クジラ・イルカの祖先と起源
Ancestor and Origin


祖先
 およそ6000万年前頃の「メソニックス類」(偶蹄類/ラクダやウシの祖先)が祖先ではないかと言われています。このメソニックス類は現在の「肉歯類」(犬やイタチの直系祖先)が栄える以前に繁栄した肉食性の哺乳類で、大きさは犬程の大きさからクマ大のサイズまで様々。メソニックス類は先の「肉歯類」食肉哺乳類の繁栄によりその生態系的地位を交代し、有蹄類や鯨類へと変わって行きました。


起源
およそ5000万年前に繁栄したムカシクジラ科の「パキケタス類」が餌生物(頭足類等)の豊富な浅い海の生活に上手く適応し始めました。
5000万年前・・・「ムカシクジラ科」が現れ前足はヒレに、後ろ足は退化し始めた。
4000万年前・・・「ドルドン科/バシロサウルス科ゾイグロドン科」など幾つかの科に分かれ、この頃既に尾鰭を持ち始めたのではないかと思われる。
3000万年前・・・ミッシングリング時代。おそらく多くの種類のムカシクジラが現れ、又淘汰された時代ではないだろうか。種族のつながりを特定出来ない時代なのである。

系統図


名前に印の有るモノはクリックするとイラストが見られます。

2500〜2000万年前・・・この時代になって「スクアロドン科」の多くは現在の歯クジラにかなり近づいており、フォルムにも方向性が見られるようになってきた。「ユーリノデルフィス科」「スクアロデルフィン科」などは現在のマイルカ科の基本系と思える。マッコウクジラの直系は既にこの頃現れていたと思われる。
1500万年前・・・マッコウクジラの仲間は繁栄を始め、「アウロフィゼター」やその仲間は既に深海への適応を確率していたという説も有る。また、この時期ヒゲを持ち始めたた「ケトテリウム科」が現代のヒゲクジラの基本系だと思われています。
500万年前・・・マッコウクジラ科より一足遅れてホッキョククジラの仲間が同定出来る頃。
200万年前・・・現在居る全てのクジラ目/科が出揃った時期、今とほぼ同じ体機能を獲得していましたと推測。
完全に解明はされてないが、かつてクジラ・イルカ類にも収斂現象が起きており、現在の彼らにも複数の祖先を持っているものと思われる。



先にも述べたメソニックスには様々な形態の仲間がおり、おそらく世界中のいたる所でクジラやイルカを目指し適応放散した種族がいたのではないでしょうか。さらには度重なる大絶滅の後に起こる「生物の大量発生」時にも様々な形状をした種族も誕生したと考えられ、種の同定は非常に難しい問題なのです。
※収斂:別系統の種族であるのにもかかわらず、同じ様な生態系内で生活をしていると、共に同じ様な形態/生態的に進化する事。
※偶蹄類:蹄が偶数の哺乳類、ラクダやキリンなど。蹄が奇数の哺乳類は奇蹄類と呼び、ウマなどが代表。

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