ホタル・飼育・手賀沼・釣り
カワコザラガイ

カワニナ、モノアラガイ、サカマキガイ、タニシを飼育しています。飼育槽は3つありますが、そううちの1つは庭に埋めた園芸用プランターです。そこにはメダカや水草も一緒に入っていて、濾過装置やエアレーションなしでも水質は安定しています。しかし、庭木の葉が入ってしまうことが多いため、2〜3日に1回その葉を取り除いています。
ある日、取り除いた落ち葉に黒色の斑点が見えました。サカマキガイの稚貝はよくついていますが、それとは明らかに違うものでした。

 右の写真は、プランター水槽に落ちていたケヤキの葉の拡大写真。
黒色の斑点をさわってみると硬く、殻のようなものがあることがわかった。肉眼でははっきりわからないが、貝のようである。
 大きさは、この写真のなかで大きなものが2oくらい。他の葉にもついていたが、どの葉を見てもこれ以上の大きさのものはない。
 スライドガラスに乗せ、ルーペで観察してみた。右側の写真は裏面のようすである。
形は飼育槽に入れたモノアラガイやサカマキガイのような巻き貝ではなく、笠型をしている。裏返しにするとゆっくりと動いていた。

 この名前を知るために、千葉県立中央博物館に問い合わせてみた。その後、博物館の動物学研究科に所属している先生にこの貝を送り、同定をお願いした。(フィルムケースに入れて郵送。水は入れない。)
 数日後、博物館より手紙が届いた。
 「本日お送りいただきました標本、受け取らせていただきました。結果は、カワコザラの一種でした。カワコザラ(カワコザラガイ)は、これくらいの大きさで親(成貝)で、淡水にすむ巻き貝の一種です。ただし、貝殻は巻いておらず、海にいるカサガイと同じ形をしています。
・・・(中略)・・・・今回の標本は、お手紙によりますと、どうも土着の種が入ってきたと考えるより、園芸店の水草に付いてきたものが広がったように思われました。
この仲間は今回のように、必ず落ち葉やスイレンなどの葉の裏に付いています。そして、その表面の「珪藻」等を取って食べています。貝が小さく、直接植物を食べないので、何かの害が出ることはありません。
また、近くの池や水草を気をつけて見られますと、カワコザラ類が付いている可能性があると思います。」

送った貝は、博物館の標本として登録していただきました。

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