中に多数の有害物質が含まれているからです。約200種類の有害物質が含まれており、その中の約40種類が発がん物質です。含まれる量と毒性の強さからみて、ニコチン、タール、一酸化炭素が3大有害物質です。その他にアセトン(ペンキ除去剤)、ブタン(ライター燃料)、ヒ素(殺虫剤)、カドミウム(カーバッテリー)、トルエン(工業用溶剤)、ベンツピレン(発がん物質)、アンモニア、ニトロソアミン(強力発がん物質)などが含まれています。

がん以外にもたくさんの悪影響があります。
 最近、最も注目されているタバコ関連疾患は、COPDです。肺が破壊される肺気腫や慢性の気道炎症がおこる慢性気管支炎のことです。最近は、これらをまとめてCOPDと呼びます。長引く咳、痰や、階段で息切れするなどの症状が出ます。診断はスパイロ(肺機能検査)で簡単にわかります。これらの症状がある方は、年のせいだとか、かぜが長引いているなどと自己判断せず、スパイロを受けて下さい。喫煙は、その他にも心筋梗塞やバージャー病(足の血流が悪くなり、痛み・潰瘍が生じる病気)等のリスクファクターであり、喘息患者さんでは喘鳴発作の引き金にもなります。

喫煙は病気です。
 このように悪いことばかり起こりうる喫煙ですが、どうして”分かっているのにやめられない”のでしょうか?意志が弱いからでしょうか?確かにそれもあるかもしれません。
 しかし主な原因は、煙草の煙に含まれるニコチンにあります。ニコチンには脳でドパミンという快感物質を分泌させ、頭をすっきりさせるなど、精神的な快感を起こす作用があります。
 このため、タバコが切れるとドパミンが出なくなり、イライラする、怒りっぽくなるなどの禁断症状が出ます。そのために喫煙を再開してしまいます。ドパミンを出すために、タバコに手を出してしまうのです。いわばドパミンの奴隷になってしまうのです。
 喫煙は、ニコチン依存症という病気なのです。病気ですから、自分の意志のみでは禁煙は困難であり、専門の医療機関で治療を受けることにより、成功率が高まると言えます。


薬剤による禁煙法

@ニコチンパッチによる禁煙法
ニコチンを含むパッチを貼ることによって、ニコチンきれの禁断症状を抑えます。

詳細は下記URL
http://www.e-kinen.jp/


A経口薬による禁煙法
タバコを吸いたくなくなる飲み薬です。
服薬中は、眠気の副作用が出る可能性があるので、運転等は禁止となります。

詳細は下記URL
http://www.sugu-kinen.jp



 あなたの今持っている強固な禁煙意志が全ての原動力です。

もう一度、禁煙しなければならない理由をよく考えましょう。
ご自分にとっての禁煙のメリット、デメリットはなんでしょう。
禁煙に成功し、はつらつとした健康的な生活を送るご自分を想像してみて下さい。

また、ご自分の生活習慣を禁煙を想定して見つめ直してみて下さい



気持ちが整理できたら喫煙道具を片づけましょう。禁煙中はストレスがかかります。出来ればストレスの少ない時期に禁煙を開始することをおすすめします。




 誕生日など、何かの記念日をきっかけに禁煙を開始するのはいかがでしょうか?
 あなたの意志が禁煙へのスタートラインです。






   

さぁ、禁煙開始です。家族や同僚に禁煙宣言をしましょう。きっと励ましてくれるはずです 。離脱症状に悩まされるのは禁煙開始後1〜2週間の間です。ニコチンを補うことの出来るガムやテープを活用してください(あなたの持つ病気によっては、使用できないこともあります。医師に相談の上、処方箋をもらってください)。



  

禁煙を思い出させるような場所や会合などは、出来るだけ避けるようしましょう。





散歩をする、スポーツをする、趣味を見つけるなど、煙草を忘れる努力をしましょう。

ストレスを感じないこと、解消できることが大事です。苦あれば楽あり、禁煙が成功し健康になれると、全て良い方に考えるようになります。




  

体調はいかがですか?痰や咳が少なくなり、心身ともにさわやかになってきたのではないでしょうか。

しかしつらい時期をすぎて、最初の張り切った気持ちを忘れていませんか?つい喫煙してしまうようなつきあい、場所にはできるだけ近づかないようにしましょう。
特にお酒の席は要注意です。




  

食事もおいしく感じられることと思います。ついつい食べ過ぎて太らないように気をつけましょう。
もしあなたが禁煙中に煙草を吸ってしまっても、禁煙を諦めてはいけません。2〜3度の失敗は通常見られることで、失敗自体を問題にくじけたり、自己嫌悪に陥らないことが重要です。大事なことは失敗の経験から何を学ぶかではないでしょうか。



 

今までの努力の日々、ご苦労様でした。

この努力を無駄にしないよう継続しましょう。

新しく作った生活習慣を大事にして下さい。

色々と努力した過程で禁煙以外に得たものも多いのではないですか?

ご自分に自信を持ちましょう。





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